「WEB2.0(ウェブ進化論)」と僕の人生(続)

今朝から悠生の具合が悪くなり、今日のテーマは「初めての子育て」でもよかったのだが、約束?なので、昨日の続編にすることにした。

梅田さんはウェブ進化論の中で、「不思議な人間的魅力を伴う『器の大きさ』と『動物的な強さ』を併せ持つ個性に出会うことは滅多にない」と、はてなの近藤さんを絶賛しているが、僕が今までに出会った中にも、そういう人物がいる。

ひとりは、吉川欣也さんという人で、彼は今、シリコンバレーで活躍する日本人のひとりだ。

やはり、自ら創業したデジタルマジックラボという会社を退任してシリコンバレーに渡り、パートナーの石黒さんという天才的なエンジニアと一緒に、シスコのルーターに対抗するシェアウエアのルーター開発ベンチャーを興した。つい先日、彼とのメールのやりとりで知ったのだが、全株式をアクセスに売却したそうだ。彼は引き続き、創業経営者(社長兼COOだったと思う)として、2回目のEXITとして「IPO」を狙うと言っていた。とにかく、その腹の括り方は凄いの一言である。

もうひとりは、ウエディングプロデュース&ホテル・レストラン運営等を手掛ける野田豊という人物だ。

僕らが結婚する時に、彼が経営するウエディングプロデュース会社に発注したのが縁で知り合い、一時期は頻繁に会っていた。オプトのハチ(鉢嶺氏)なんかと一緒に、よくゴルフに行っていた。最後に会ったのは、僕が社外取締役に就任したラソナ社長の岡村氏(仲間内ではポンと呼んでいる)の結婚式だったが、相変わらず、エネルギーの塊だった。今や一部上場企業となったテイクアンドギブニーズの野尻さんも、以前は野田が経営するプラン・ドゥ・シー(PDS)の社員だったそうだ。因みに、PDSは業績的には充分に上場できるレベルにあるが、資金ニーズがないので上場メリットがないとして、野田はPDSを上場させようとしないカリスマオーナー社長だ。

彼らの才能とエネルギーには敵わないなあと思う。

もうひとつ、梅田さんの言動で印象に残っているのは、9.11以降、自分の生き方を変えて、1970年以降に生まれた若い人達と積極的に会うようにしたということである。

僕の場合、幸いにも、インタースコープにおいて、述べ50人以上の「インターンの学生達」と接してきたことにより、今の若い人達は、僕らの世代が今の彼らの年齢だった頃とは比較にならないほど優秀であることを体感した。

そして、僕は、たまたま若い人達(この表現はとても嫌いだが)と交流することが好きで、仕事はもちろんであるが、食事に行ったり、飲みに行ったりと、彼らとの接点がたくさんあったし、今もある。それは、非常に恵まれていることだと思う。

なので、羽生善治さんが言う「高速道路の大渋滞」の比喩は、皮膚感覚で理解できる。

つい先日、久しぶりにランチを共にしたライブレボリューションの増永さんも、将来が楽しみな1970年以降生まれの起業家である。ドリームビジョンの事業構想について、彼にコメントをもらったのだが、とても参考になった。さすがの一言である。

最後にもうひとつ、ウェブ進化論で僕が「再発見」したことは、そう言われてみれば、吉川さんも野田も(彼らはふたりとも1967年生まれである)、あるいは、増永さんも、確かに凡人ではないのは間違いないが、天才というわけではなく、人よりも「かなり早い時期」に様々な経験をしてきたことが、持って生まれた才能を若くして発揮することになったように思う。

彼らの凄いところは、同じ年齢の人達が遊びまくっている時に、世の中の変化を敏感に嗅ぎ取り、自分が興味を持った何かに打ち込んできたこと、その「嗅覚と実行力」にあるように思う。

話は変わるが、青木功が彼の著作の中で、「プロゴルファーの『旬』」は、一般的には30~35才ぐらいだと思うが、自分は『5年遅れて』旬の時期がやってきたように思う」と言っていた。

僕は、28才から起業家人生をスタートさせたわけだが、高校から大学時代に「サボっていた」ツケが効いているのか、30代半ばまでは鳴かず飛ばずであり、苦労の連続だった。

インタースコープを始めてしばらくした頃、その先の自分のやりたいことを考えながら、30代の最後の3年間は、後で振り返った時、「自分の人生の2番目のピーク」だったと思うようになるような気がしたのと、僕の人生のピークは「54~56才頃」になるだろうと思うようになった。

また、40~42才は、階段でいうと「踊り場」のような時期になるだろうと漠然と考えていた。そして、43~45才は、次のステージに登るための準備期間なのか?子育てなのか?苦労をしそうな予感がしていた。今のところ、見事にそうなっている。

僕の「勘」が正しければ、46才頃から再び上昇気流に乗りはじめ、来るべき僕の人生のピークになるであろう「50代」に向けてのスロープになるような気がする。

自分の「直感」を信じて、焦らず、しかし、着実に、前に進んで行こうと思う。

明日のレセプションで、僕の人生における「夢」を発表するつもりだ。いよいよ決勝ラウンド突入である。もう、言い訳はきかない。