「眼の前が真っ暗になり、歩けない・・・」。そう言って電話を掛けてきたのは、今週の月曜日(7/18)。勤務先からの帰宅途中だった。
高2の長男を迎えに行かせて、何とか帰宅したのが18時少し前。メニエル病の持病がある妻は、激しい目眩と激しい腹痛を訴えており、そのまま横になっていれば治るという感じではなかった。
救急車を呼ぼうと思い、119番に電話するも、話し中で一向に繋がらない。東京都の救急対応相談窓口があり、そこに電話をするも同様な状況だった。30分ぐらいしただろうか。ようやく繋がったので事情を説明すると、とにかく、119番に掛け続けて下さいという。繋がらないので、そちらに電話をしたというと、とにかく、繋がるまで掛けて、繋がったら、相手が電話に出るまで鳴らしっぱなしにして待って下さい、という。そんなこんなで、救急車を呼ぼうと思い、電話を掛け始めてから、救急車が来てくれるまで、3時間を要した。尚且つ、救急車に妻を乗せてもらった後、救急隊員が受け入れ先の病院に片っ端から電話をしている。受け入れ先が見つかるまで、20分・・・。
結果的には虫垂炎(いわゆる盲腸)で、命に別状はないが、これが脳梗塞等、一刻を争う病気だったら、どうなっていただろうか?
コロナ対応に力を入れるのは良いが、そのせいで、他の重篤な病気の方で救えるはずの命が救えなかったということが、間違いなく、起きているだろう。それでいいはずがない。
日本は、あまりにコロナに過剰反応しているとしか思えない。BA5は感染力が強いというが、重症化リスクは少ないと聞いている。先月、約2年半ぶりにヨーロッパへ出張した際、ロンドンでもアムステルダムでも、98%程度の割合で、殆どの人がマスクをしていなかった。ここでも日本はまた「ガラパゴス」だ。
さて、話を妻の入院に戻すと、二人の子どもの食事の世話や買い物、洗濯など、とにかく忙しい。もちろん、仕事もしているわけで、子どもたちに夕食を食べ終わらせた頃には、もうヘトヘトである。
今までも、妻が乳がんの手術で入院したことがあったが、今回は、いつもの「キャベツスープ」だけでなく、今までに作ったことのない料理を作ろうと思い、様々な新メニューにチャレンジした。今日は「土用の丑の日」で「鰻」を買ってきたが、それだけでなく、ゴーヤチャンプルーを作った。
妻が入院した次の日、いつものスーパーに買い物に行き、人参、玉ねぎ、じゃがいもを買い物かごに入れていたところ、目の前に「スープカレー」の素が置いてあるのが目に入った。本当は普通のカレーを作るつもりだったのだが、予定を変更し、スープカレーを作ることにした。その瞬間、ひとりの消費者として初めて、クロスセルの効果を実感した。
朝起きたらその日の天気予報を確認し、朝食を用意している間に洗濯機のスイッチを押す。ブロッコリーを茹でている間に豚肉を炒める。数日先の献立を考えながらスーパーに行く。時間は限られている。
僕のような凡人は、当事者にならないと分からない。そのことを理解した。