時差ぼけと戦いながら頑張ってきた「jannovation week」も明日が最後。
午前中の「Wrap-up Session」の後、ランチを挟んで、いよいよメインイベントの「ピッチコンテスト」。その後は、TANABATA Festival of HOPE。
どんなフィナーレを迎えるのか?とても楽しみである。
ところで、今日は朝8時にホテルを出発し、サンフランシスコに向かった。
バスの中で、シリコンバレーに家を借りている法政大学の田路教授から「facebook がMenlo Park に移転する(エンジニアを何千人も採用するらしい)ことの影響を受けて現地の住宅価格が高騰しており、I.T.業界、特に高給取りのエンジニアはいいが、他の業界の人間は住めなくなるだろう」という話を聞いた。
因みに、シリコンバレーでは、優秀なエンジニアになると、100,000ドルは極普通で、中には「200,000ドル(1ドル=80円として1,600万円!100円なら2,000万円!)も珍しくないらしい。
その一方、バイオ業界は干上がっており、博士課程を修了した人間の初任給は、なんと「35,000ドル(1ドル=80円として280万円)」である。
物価の高いシリコンバレーでは住めないだろう。
そんな話を聞きながらサンフランシスコに到着。
最初の訪問先は「RocketSpace」というインキュベーションセンター運営企業。スコットランド出身のCEO(Mr. Duncan Logan)は、とても分かり易く、ゆっくりとした口調で、彼らの戦略を説明してくれた。
次は、サイバーエージェント・アメリカ社長の西條さんの話。
米国に進出したばかりの頃の苦労話や、そもそも、どうして米国進出を決めたのか?また、なぜ、途中から自分自身がサンフランシスコに来たのか?等、とても参考になる話をしていただいた。
続いて、RocketSpaceに入っている「Kicklabs」というデジタルメディアに特化したインキュベーション&投資会社のCEOの講演。デジタルメディアに特化している理由など、ネット業界に対する見方等、参考になる内容だった。
さて、最後は「Engine Yard」という、Ruby を使ったクラウド関連、具体的には「PaaS(Platform as a Service)」に特化したスタートアップを訪問した。
因みに、同社のオフィスがある 500, 3rd Street の周辺には、約250社のスタートアップが集積しているらしい。
そういえば、デジタルガレージの林さん達と2004年12月に訪問したTechnorati というブログ検索エンジン運営企業も、この辺にあった。
話をEngine Yard に戻すと、とても経営体制がしっかりしている、独自の企業文化を形成している、最小限のサービスから始めて、常に自分達がフォーカスすべき領域を定めている等、とても魅力的な会社だ。
CEOのMr. John Dillon はオラクルOBで、セールスフォース・ドットコム初期のメンバーでCEOも務めた経験のある、とても聡明な経営者だった。
彼が言っていた「5つのポイント」は、とても参考になる。
1. Customer Experience 全体に心骨を注ぐ。
2. Minimum & Small でスタートする(顧客にとって分かり易く、必要最低限なサービスで始める)
3. Hire right talent(企業は成長のプロセスで必要な人材が異なってくる)
4. Being ready for Change(変化を善しとする企業文化を創る)
5. Stay focus & solve problem before go to Next Step(常にフォーカスする。問題を見つけ、次に進む前に必ず問題を解決する)
言われてみれば当たり前の話ばかりだが、なかなか実行できるものではない。
僕にとっては、特に2.4.5.が心に響いた。
ところで、今日は夕方に予定されていたサンブリッジ関係者のMTGが無くなったので、ひとり、サンフランシスコに残り、3年ぶりの街中を散策した。
その後は、昨夜、Sunnyvale で夕食をご一緒した、僕が法政大学経営大学院(MBA)で担当させていただいていた亀井さんの自宅を訪ね(高台にあるステキなお宅だった)、アメリカ人のご主人とお嬢さんと僕の4人で食事をした。
手ぶらで行くのは気が引けたので、この9月から高2になるお嬢さんにオレンジ色のTシャツを買っていったところ、「Really ? Thank you.」と言って喜んでくれた。
思春期のお嬢さんは、食事が終わってしばらくすると自分の部屋に戻ってしまったが、その後、亀井さんのご主人と亀井さんと3人で、子供の教育のこと、日米の政治・経済のこと等、色々な話ができたのは、とても楽しかった。
わざわざSunnyvale まで送ってくれて、とても感謝である。
さて、明日の Wrap-up Session は、またしても僕がファシリテイターとなった。
参加者の皆さんの学びがより深くなるよう、一生懸命に対応したい。