タイガー・ウッズと樹木希林。

幸いにして、台風の北上スピードが遅くなったお陰で、仙台に行くことができた。株式会社MAKOTOを経営する竹井さんからの依頼で、東北から未来の日本を背負って立つ起業家を輩出するプログラムのメンターを仰せつかり、今日は、1day 事業ブラッシュアップ Camp なるイベントに参加した。

高度成長期の日本は、とにかく都会=東京が格好良く、東北出身の人間は少なからず、劣等感を抱いていた。しかし、3.11の影響か、あるいは、世界的なミレニアムズ的価値観のせいか、ここ数年は、地方都市出身であることにコンプレックスを抱く若者が少なくなったような気がする。

ところで、ここ数ヶ月は、やらなければいけないことは多々あるものの、その内容が多岐にわたり、ひとつひとつはそれほど難易度が高いわけでもないにも関わらず、物事に集中できない日々が続いた。当然、ストレスやフラストレーションが溜まったが、あれこれ悩んでも仕方ないと思うと、何も状況は変化していないにも関わらず、それらは消えていった。要するに、何事も気の持ちようということなのだろう。

その間、心に思い浮かび、ブログに書きたいと思ったことはたくさんあったが、時間が取れなかったことと、その思いを文章にしたところで、僕のブログを読んでくれる方々に対して、何かポジティブなメッセージを投げかけられるのか? 自信がなく、書くことを躊躇していた。

でも、あくまでも素人のブログなわけで、それは自意識過剰というものだろう。ということで、仙台からの帰りの新幹線の車中で、ここ数週間、僕の心に留まったことを書いてみることにした。

僕たち夫婦には、中学1年生と小学1年生の男の子がいる。ふたりともご多分に漏れず、ヒカキンのファンである。暇があれば、YOUTUBEでヒカキンを見ているか? マイクラに興じている。

長男はこの4月から私立の中高一貫校に通いだした。その学校では、生徒全員にiPadが配布され、授業中も課題の提出にもiPadが使われている。また、僕たち夫婦が親しくしている友達夫婦が、なんと、彼の中学入学祝いと言って、iPhone X をプレゼントしてくれたこともあり、彼は、iMovie等を使いこなし、色々なコンテンツを創っている。

次男も負けてはいない。長男と一緒にマイクラやヒカキンを楽しむことに加えて、そろばんの機能をソフトウエアにした極めて優れものの、ソロタッチというアプリで暗算の勉強をしている。

二人仲良くマイクラをしたり、ヒカキンを見ているかと思うと、急に兄弟喧嘩が始まったりする。ある意味、幸せな日常だと思う。

facebookで繋がっている友人が多い人は皆さん同じだろうが、毎日が誰かの誕生日だ。一日遅れになることもあるが、必ず、お祝いのメッセージを送っている。

最近、誕生日だった人の中に、僕が非常勤で教えている法政大学経営大学院(MBA)で担当していた人がいる。その彼にメッセージを送った後、ふっと思ったことは、こう言っては悪いが、手が掛かった人(学生)の方が記憶に残っているし、その時は大変だったものの、後になると、その彼らのことが愛おしく思えるということだ。そこまで言うと言い過ぎかもしれないが、彼らの人生の一時期、濃い時間を共有したことで、人と人としての深い繋がりが育まれるのだと思う。

先日亡くなられた「樹木希林」さんのことも書きたい。彼女ほど、すべてのことをありのままに受け入れ、人生を謳歌した方はいないように思う。格好つけず、すべてをさらけ出し、人との摩擦を恐れず、自由に生きた人だ。

郷ひろみと共演した「寺内貫太郎一家」の「おばあさん役」は、たしか彼女が31歳の時だったはずだ。決して美形ではないのは事実だが、それでも、31歳でおばあさん役を引き受けるのは、一般的には、とても勇気のいることだ。でも、その「選択」が彼女の「個性派女優」としての地位を確固たるものにし、息の長い女優にしたのだと思う。

彼女は生前、一言一句は別として、あるインタビューでこう答えている。「最近の女優さんは、みんな同じ顔をして、みんな同じ化粧をして、役が来ないと嘆いている・・・」。

人と違うからこそ、存在意義がある。でも、人間、人と違うことをし、人と違う生き方をするには「勇気」がいる。

最後に、タイガー・ウッズの復活優勝は、自分のことのように嬉しかった。

僕のことをよく知って下さっている方々は、僕が「アイルトン・セナ、カズ、伊達公子」が好きなことは知っているが、タイガー・ウッズも、僕が大好きな人の一人だ。

一時代を築いた人がどん底まで落ち込み、そこから這い上がって来るというのは、美しいストーリーだ。誰もが憧れるし、勇気をもらえることなのは間違いない。でも、そうはならずに人生を終える人もいる。むしろ、そういう人の方が、圧倒的に多いだろう。

だからこそ、タイガー・ウッズのこれ以上ない復活劇には、心を動かされるのだろう。

201771日から「再始動」させたドリームビジョンの企業理念は、「世界に挑戦する人を創出し、広く社会に『勇気と自信』と『希望』をもたらす、新しい社会的価値を創造する」である。

会社として、そう主張するなら、まずは、自分自身がそういう生き方をしないとね。

仙台から東京へ帰る新幹線の車中にて。