実家の「浸水」と「岸辺のアルバム」。

実家の「浸水」と「岸辺のアルバム」。

福島県郡山市の実家が「浸水」した。

地元で小さな弁護士事務所を営む次男から送られてきた写真を見て、絶句した・・・。1階は完全に水に浸かり、隣のお婆さんは、ボードで救出されたそうだ。

今回の台風でお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げます。そして、被災された方々が一日も早くいつもの日常に戻ることができることを祈ります。

東京に住む末弟は今日、新幹線に乗り、郡山に向かった。思いの外、水は早く引いたようで、次男と三男は実家に入り、現状を確認した。送られてきた写真は、いつもは、テレビのニュースで見る光景だった。

「いつまでもあると思うな親と財産。無いと思うな怪我と災難」。生前、父親はいつもそう言っていた。

僕は今日この後、東海道新幹線に乗り、大阪に向かう。Startupbootcamp Scale Oaka というグローバルアクセラレーションプログラムで、世界中から選抜された20チームのスタートアップのために、日本のスタートアップ・エコシステムに関するレクチャーをするためだ。

正直、末弟と一緒に実家に行き、母親(正確には養母)に会い、水に浸かった実家に行きたい気持ちが無いわけではなかったが、世界中から日本に来てくれたスタートアップのことを思うと、大阪に行かない選択肢は無かった。

今回の未曾有の被害を経験して、我々日本人は何を感じ、何を学ぶのだろうか?

国家予算 97兆7,128億円の「約1/4」が「国債費」。つまり、政府借金の返済。尚且つ、税収の不足を賄うための新規国債の発行額が「33兆6,922億円」。僕がわざわざ言うまでもなく、子どもたち、或いは、まだ生まれていない子どもたちからの借金だ。

海外に行くと、舗装道路がボコボコになっており、日本に帰ってくると、舗装道路のキレイさに改めて気がつく。僕は別に、青森県の方々に他意があるわけではないが、10年近く前、初めて八戸に行った時に通った「自分たち以外にクルマが通っていない高速道路」に驚いた。これが、道路族という方々の仕事?なのか、と・・・。

どうして人間は、短期(私利)の利に迷い、長期的(社会的)な繁栄を犠牲にするのか?

僕は科学者ではないし、きちんと調査したわけではないが、ここ数年の自然災害が「地球温暖化」の影響なのは疑いようがないだろう。

人為的「温室効果ガス総排出量」に占める「ガス別排出量の内訳」を見ると、76%が「二酸化炭素(CO2)」であり、65%は「化石燃料起源CO2」であり、自動車や飛行機によりガソリン消費の影響が大きいのは周知の通りである。しかし、その事実と較べると、「メタンガス(16%)」と「一酸化二窒素(6.2%)」がもたらす影響に関しては、ご存じの方は決して多くはないだろう。

「メタンガス」は大気中に放出された後、それが分解されるまでに「10年」を要する。「一酸化二窒素」に至っては、なんと「100年」を要するそうだ。そして、オゾン層を破壊する作用もある。

「牛のゲップ」が「メタンガス」を排出することをご存じの方は多いと思うが、「畜産を含む農業」によって排出される温室効果ガスは、「一酸化二窒素、メタン、二酸化炭素」がそれぞれ「1/3」ずつだそうだ。

今の産業構造のままでは、地球は危機的状況になるのは必至だろう。

話を台風19号に戻すと、千曲川、阿武隈川等の決壊や氾濫により発生した甚大な被害を復旧させるために、どれだけの「財源」が必要になるのだろうか?

ところで、1977年に放映された「岸辺のアルバム(TBS)」というドラマをご存じだろうか?

「多摩川の決壊(そうならずに済んで本当に良かった)」と「家族の崩壊」を重ね合わせたドラマである。当時の僕は中学3年生だったと思うが、未だによく憶えている。

東京生まれ東京育ちの妻が言うには、彼女が子供の頃は、多摩川や目黒川は頻繁に氾濫していたという。それを税金を投入し、多摩川は拡張し、目黒川は改良工事をしたということだ。

ところで、出生数は90万人を割った・・・。もういい加減、幻想に酔いしれるのはやめるべきだ。もう手遅れかもしれないが・・・。

そうならないことを祈りたい。