4月最初のウィークデイ、ラソナの入社式の席で社長の岡村氏が新入社員に向けて言った一言が印象的だった。
「リーダーシップというのは決めることやからね」。
何かを「決める(決断する)」ことには、「勇気と自信」が必要である。何故なら、何かを決める(取る)ことは、可能性のある何かを「捨てる」ことだからだ。
何でもゴルフの例えで申し訳ないが、ベストショットを放てばグリーンに届くスプーンで打つか? 手堅く7番アイアンで刻むか? 当たり前だが、両方を選択することは出来ない。どちらで打っても成功する保証はない。
「決断」することは、即ち、「リスクを受け入れる」ことである。
しかし、決断せずに、その場に留まることは、時として「リスクを増幅」させることになる。
「地球の温暖化」がまさしくその典型的な例だ。
話しをラソナの岡村氏に戻すと、彼は大阪芸大を中退して(意思決定して)、単身、スペインに渡った。
そして、スペインでの画家の登竜門と言われる品評会で「優勝」した。
しかし、日本人ということで「ギャラリー」がつかず(契約してくれるギャラリーがなく)、手元には賞金だけが残った。
その賞金で一生、画家生活が出来ればよかったが、当然、そんな額ではない。
それで現実を直視させられた岡村氏は、帰国を決意(決める)した。
恐らく、そのことが彼の原体験になっているのだろう。彼は口癖のように「マーケットはあるのか?」と言う。
スペインに「日本人の画家のマーケット(スポンサーになってくれるギャラリー)はない」=スペインで画家にはなれないのだ。
人生は学びの連続である。