3度目の起業と10回目の引っ越し

昨日はオフィスの引っ越しをした。

振り返ってみると、僕にとっては「10回目の引っ越し」であり、1991年に初めて起業して以来、11個目のオフィスである。

オフィスの場所を振り返ると、原宿→松濤(渋谷)→恵比寿→原宿→原宿→中目黒→代官山→池尻大橋→渋谷→青山→原宿(今回)で、どうやら「原宿」に縁があるようだ。

今度の場所は、表参道と竹下通りの間にあり、うるさくもなく、静か過ぎず、なかなかいい感じである。何となく、自分の原点に帰ったという気がしていて、「新しいこと」をやろう(やりたい)という気持ちにさせてくれる。やはり、環境は大切である。

昨年の6月いっぱいでインタースコープの代表取締役を退任し、取締役になって以来、自分の中では次のモチベーションを探してきた感があるが、あれから1年3ヶ月が過ぎ、ようやく Re-Start ができそうな気がする。

3月いっぱいでインタースコープを退任し、ドリームビジョンの立ち上げをしてきたわけで、もちろん、モチベーションが低かったわけではないが、インキュベーションオフィス(仮住まい)に入っていたこともあり、本格的な立ち上げ前の準備期間という感じが拭えなかったのかもしれない。

初めて起業した時、そして、投資家から何億というお金を集めてインタースコープを立ち上げる直前にいた「原宿」に戻り、いよいよ本番という気がしている。

今年も残すところ、あと3ヶ月、良い結果を残そうと思う。

幸せな一日

昨日は11時過ぎに家を出て、神奈川県相模原市の津久井湖の近くにある「串川中学校」を訪問し、総合学習の一環としての「人生の先輩から学ぶ」という職業講話にて話しをさせて頂いた。

対象は3年生だったが、みんなとても熱心に僕の話しを聴いてくれていた。彼・彼女達にとって少しでも何かのヒントになったようであれば嬉しく思う。

「嬉しく思う」ということでは、昨日、帰宅してからメールをチェックしたところ、僕のブログにコメントがあったことを知らせるメールが届いており、なんと、串側中学校の生徒の方からのコメントだった。

きっと僕の名前かドリームビジョンかで検索をして、僕のブログを発見したのだろう。まさしく、WEB2.0時代の恩恵を実感した。

串川中学校の後は、慶応大学のビジネススクールにて、起業に関する講演をさせて頂いた。

同じ日に、中学校とビジネススクールでの講演というのは、ダイナミックレンジが広く、頭と心の切り替えが少々大変だったが、こちらでも素晴らしい時間を過ごすことができた。

今回の件を企画して頂いた下垣内さんには心からお礼を申し上げたいと思う。ありがとうございました。

MBAというのは、ビジネスをどうマネージするか?ということであり、どちらかと言うと大企業の経営幹部を志向する方々に有益なカリキュラムではないかと思うが、そこに「起業」や「アントレプレナーシップ」「チャレンジ」といった「マインド」を醸成する要素を盛り込んだ方が、日本社会においては効果的ではないかと思う。

インタービジョンの創業者であり、戦争という「極限状態」において、どのようなタイプの人間を組み合わせると最強のチームが出来るかという実践的理論を開発し、米国ペンタゴンの顧問を務めたこともある小林さんという方の講演で聴いた話しであるが、MBAというのは、リーダーシップはあるがマネジメント的スキルが足りない傾向にあるアメリカ人向けに開発されたカリキュラムであり、マネジメント的スキルはある日本人には、むしろ、リーダーシップを学ぶカリキュラムが必要であると言っていた。

そういう意味でも、僕は将来、今までの日本にはない新しい概念と仕組みの大学を創設したいと思っている。

そんな僕の話しが、少しでもKBSの皆さんのお役に立ったようであれば嬉しく思う。

「相模原の中学校」での授業と「慶応大学ビジネススクール」での講義。

今日はこれから、タイトルのとおり、ダブルヘッダーでの講義がある。

相模原の中学校での授業は実現しかかったことがあるが、キャンセルになった経緯がある。今回は、別の中学校からの依頼である。あるNPOの方がコーディネイトをして下さっている。

大学や大学院での「講義」は何度か経験しているし、僕に依頼が来るのは「起業」をテーマにしたものが多いので、自分自身の経験を踏まえて話しをすればよく、それほど大変なことではない。

しかし、中学校の「授業」となると、さすがに勝手が分からず、少々緊張している。

今の子供達はとても現実的で「夢は夢、現実は現実」と割り切っている傾向があるらしく、その彼らに対して、強く想い続ければ(もちろん行動を伴って)「夢は叶う」ものだということを、数々の「失敗談」を交えて、熱く訴えて欲しいとリクエストされている。

そういうことであれば、自分自身の「挫折経験」をもとに、何故、頑張り続けてこれたか?(いるか?)について話せばよく、やはり、地で行くのが良さそうである。

ところで、英語で「Diversification(多様化)」という言葉がある。

僕が20代の頃に働いていたコンサルティング会社では、長年に渡り「日本人の価値観分析」を行っており、これからの日本社会は価値観の多様化が進むということをクライアントに言い続けていた。

当時の議論は「多様化する消費生活」に対して、企業として、どのように対応すべきか?(コンシューマ・マーケティング)というものだったが、ようやく、「生き方やキャリアデザイン」という領域においても「Diversification(多様化)」が起きつつあると感じている。

そして、今、中学生や高校生の彼らにこそ、そのことをよく理解して欲しい(必要がある)ということだろう。

父親歴「1年」の未熟者ではあるが、未来の日本社会、そして、世界を担う10代の彼らに対して、少しでも「勇気と自信(Dream & Vision)」を持つ「きっかけ」を提供できれば幸せである。

オプトの鉢嶺氏から学んだこと。

元アップルコンピュータの前刀さん(元祖ライブドアの創業者でもある)のセッションを皮切りに始まった法政大学ビジネススクールとのオープン講座も、先日で第4回目となった。

先日(9/25)は、ゲストにオプトの鉢嶺氏を招いた。

最初に鉢嶺氏に30分ほど話しをしてもらった後、僕がナビゲーターとなり、予め受講生の方々から頂いていた質問をもとにQ&Aのセッションを行った。

彼とは12~13年来の付き合いであるが、このようなフォーマルな場所で彼の話しを聴くのは初めてのことであり、多くの「気づき」をもらうことができた。

彼は努力家であり、とても誠実な人である。

JASDAQの公開企業となり、500人の従業員を抱える企業の社長となった今でも、決して奢り高ぶることもなく、謙虚な姿勢を失っていない。

その鉢嶺氏とQ&Aセッションをする中で、僕は、彼が成功した要因は「自分という人間をよく知っていること」「適材適所の経営チームをつくってきたこと」「社会に対する感謝と還元を忘れないこと」ではないかと思った。

JASDAQ公開企業の社長となり、2年半も経てば当たり前なのかもしれないが、先日の彼には「凛」とした空気と「毅然」とした表情が漂っていた。

そして、「迷い」や「ブレ」がなく、「芯」が通っていると感じた。

彼が株式公開を実現できて、僕がインタースコープでそれを実現できなかった理由、つまり、彼と僕とを分かつものは、その点だと思った。

「自分を知ること」や「社会に対する感謝と還元」という点では、彼に勝りはしないものの、それほど大きく劣るとは思わないが、「迷い」や「ブレ」がなく、「芯」が通っていたか?と自分に問えば、そうとは言えない自分があった。

ドリームビジョンでは、過去の自分を超えていきたい。

自分への質問。

僕のブログに毎日欠かさずにコメントをくれる「坊主頭のりょうへいさん」から、「自分への質問」というキーワードを頂いた。確かに、自問自答はとても大切なことだと思う。

「自問自答」とは異なるが、ブログを書くことの効用のひとつとして、過去の自分の「思考内容」を知ることができる点があると思う。

たまに、自分のブログを読み返してみる時があるが、そうすると、その時の自分の関心事や思考パターン、精神状態などが、とてもよく分かるし、数ヶ月というレンジでの自分のトレンドを把握することができる。

僕はほぼ毎日、ブログを書いているが、それだけの価値があると思う。

因みに、僕が尊敬する「伊藤穣一氏(JOI)」は、ネタの仕込みを含めると、毎日4~5時間もブログに時間を費やしていると言っていた。それもここ4~5年間、続けているらしい。

テクノラティの検索で彼のブログランキングが世界で「二桁」をキープしている理由は、そこにある。

さすがに、僕には真似のできない芸当である。

Tokyo Girls Collection (カワイイ★ウォーズ)

日曜日のNHKで、「カワイイ★ウォーズ」と題して、ファッション業界の変化をテーマにした番組が放映されていた。

今までのファッション業界は、日本においてもモードと呼ばれるアーティスティック且つ哲学的要素をも取り込んだ著名なデザイナーのコレクションが頂点に立っていたが、ここ数年、急速にモードな世界が影響力を失っており、それに替わって「カワイイ」をキーワードにした「旬」が極めて短い「リアル・クローズ(一般的な服)」が影響力を持つようになっていることを紹介していた。

僕は、この番組を見ていて、僕が今年の3月まで本拠地としていた「インターネットリサーチ」のことを思い出した。

リサーチ業界は今まで、統計理論に則った「重厚長大」な調査手法が主流だったが、インターネットというインフラが社会のスタンダードになるに連れて、急速に「インターネットリサーチ」が大きな影響力とシェアを持つようになった流れに、ある意味で似ていると思った。

話しをファッション業界に戻すと、大浜さんという方が経営する「ゼイヴェル」という会社が「Tokyo Girls Collection」というファッションショーを運営している。

そして、その大浜さんに会いたいと言って、イッセイミヤケの社長から連絡してくるほど、「Tokyo Girls Collection」は既に影響力を持つに至っている。

ファインアートの世界であれば、芸術家の思想に基づき表現をし、それが結果的に受け入れられれば良いということかもしれないが、コマーシャルアートの世界では、文字どおり「コマーシャルベース(商業)」にのらない限りは認められないのである。

僕は、消費生活だけでは満足がいかず、常に何かを「創造」していたい人間であり、Tokyo Girls Collection のようなものに対しては「消費」的なものしか感じられず受け入れ難いものがあるが、昨日のNHKの番組をみて、そういう考え方ではいけないのだろうか?と考えさせられた。

時代は常に変化し続けているのである。

そんな中で、自分の価値観を貫きながら、商業的にも成功したいということは、極めてチャレンジングなことだということを改めて感じた時間だった。

でも、僕はそのことに挑み続けたい。

追伸:ゼイヴェルの大浜さんとは、早稲田大学のMBAに呼ばれてパネルディスカッションに行った際に、ご一緒させて頂いたことがある。楽しんで仕事をしていることが、彼の表情と発言から、とてもリアルに伝わってきたことを覚えている。

マクロミルの調査結果

日曜日(昨日)の日経新聞の「SUNDAY NIKKEI α」というコーナーに、マクロミルの調査結果に基づく記事がある。

昨日の記事は、「子供が起業すると言ったら?」というテーマである。

その調査結果(記事)をみて僕は驚いた。50~69歳の会社員もしくは公務員で子供を持男女に質問したらしいが、なんと「反対する・反対した」という人は「13%」しかいないという。

たしかにインターネットリサーチでの調査ということで、回答者にはリベラルな方が多いだろうと思われるが、それにしても、たったの「13%」とは、僕の想像とは大きくかけ離れていた。

僕の両親は「昭和一桁」生まれで、戦後の焼け野原を経験していた世代だが、その世代とは価値観が大きく異なるのだろう。確かに、時代背景が今と当時とでは違う国と言っていいほど違うので、僕の両親が生きていて同じ質問をされたら、もしかしたら「反対しない」と回答するのかもしれない。

今回の調査は、たまたま「起業」ということだが、それが「転職」であろうと「留学」であろうと、何か人生を大きく変えるような時のハードルは、親や配偶者ではなく、結局のところ「自分自身」ということかもしれない。

「人生はすべて必然(自分の選択した結果)」であり、「人生には勇気と自信が必要だ」ということを感じる。