組織は「生き物」。

会社の経営は難しく、不思議な行為だと感じる。

自分自身を含めて、元気な人も入れば、調子がいまひとつの人もいる。

会社を構成するすべての人たちの能力や適性や性格やバイオリズム、そして、各人の相性等を考えて、チーム運営を行う必要がある。

僕が変えようとしているのか?それとも、会社がそういう局面に立っているのか? 正確なところは分からないが、何かが変わりつつあるように感じている。

少し補足をすると、組織は「生き物」なので、自分が変えようと思えば変えられるとは限らず、他の人たちの意志や反応と相俟って「化学反応」が起こり、それが結果として現れる。

僕の直感が正しければ、今年は僕にとっては42才から始まった「転換期」の最終年。

何がどう変わっていくとしても、自分の「意志」をはっきり持ち、具体的なターゲットを定めて行動していこうと思う。

育児は「育自」。

昨日の日経新聞の夕刊に、元横綱「貴乃花光司」氏のコラムが載っていた。

現役時代の晩年は、実兄の花田勝氏との確執等により、それまでの輝かしい実績に泥を塗った感があるのが残念だが、昨晩のコラムには、とても素晴らしいことが書いてある。

タイトルは「息子がくれた勝つ執念」。

「子供が励みになった」という、ある意味、よく聞く話しだが、通算優勝回数で歴代3位?の逸材の言葉ゆえ、説得力がある。

日経新聞を読んでいない方のために、少しだけ、内容を紹介したい。

「パパは相撲部屋を守るから、君は家族を守って欲しい」。
長男が中学生になった先月、入学式の朝に初めて男の約束をした。13歳の少年には酷かもしれない。だが、幼いころから相撲に懸ける私をみてきたからか、大人びて見える。妻や二人の妹の心の支えになれるはずだ。息子が「分かりました」と答えてくれたのがうれしかった。

負けて帰ると息子が「立ち合いのタイミングが合わなかったね」などと幼いながらも必死に敗因を分析してみせる。その真剣な顔を見ていると逃げられない。もっと強くならなければならないと思った。
(中略)無口だった父(元大関・貴乃花)にとっても私は勝利の力になっていたのだろうか。

長男に接するときに心がけているのは、信じることだ。彼は小学校の相撲大会に参加していたが、負けることが多かった。そんな時もあえて知らんぷり。負けてから立ち直る強さを見につけてほしいと思ったからだ。

もっとも、彼は相撲の道に進むつもりはないらしい。私も賛成だ。(中略)大関で引退した父の夢は、私が横綱になって果たしたと思う。花田家として相撲界に残すものはもうないとも思う。好きな道を歩めばいい。

ひとつだけ息子に望むのは揺るがない信念を持ってほしいということだ。私がなんとかやってこられたのは、何があっても土俵は裏切らないという覚悟があったからだ。息子も信念を持ち日本の将来に役立つ仕事に就いてほしい。

「親」という漢字は、「木、立つ、見る」の組み合わせ。
少し離れたところから見守り、助けが必要な時にすぐに手をさしのべる。そんな父親になりたいと思っている。

追伸:このエントリーのタイトルは、当社の女性スタッフ(働く母親)から教わった言葉である。
その2:「私」ではなく、「私たち(兄弟)」と書いてあったら・・・と思ったのは、僕だけだろうか。

「批評は易く、行うは難し」。

経営者に求められる仕事で、最も重要なものは「意思決定」だろう。

誰でも分かるようなものは別として、経営的判断を求められるものに、唯一絶対の解はない。

というか、そもそも、誰にでも「意思決定」できるようなものであれば、それは経営者の仕事ではないとも言える。

そもそも、ビジネスには「絶対」という「保証はない」。

どんなに事前に調査分析をしても、論理的に考えても、リスクは付きものだ。

「合理は語れない。不合理はストーリーになる」と東大の元教授である片平先生(現在は、名誉教授だったと記憶している)がおっしゃる所以である。

失敗すれば叩かれ、成功すれば賞賛される。でも、次の勝負で失敗すれば、手のひらを返したように叩かれる。

「批評は易く、行うは難し」である。

経営者には「信念」が必要と言われる所以でもある。

難易度は高いし、プレッシャーもかかるし、ストレスも溜まるが、それが経営者としての仕事の醍醐味でもある。

遅まきながら、そんなことを考える今日この頃である。

指示系統

ロシアから帰ってきて、2回目の週末。

帰国後、最初の週末は、土曜日はゴルフで、日曜日は子供を連れて駒沢公園に行ったりしたので、今週末は、久しぶりに「スローな週末」だ。

アクティブにしていないと落ち着かない性分ではあるが、やはり、たまには、ゆっくりと過ごす時間を持つことが大切である。考えることは結局、仕事のことだが、特に予定に追われているわけではないので、じっくりと、深く考えることができる。

今日は、15:30から投資先のイミオでの経営会議があるが、それまでは、身体と頭と心を休めよう。

ところで、今朝、妻を職場に送って行った帰り道、特に当てもなく、都内をドライブしながら、仕事のことを考えた。

色々なことを考えたが、その中のひとつは、組織の在り方のことだった。

組織では、しばしば、「指示系統」のことが話題に上る。

「自分を通してくれないと困ります」的なことを言う人がいるが、それは、ナンセンスだと思う。

自分の部下への仕事のリクエストが他の人から来ることを善しとしない理由は、僕は、大きく「2つ」あると思う。

1つ目は、いわゆる「自分の領域」を守ることにより、自分の「権益(権力)」を担保したいという動機である。「官僚的」と称してもいい。

2つ目は、自分の部下が、どの仕事を優先していいか判断できなくなり混乱してしまうのを防ぐ、つまり、「部下」を思ってのことである。

僕は、そもそも、組織論を語れるほど、その手のことを勉強しているわけではないし、むしろ、疎い方だが、インタースコープの頃も今も、自分を通してくれないと・・・と主張することはナンセンスだと思っている。

仕事の「指示系統」を一本化する必要性は、指示を受ける側の人間の「判断能力と業務処理能力」によると思う。

つまり、指示を受ける人間が、様々な仕事の「優先順位」を自分で判断でき、処理能力が高いのであれば、何も問題はないのである(そこまでの能力がない場合は、指示系統の一本化が必要である)。

それを、前者の理由により、自分を通してくれと主張する人間には、僕は、部下をつけようとは思わない。

組織が「膠着する」からだ。

ところで、新宿西口のある交差点で、60才前後と思われる男性が運転する「マセラッティ・クワトロポルテ」と並んだ。

「権威」を主張する「メルセデス・ベンツS550」よりも、僕は「ピニン・ファリーナ」デザインによるイタリアのセンスを感じる「マセラッティ」の方が好きだ。

生きているうちに一度は乗れるよう、頑張ろう。

一芸に秀でる。

インターネットの出現により「AIDMA」から「AISAS」へと消費行動が変化しているわけだが、それでも変わらないのは、「認知と理解」を獲得することが何にも増して重要であること。

少なくとも僕はそう思っている。

要するに、平石さん=シリアルアントレプレナーでもいいし、ドリームビジョンの立ち上げ中でもいいし、インタースコープの創業者でも、インターネットリサーチ業界の発展に貢献した人でもいいから、僕を「意味付ける」何かが大切ということ。

「一芸に秀でる」と、それが「磁力」となり、その「一芸」以外のネタも集まってくる。

何でもいいから自分の「得意分野」をつくれと言われる所以である。

そういう意味では、元CNET社長の大日さんは、ゴルフが上手(シングルプレイヤー)で有名であり、それが理由かどうかは分からないが、CNET社長を退任して数ヶ月経った先日、東証マザーズ上場企業であるゴルフダイジェストオンラインの執行役員兼ゴルフメディア事業部のゼネラルマネジャーに就任した。

今日は、その転身祝いのパーティにお招きいただき、参加させていただいた。

ネットベンチャー仲間がたくさんきており、中には「2回目の起業」をされている方もいて、「挑戦し続ける人たち」の集まりは刺激があり楽しいと、改めて感じた。

僕も頑張ろう!!!

★ミツバチに学ぶ「調和」の大切さ

今日のタイトルは、数日前の日経新聞に載っていたハートフォード生命保険会長のグレゴリー・ボイコ氏のコラムのタイトルである。

彼は長年、趣味で「養蜂」を楽しんでいるらしいが、ハチの巣ではすべてのハチが役割を担い、巣全体の利益のために貢献するという。

具体的には、女王バチや働きバチはもちろん、年老いて飛べなくなったハチも、巣の清掃や幼虫の世話など、重要な責任を負っている。全員が力を合わせ大量のミツを集め、広範囲に渡り受粉を行う。

このコラムを読んで、僕は子供の頃を思い出した。

僕の家族は、俗に言う「大家族」で、三世代が同居していた。

父の両親(祖父母)、両親、父の妹(叔母)がふたり、そして、僕たち3人兄弟。

最も多い時は、9人が一つ屋根の下で暮らしていた。

話しは何年も飛ぶが、両親(産みの両親)が亡くなり、祖父母も亡くなったある時、今の母がこんなことを言���た。

「お祖父さんがいなくなって、庭の草は生え放題。今更ながら、お祖父さんは大した仕事をしていたことが分かったよ」。

僕たちの母親(産みの母親)は、教師をしており、ずっと働いていた。

それが可能だったのは、祖父母がいたからだ。

夕食はいつも、祖母が作っていたし、家に帰れば、祖母が作ってくれたおやつがあった。

親父の妹ふたり(僕たちにとっては叔母)には、色々な遊びや勉強を教わったりした。ベンチャーズも、叔母から教わった。

古い話しなので、30代以下の方には??だろうが、一時期、日本中で流行ったテレビドラマの「寺内貫太郎一家」のような家族だった。

あのドラマ同様に、とても温かい家庭だった。

そして、僕が生まれ育った土地(&時代)には、そのような家族がたくさんあった。その後、僕たち世代は「新人類」と呼ばれたりしたが・・・。

因みに、僕の大好きな映画「ゴッドファーザー」では、初代ドンが「家族を大切にしない奴(男)は大成しない」と言いきっていた。

家族はもちろん、会社も同じだろう。

会社は「利益」をあげることを「目的」とした集団であることに疑いの余地はないが、それ以外の「何かを共有しているか?(できるか?)」否かが、その組織の「強さ」と「幸せ度」を決めるように思う。

尚、グレゴリー・ボイコ氏(おそらくアメリカ人)は、「ミツバチの羽音を耳にし、『日本で学んだ調和の大切さ』を改めて思い起こす日々を迎えている」と締め括っている。

株主総会とゴルフ。

ようやくロシア視察シリーズを終え、いつもの僕のブログモードに戻れることになった(笑)。

そのロシアから帰国して、かれこれ2週間になる。時の経つのは本当に速い。

ところで、この2週間は密度の濃い時間だった。様々な出来事があり、色々なことを考えた。

その中で印象深かったのが、当社の投資先である「イミオの株主総会」と「ゴルフ」。

投資先の株主総会という意味では、僕が個人的に出資しているライブレボリューションラソナの総会に出席したことはあるが、ドリームビジョンで投資した会社の株主総会に出席するのは、今回が初めてだった。

そのイミオの株主総会では、同社にとって初めての第三者割当増資で株主になった4者(法人代表者を含む)が出席した。

イミオ経営陣は全員20代で、上記の株主4名は全員40代。このエントリーを書きながら、ふっと思ったが(自画自賛的になってしまうが)、ある意味で、知恵と富の循環が出来ており、ベンチャー育成の理想的な姿ではないかと感じた。

株主総会で僕が再認識したのは、イミオ社長の倉林さんと副社長の小林さんは、とても才能豊かな人であり、人間としても素晴らしい人たちだということ。こういう人たちと仕事ができるのは、とても楽しく、幸せなことである。

そして、イミオの素晴らしい点は、ぶれない「軸」とその「結束力」にある。

見習うべき点である。

次に、ゴルフ。

メンバーはマクロミルの福羽さん、柴田さんと、Yahoo! Value Insight の田部さんと僕の4人。

このゴルフで学んだことは、「無欲」で臨むことが大切だということ。

具体的には、マクロミルの柴田さんは、飛距離は出ないが、ボールが曲がらない。かなりの確率でフェアウェイをキープする。

彼とゴルフをするのは今回が3回目だが、初回こそ、僕が「89(ベストスコアタイ)」で回り、彼が100をオーバーしていたが、その後は2回とも、彼の方がスコアが良い。

その間に、柴田さんは「88(ベストスコア)」を記録し、ベストスコアの点でも負けている。

僕はと言えば、先日のエントリーでスコア分析を行ったにも係らず、またしても「色気」を出し、自滅ゴルフを演じてしまった。

スコアは、55+51=106。因みに、柴田さんは、48+56=104。

少しだけ内容を振り返ると、鬼門の「パー5」のスコアは、前半が「7」と「9」、後半が「7」と「6」。またしても、大叩きが1回ある。

但し、今回の最大の収穫は、後半のハーフは、すべて「ボギー」と「ダブルボギー」だったこと。一度も、大叩きをしなかったという意味である。

昼食を食べながら前半の反省をし、後半は無欲で無理をせず臨んだ結果、低いレベルではあるがスコアが安定した。

バンカーに入れなかったら「49」で回れていた計算になるので、まあ良しとしたい。

反省点は「あのバンカーを超えれば、2オンできる」とか「(グリーンに)載せよう」とか欲は掻かず、ただ単に自分ができるショットに集中することが大切だということ。

頭では分かっているのにそれが出来ないのは、コースに出ると「感情(欲望)」が「理性」についていかないから。

その理由は、確率がせいぜい「10%」ぐらいの「上出来」のショットをイメージして打つからである。それは、僕の「アベレージ(実力)」ではないにも係らず・・・。

次回こそ、無欲のゴルフをしたい。