今からちょうど2年前。インフォプラント創業者の大谷さんに口説かれて?、初めて、八戸を訪問した。
新幹線「はやて」で「2時間56分」。飛行機であれば、1時間半。「情緒的(心理的)距離」よりも、かなり近い。
その八戸、他の地方都市と同様に、産業があまりない。有効求人倍率も「0.4X」と、かなり深刻である。
しかしである。大谷さんの努力で、今や、Yahoo! Value Insight(ヤフーバリューインサイト/インフォプラントとインタースコープが合併してできた会社)を皮切りに、マネックスもオフィスを出している。
上記以外にもI.T.系企業が進出するとの話しも聞いている。
すべては、大谷さんのお陰である。
さて、前置きが長くなったが、僕がそんなことに多少なりとも関わっているせいかは知らないが、最近のネットベンチャーの筆頭格と言っても過言ではない「エニグモ」の共同CEOである須田さんから、彼の出身地でもある茨城県の「地域活性化」事業の話しを聞いた。
それが、本エントリーのタイトルである「ひたちなか地区」である。
おそらく、僕のブログを読んで下さっている方々の殆どは馴染みのない地域だと思うので、簡単にプロフィールを紹介したい。
まず、都心から北東に約110キロ。日帰りゴルフにも行ける距離だ(笑)。
域内には「常陸那珂港」「常陸那珂工業団地」等があり、行政が企業誘致にかなり積極的な姿勢らしく、「ジョイフル本田(DIYストア)」「コマツ(工場)」「日立建機」等が進出しているという。
茨城県の過去10年間の企業立地面積は「1,141ha」で全国第1位だそうだ。
因みに、同地区に進出した企業には、
・電気代の最高75%補助
・県税優遇
・固定資産税の課税免除
・低利融資
等が適用されるという。悪くない話しでる。
しかしである。
僕は、この「ひたちなか区」が更なる産業的発展を遂げるには、企業誘致のみならず、「住民誘致」が必要だと思う。
たしかに、企業が進出してくれれば「税収」面では期待できると思うが、そこに「住みたい」と思う人が増えなければ、地域の発展は望めないだろう。
「工業的」集積だけではなく、「文化的魅力」をいかに創っていくかが重要だと思う。
その意味では、下手に東京に近いことがハンディキャップである。
「八戸」ぐらい遠ければ、自ずと「独自の文化」が育まれる。そもそも「言葉(方言)」が違うし・・・。
僕は、茨城県というと「水戸」「納豆」そして「筑波大学」を思い出す。
少子高齢化で大学も大変だと思うが、理工系の大学の研究室と企業とのコラボレーションを促進するような施策を考えるのはどうだろう?
例えば、昨年のドリームゲートAWARD「グランプリ」を受賞したのは、まさしく、茨城県のベンチャー企業「ソフトイーサ」である。
ハードやインフラはもちろん必要であるが、「才能ある若い人材」に投資することである。
この世の中の営みは、すべて「人」が行うのだから。