日本「政治」新聞。

最近の日本経済新聞は、さながら、日本「政治」新聞のような印象を受ける。

現在の日本は、少子高齢化、人口減少、GDPの2倍近い財政赤字(企業で言えば、売上の2倍近い赤字であり、とうの昔に倒産している)、新興国の勃興と米国市場の停滞等、明治維新や第二次大戦の開戦と敗戦に次ぐと言ってもいいような、政治および経済的に大きな転換期にあるのだろう。

素人発言で申し訳ないが、鳩山首相の「友愛」路線による「米軍の駐留無き」安保は、僕にはリアリティを感じられないし、米国との関係が軋むことで密かにほくそ笑むのは、他でもない中国と北朝鮮だろう。

以前のエントリーでも書いたが、そもそも政策的に全く異なる(普天間基地の沖縄県外 or 海外移転を主張)「社民党」を何故、連立政権に入れたのか?まったくもって理解できない。

日米安保50周年にあたり、今回のような問題が出ることを想定出来なかったとは言えないだろう。

話は変わるが、ヨーロッパ最高の知性と言われるジャック・アタリ氏は、自身の著書「21世紀の歴史」で、「合理的な博愛が人類を救う」と主張しているが、今の日本において「合理」とは何だろう?

国内は言うに及ばず国際世論の大反対を押し切って、日本が今から「核開発」でもしようというなら話は別だが、そのような「軍拡」無しに、米軍から独り立ちして、この「キナ臭い」極東における安全を保持することは非現実的だろう。

さて、日本「経済」新聞が、数日前の朝刊一面で「首脳が会えない日米関係(政治部長 宮本明彦)」と題する論説を掲載し、その最後をこう締めくくっている。

「生き馬の目を抜く外交の世界でも『友愛』を語る首相は、ある種の理想主義者なのかもしれない。確かに理想のない政治はご免だが、現実を見失った政治も空虚である」。

幼少期に苦労をした「小沢一郎氏」が「現実派」だとすれば、日本を代表する企業のひとつである「ブリヂストン」創業者のご令嬢を母に持つ「鳩山兄弟」に、いわゆる「現実」は必要ない?のかもしれない。

では、首相と幹事長の「共通言語(理念)」は何か?

しばらくは、日本「政治」新聞から目が離せそうにない。

ところで、株の世界では「すべてに陽が当ると暗闇が来る」と言うと聞く。

「友愛」は、誰に陽を当てるのか?

「合理なき博愛」は、空虚である。

追伸:昨夜の報道ステーションで鳩山首相のお母様の映像を拝見したが、とても素晴らしい方のようにお見受けした。「政治家は国民の税金で食べさせてもらっている職業」だと仰っていたらしい。

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