プライドを捨てる。

先月からベンチャー企業にフォーカスした「人材紹介」を始めたことにより、人事部の方とお会いする機会が増えた。今までの僕のキャリアの中では最も縁遠い人達だった。

「人事」というキーワードで、おもしろい話しがある。

僕が20代の頃に働いていたODSというコンサルティング会社の後輩で、インタースコープの創業メンバーでもある「久恒 整」という人間から聞いた話しである。

ODSでは様々なセミナーを開催しているが、彼が言うには「マーケティング関係の人は10分遅れてくる人が多い。経営企画部の人は、だいたい時間ピッタリに来る。人事部の人は、10分前に来る」という。この話を聞いた時、僕は妙に納得してしまった。

人事関連でもうひとつご紹介すると、つい最近お会いした、あるベンチャー企業の人事責任者の話しで、とても印象に残った話しがある。

「前職での成功体験がある方が入社してくることが多いですが、その『成功体験を捨てる』ことが出来る人は、当社でも『成功します』ね。逆に、『プライドを捨てられない人は成功しない』か、成長するまでに時間がかかりますね」。

とても納得できる話しだった。

更に言えば、自分のことを言われているような気がした。

頭の中では、スクラッチに戻ってのスタートだと分かっているつもりだったが、僕の心の片隅に、インターネットリサーチ業界をリードしてきたという自負があり、それが知らず知らずのうちに「手間ひまを惜しむ」姿勢を生んでいたように思う。

というか、事実、そういうところがあった。素直に反省をした。

こうして反省する機会を与えてくれた方と出会えた僕は、幸せな人間である。