「起業」 v.s.「終身雇用(定年退職)」

今月は、金曜日が鬼門?のようである(笑)。

ところで、財団法人 日本生産性本部が実施した調査結果で、いかにも今の時代を反映したものがある。

2009年度 新入社員 意識調査

「今の会社に一生勤めようと思う」:過去最高(55.2%)
「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」:過去最低(14.1%)

一方、

「自分には仕事を通じて適えたい『夢』がある」:過去最高(71.6%)

という結果が出ている。

皆さんは、この調査結果を、どう受け止めるだろうか?

詳細は、日本生産性本部の資料を参照いただくとして、僕が「注目に値する」と思ったのは;

※「今の会社に一生勤めようと思う」は、1997年(27.3%)から2000年(20.5%)にかけて低下し、その後、上昇に転じて、今年は遂に「過半数(55.2%)」に達していること。

※「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」は、2003年(31.5%)から一貫して下がり続けており、2009年には「14.1%」にまで低下してしまっていること。

という事実である。

まさに、ネットバブルがピークの2000年に「就職した会社に一生勤めようと思っている」割合が最低(20.5%)となり、ネットバブル崩壊と共に、終身雇用(終身勤務)を善しとする傾向が右肩上がりになり、「起業意欲」は、その真逆になっているということである。

しかしである。今の新入社員も「仕事に『夢』を見たい」のである。でも、自分で起業してではなく、「組織の力」で。

要するに、今の世の中は、「リスク」に対する「リターン」が「見合わない」のである。

平たく言えば、「ハイリスク・ローリターン」ということである。

「起業意欲」が湧かないのは、当然である。

でも、人間は誰でも、自分の将来に対して「希望」や「夢」を抱きたいし、それが抱けない社会を幸せな社会とは思わないだろう。

少子高齢化も、子供を産むことに対する「ハイリスク・ローリターン」の結果だろう。

「リスクを取った人が報われる社会」を創ることが、「この国の未来を明るくする」と思う。

そのために、自分にできることをしていきたい。

日々精進あるのみ。