シンガポールに会社を設立(することに)した。

石川遼選手(プロゴルファー)が、米ツアーに再度、挑戦することを決めた。12月に行われるPGAツアーの予選会に出るらしい。

33歳。プロゴルファーとして若いとは言えないが、彼の場合、5年間、アメリカでPGAツアーに挑戦していた経験値もあり、まだギリギリ、アメリカのPGAツアーに再挑戦できる年齢だろう。素人の僕には分からないが、世界トップレベルの選手たちと戦えるよう、スイングをゼロリセットし、1から作り直してきたという。

実はこのブログは昨年12月に途中まで書いたままになっていた。なので、「予選会に出るらしい」となっている。結果は残念ながら、予選会を突破できず、今期のPGAツアー再挑戦はならなかった

でも、彼は諦めないだろう。応援したい。

「することに」をカッコで括ったのは、上述のとおり、12月に途中まで書いていたから。せっかくなので、事の経緯を憶えておくためにも、そのまま残しておくことにした。

2025年1月7日。僕にとって10社目となる新しい会社「GoGlobal Catalyst Pte. Ltd.」をシンガポールに設立した。外国に会社を設立するのも初めてだし、共同創業者が外国人なのも初めてだ。

GoGlobal Catalyst (GGC) の目的は、日本人が共同創業者のひとりとして、日本人以外(外国人)と一緒にグローバル市場に挑戦するスタートアップを輩出すること、そして、自分たちもスタートアップとしてグローバルなビジネスを立ち上げることだ。

結果的に僕の共同創業者は「イギリス人」で、極めて国際的で多様性に富むチームになった。自分たちのビジョンを、まずは自分たちで体現することが大切だ。

ここから先は、つい先程、Substackというシリコンバレー発のニュースレター発行プラットフォームで発行した最新のニュースレターの日本語訳(内容は微妙に変えている)を紹介したい。

僕の新しいチャレンジの「物理的」なスタートは2023年6月9日(金)、東京は三鷹市にあるCo-Working Spaceで始まった。その場所の名前はMusashino Valleyで、僕も出資者の一人。

この場所は、スタートアップではなく、ビジョンや計画はあるものの、次のステップを踏み出すことに「尻込み」している一般の人々のためのコミュニティ。

当日は、観客の前で「自分の次のステップ」を宣言することを目的とした、最初のミートアップが開催された。そうすることで、後戻りできない状況に身を置くためだ。

ご想像の通り、僕もその中の一人だった。

そもそもは、2011年8月にサンブリッジグループがシリコンバレーのPlug and Play Tech Center(現Plug and Play)で開催したイベントに遡る。

日本から連れて行ったスタートアップの英語でのピッチ(プレゼン)を聞いて、なれない英語で頑張っているな!と感銘を受けた。

でも、次の瞬間、戦後の焼け野原の「1ドル360円」の時代に、片道切符で米国市場に乗り込んだソニーやホンダなどの創業者や初期の社員の方々の苦労に較べたら、僕たちはあまりにも恵まれており、僕たちの努力は鼻くそ以下だと思った。

そして、日本の将来のために自分に何ができるか?を考えた。

日本は、世界第3位(当時)の経済大国に上り詰めたとはいえ、GDPの2倍もの公的債務を抱えており、このまま何もせずに死んでしまったら、子供たちにツケを残して「無銭飲食」でこの世を去ってしまうようなものだと考えた。

僕は数学が苦手で、コードも書けない。今から政治家にはなれないし、なれたとしても、大したことはできない。でも、僕はいくつかのスタートアップを共同創業し、そのうちの1社は株式公開を果たし、もう1社はヤフー・ジャパンに売却した。また、ドリームビジョンでは痛い失敗を経験した

海外に住んだことは一度もないけど、それなりに英語も話せるし、外国人の友人もたくさんいる。そこで、僕は残りの人生を日本のスタートアップエコシステムのグローバル化にコミットすることにした!

あれから、13年と5ヶ月になる。

2024年7月Dan Brassingtonと僕は、東京のお気に入りのラウンジでソファに座っていた。僕は彼に、残りの人生について考えていることを相談した。

彼は「それは問題じゃないよ。Ikuoのマインドセット次第だ。先延ばしにするのは、止めた方がいい。1か月間、時間をあげるから、結論を出しなよ」と言った。

僕は「1か月とは随分と長いね。なぜそんなに長い時間をくれるのか?」と訊いた。

すると彼は「あまり追い詰めるのは良くないと思ってさ・・・w」と答えた。

僕は彼に「分かった。じゃあ、2週間くれ。」と返事をした。

7月13日(金)。彼がシンガポールに帰る前日、再びソファに座り、僕は「決めたよ。やることにした!」と言うと、彼は「じゃあオレも一緒にやるよ!」と返してきた。

これがGoGlobal Catalystの「精神的なスタート」だった。

僕は現在、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(通称:武蔵野EMC=Entrepreneurship Musashino Campus)の教授として学生を指導している。学生たちには「見込み顧客」へのインタビューが大切だと言っているが、そういう僕は、あまりそういうことをしたことがない。

でも、ピッチデックを作成し、ここ数ヶ月、毎日のように投資家やビジネスパートナー候補の方々へのプレゼンを行っている。学生たちに言っていることを自分でも実践しているということだ。

その結果、なるほど・・・日本の大企業は、こういう問題意識があるんだなとか、組織とはこういう意思決定のメカニズムになっているんだなとか、様々なことを学ぶことができた。

起業家に必要な要素として、「根拠のない自信」を挙げることが多々ある。僕自身、今回の挑戦に関しては、確たる根拠があるわけじゃないけど、絶対に上手くいく!と確信している。でも同時に、言語化はできていなかったけど、このまま(最初のプランのまま)では上手くいかないとも思っていた。

ようやく最近になって、顧客のニーズや問題意識、需要はどこにあるのか、自分たちをどう位置づけるべきか? が分かってきた。

もちろん、そう簡単には問屋は卸してはくれず、幾多の試練が待っているだろう。でも、前に進めると思う。

3月か4月には、GoGlobal Catalyst としての事業構想に関して、プレスリリースを出したいと思っている。いや出せるように頑張る!!

まずは、1/31 (金)、渋谷サクラステージにオープンする最新のCo-Working 兼 Event Spaceで実施するEMC Global Summit の前夜祭で、GoGlobal Catalyst の事業構想について話をする予定だ。

また、その翌日2/1 (土)に開催するEMC Global Summitでは、海外から招聘する学生起業家や大学関係者、ベンチャーキャピタリストの方々と、日本を含めたアジアのスタートアップエコシステムを盛り上げていくにはどうするべきか?について、僕がファシリテート(会話は英語)することになっている。

皆さん、是非、ご参加下さい!!!

フジテレビの問題に思うこと。

フジテレビの問題はこのままでは済まないだろう。僕の考えを「X」に投稿しようとしたところ、内容が彼らのcode of compliance に抵触したらしく、投稿が拒否された。表示された画面を見て、それ以外にも何件か投稿したつもりになっていた投稿が拒否されていたことを知った。Elon Muskは検閲には反対していたが、そうではなくなったのか?

2017年頃、スタートアップエコシステムやイノベーションに関連する講演を依頼された際、必ず紹介していたチャートがある。McKinsey のレポートに掲載されていたものだ。

Netflixは2015年、自国(アメリカ)以外の視聴者が「41%」を占めていた。今は恐らく、60-70%になっているだろう。日本を含めて「世界市場」でビジネスをしているわけで、当然とも言える。

では、放送法により様々な制約を受けると同時に外資の参入を妨げ、規制に守られた環境で日本市場だけでビジネスをしとぃる日本の民法キー局の時価総額と、「自由演技」をしている「Netflix」の時価総額を比較するとどうなるだろう?

上記のチャートは、つい先日、皆さんもご存じのショッキングな事件で報道されていた法政大学小金井キャンパスで講演をした時のものだ。2019年11月22日で、生憎の雨模様だったことを憶えている。

2019年7月現在Netflix の時価総額は当時の為替レートで計算して「17.7兆円」。対して、日本のキー局の時価総額合計は、約1兆4,000億円

では、現在はどうなっているだろう?と思い、調べてみた。結果は以下のとおり。

フジメディアホールディングス:3,959億円

日本テレビ:6,683億円

TBS:5,877億円

テレビ朝日:2,293億円

テレビ東京:813億円

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合計:1兆9,625億円

対するNetflixは「3,668億ドル」。156円/ドルで計算すると「57.2兆円」。

世の中は「フジテレビと中居正広さん」との関係で騒がしい。どうやら日本国内だけでなく、海外からも厳しい目を向けられているようだ。

外部圧力により「パンドラの箱」を開けられつつあるということなのだろう。この表現が「X」のcode of complianceに引っ掛かったようだ。

堀江さんがフジメディアホールディングスの株式を取得したとのこと。20年前の出来事を思い出す。

事態の行く末を注意深く見守りたい。