昨日は、東京都議会選挙の投票を済ませ、近くの公園で子供を遊ばせた後、念願の「クルミドコーヒー」に出掛けた。
クルマで約50分。ようやくたどり着いた「クルミドコーヒー」は、店主の影山さんの拘りと想いが詰まったお店で、郊外の住宅街の中にあって、ひと際、異彩を放っていた。
影山さんとは、随分前から知り合いだったが、ドリームゲートの審査員としてご一緒させていただくようになり、ここ最近、急速に親しくなった。
その影山さん、本業?は、ベンチャーキャピタリストだが、NPOの活動をしたり、こうして「コーヒー店」を経営したりと、とても多彩な方である。
彼の拘りは、お店の材料(建材)に「ガラス、木、鉄」しか使っていないところや、火で淹れるコーヒーではなく、一滴一滴、水で淹れる「水出し」コーヒー、「みかん粒」がそのまま入っている「みかんジュース」、手作りのパンやアイスクリーム等、その素材を含めて、お店のすべてに渡っている。
そして、店内の「腰板」等は、なんと、影山さん自ら貼ったというから驚きである。
ところで、その「クルミドコーヒー」の「上」は、これまた影山さんの拘りの結晶である「賃貸住宅」となっている。
何に「拘っている」かというと、そのシステムである。
この賃貸住宅は「コミュニティ」として運営されており、住民全員による「会議」が毎月開催されており、日頃の生活で問題がないか?等、話し合いがなされている。
また、4階部分には、予約制の「共有スペース」があり、友達が来た時などに使えるようになっている。
ダイニングテーブルセット、キッチン、洗濯機に乾燥機、ピアノ等があり、その上、ベランダには、芝生が敷き詰められており、家庭菜園のようなスペースまである。
何とも至れり尽くせりである。
因みに、この施設を造るにあたって銀行から融資を受けたらしいが、「そんな賃貸住宅で、入居者はあるんですか?」と聞かれたそうだ。
僕は、こういう時代だからこそ、「人と人との付き合いがある」集合住宅が求められているように思う。
昔で言う「長屋」みたいなものの「現代版」だろう。
ところで、そんな影山さんは、東大法学部出身だが、権力志向とかエリートっぽいとか、そういう雰囲気は微塵もない。
そして、ご本人曰く、「どうしてもこれでなければ気がすまないというものはないので・・・」ということで、肩に力が入っていない。
彼の場合、個人的な欲求というよりも、「今の世の中に、こういう商品・サービスがあったら・・・」という想いがモチベーションになっているのだろう。
自分自身の生き方を考える上でも、考えさせられる数時間だった。
我が家からは、ちょっと遠いが、今度は僕一人で、電車で、訪ねてみようと思う。
追伸:「クルミドコーヒー」は、名前のとおり、「クルミ」がテーマのカフェである。子供の頃に、自分で拾って食べた「クルミ」が「ごじゆうにどうぞ」とテーブルに置いてある。