11年3ヶ月住み慣れた恵比寿を離れ、東横線沿線のとある駅に住み始めた。恵比寿から数駅、空いていればクルマで約10分。距離的にはそれほど離れてはいないが、今度の住まいは「戸建て」ということと、閑静な住宅街で、いわゆる都会のマンション暮らしだった恵比寿時代とは趣が異なる。
趣が異なるという意味では、駅前には昔ながらの商店街が広がり、夜10時を過ぎても、地元のおばさんが店番をしている果物屋が開いている。今日は大阪出張だったのだが、ネットで調べると、品川からよりも新横浜から新幹線に乗った方が約10分ほど所要時間が短いらしく、そう言うと大袈裟だが、慣れないルートに挑戦してみた。
案の定、武蔵小杉で乗り換えの際、気がついたら、反対側のホームから、特急が行ってしまい、菊名でJR横浜線に乗り換えの際も、固定観念で、桜木町方面に乗りそうになってしまった・・・。新しい環境に慣れるには、それなりに時間が必要だ。でも、何年かぶり、恐らく10年以上前に来て以来の菊名のJR横浜線のホームに立った時、「あぁ、この景色、憶えているよ、懐かしい景色だなぁ…」と思い、気分が変わるというか、たわい無い日常に新たな感覚をもたらしてくれた。
恵比寿のマンションは、競争倍率7倍の抽選を勝ち抜いて購入したが、今回は約4ヶ月、殆ど毎週、自分たちの条件に合致する土地や建売り、中古住宅、中古マンションを見て回ってようやく見つけた土地だった。実は、結果的に購入した土地を最初に紹介された時は、その区画は「商談中」となっており、他の区画は我々の予算を超えていて、断念していたのだが、ある時、妻がコンタクトしていた不動産会社から紹介された時には「商談中」という文字が消えていた。尚且つ、「参考プラン」が付いており、それぞれの区画にどんな家が建つのか?が分かるようになっていた。
都会の狭小地でも4LDKの家が建つことが分かり、早速のその不動産会社を訪問したところ、なんと、その会社の社長は、僕がインタースコープを創業する前に経営していた会社でとてもお世話になった人の弟さんだった・・・。また、その日は、そこから約2kmほどのところに住んでいる妻の従姉妹の長男と朝と夕方の2回も会い、インタースコープ時代にインターンとして働いてくれていた人と数年ぶりにばったり会ったりと、なんとも不思議な一日だった。一言で言えば、縁があったということだろう。
ところで、新居への引っ越しの前日、アメブロで最後のブログを書いた時は、10cc というバンドの「I’m not in love.」という曲をYOUTUBEで聞きながら書いていたのだが、その時に「お勧め」として表示されていた「Crowded House」の「Don’t dream it’s over.」という曲を聞きながら、このエントリーを書いている。Don’t dream it’s over. は1986年、僕が社会人になった年にヒットした曲で、メロディは勿論、その歌詞がとても好きで、よく聴いていた。やはり、10代20代で聴いた曲は、50歳を過ぎた今でも好きなんだな・・・。
YOUTUBEで探して、オリジナルレコーディングや色々なライブを聴いてみたが、デビュー当時の若い Neil Finn(リーダー)よりも、2000年以降の彼の方が、声が柔らかく、表情が深く、その曲に込められた想いがより良く表現されているように感じた。田坂広志さんの著書で読んだことだが、ある著名なバイオリニストの演奏を子どもたちに聴かせて、どれが最も若い時の演奏と思うか?と訪ねたところ、全員が80歳を超えての演奏を「最も若い」と感じると答えたという。
肉体は老化しても、精神や感性は老化せずにいる人もいる、ということだ。そういう人生を送れたら幸せである。
追伸:「菊名」経由での大阪出張は、行き(朝)は通勤客と逆方向なので空いていていいが、帰り(夜)は、新横浜駅から菊名までの間がとても混んでおり、品川まで行き、恵比寿経由で帰った方が良さそうだった。やはり、Forever Friend だね。恵比寿はw!