「もらっている」もののほうが多い。

この3連休は、家の掃除(笑)を含めて色々なことができ、充実した3日間だった。

ところで、その連休中に、ふっとしたことで、最初の会社を細々と経営していた頃のことを思い出した。

僕は1994~1996年頃、マッキントッシュを使って、いわゆるDTP(Desktop Publishing)の仕事をしていたが、その当時、とてもお世話になったデザイナーで八木さんという方がいた。

彼は若くして独立し、ご自分のデザイン事務所を経営されていたが、ある時、こんなことを言っていた。

「子供のために自分がやりたい仕事を我慢していると、それは子供も分かりますよ。そういう思いをさせるのは、子供に申し訳がないですよね」。

彼は、とても優秀なデザイナーで、尚且つ、マッキントッシュに限らず、様々なデジタル機器に詳しかったが、若いとき、「海外で仕事をしないか?」という誘いがあったらしい。でも、子供のことを考えて、そのオファーは断ったと言っていた。

また、彼は忙しい時は事務所に泊りがけで仕事をしていたが(僕らの仕事もそうしてやってくれていた)、ある時、「(子供から)もらっているものの方が多いですよ」とも言っていた。

八木さんとは、彼の事務所が入っていたマンションの入り口のスペアキーを渡されていたほど仕事をさせていただいたが、上記の2つの言葉は、今でも脳裏に焼きついている。

自分の子供を膝に乗せていると、言葉には表せない感情が沸いてくる。たしかに、子供から学ぶことは多い。

そう言えば、日系2世の叔父にも、同じようなことを言われたことを思い出した。洋の東西を問わず、そういうことなのかもしれない。