「変化は必ず痛みを伴う」。

もう随分前の話しだが、地下鉄に乗っていた時、僕が20代の時に務めていたコンサルティング会社の先輩とばったり会ったことがあった。その時、彼女に言われたことを、今でもよく覚えている。

彼女が僕に言ったことは、「社長の後ろには誰もいないんだもんね。凄いよね」ということだった。

当時の彼女は、僕が勤めていた会社の取締役になっていて、僕は最初の会社を経営していた頃だった。

僕に関しては、最初の会社と言っても僕を含めて数人のちっぽけな会社で、そんな大したことではなかった。

彼女は取締役として会社の経営にあたるようになって、経営者の苦悩を初めて理解できるようになったと言っていた。それで、僕にそういう温かい言葉をかけてくれたのだろう。

ところで、地下鉄の中で彼女とばったり会った数年後、僕はインタースコープというネットベンチャーを創業した。でも、「自分の後ろには誰もいない」という感覚はなかったような気がする。それは、やはり、山川さんという共同創業者がいたことが大きいと思う。

明確な線引きがあったわけではないが、お互いに何となく、これは○○さんの仕事、これは僕の仕事というような領域があり、また、会社全体にとって重要な意思決定をする際には必ず、ふたりで協議をして決定していたので、少なくとも僕は、それほど孤独なものを感じずに済んだのだろう。山川さんはどうだったかは分からないが・・・。

では、今はどうかというと、地下鉄の中で先輩に言われたことの意味が、遅まきながら、ようやく分かるようになった。

数日前のエントリーでも書いたが、僕は「公私共」に大きな意思決定をした。

私(プライベート)のことは書くつもりはないが、会社(公)のことで言えば、僕は今までのやり方を大きく変えることにした。

創業経営者であり経営コンサルタントでもある日系2世の叔父が言っていたが、「変化は必ず痛みを伴う」。

それでも「変化」が必要だと判断をしたなら、組織の規模の大小に係らず、その「痛み」を「覚悟」して「構造改革」を進めるのが経営者の責任である。

僕はそう思っている。