オバサマ経済学?

先週のある日、あまりに首筋が凝るので、ある商業施設に入っているマッサージ屋さんに行った。

エレベーターに乗ると、60代と思しきオバサマ達が4人ほど連れ立って乗り込んできた。

「○○さんがいないと、早く決まるわよ(笑)」「私は何でもいいわ」・・・。

ランチでどのお店に入るかの相談である。

彼女達の身なり(全員が高そうなコートを着ていた)から判断して、経済水準は高いと思われる。

旦那さんは、大手企業の管理職だったか、中小企業の経営者か、いずれにしても、そこそこのお金持ちなのは間違いない。

以前の僕は、そういう光景に出くわすと、「旦那の稼ぎで、贅沢な昼飯を食べて・・・」という感じで腹立たしく思っていたが、先日は、ちと違った。

「でもな。こうして、この先の人生の『お金』の心配がないオバサマ達が『高級ランチ』を食べることによって、飲食店にとっては売上になるわけで、それで従業員の人たちの給料が支払われて、海外旅行に行ったり、家電を買ったりするわけだよな」。

つまり、既に「裕福な老後」を満喫しており、戦争でも起こらない限りは、一生、お金には困らない人たちが、今より「3割増し」ぐらいの消費をしてくれれば、日本経済はかなり活性化するだろう、と考えた。

大前研一氏によれば、日本人は平均して「3,500万円(富裕層も含めての平均だとは思う)」ものお金を墓場に持っていく(使わずして死んでいく)らしく、そのお金が「消費」という形で社会に流通すれば、つまり、これから「お金が必要な若い人」たちにお金が回っていく仕組みが出来れば、世の中はハッピーになるということである。

「1,500兆円」もあると言われている個人金融資産の「60%(だったと思う)」は、60歳以上の高齢者が保有しており、その「お金」を、高度経済成長期を働き盛りの年齢で過ごした現在の「高齢者」から、人口が減り、年金が破綻するリスクを抱えながら住宅ローンや子育てで支出が嵩んでいる「30代40代」に移転、つまり、「富の移転」が起こせれば「世代間格差」は解消されるはずである。

そういう観点で考えると、裕福なオバサマ様たちには、もっともっと「消費」を謳歌していただきたい。

そして、彼女達向けの商品・サービスをもっともっと提供する企業が現れて欲しい。

この国の未来のために!!

追伸:麻生首相が拘る何とか給付金よりも、オバサマたちの「消費」の方が、はるかに健全な「景気刺激策」である。