「ゆとり教育」の現場。

先週土曜日は、公開「授業参観」なる小学校の催しに参加した。

他の区でもやっているのかどうかは知らないが、渋谷区では、年に1回(たぶん)、授業参観日を地域の住民にも公開しており、未就学の子供を持つ親が、どんな授業をしているのか?を見学しに行くようだ。

ということで、僕たち夫婦も子供連れで見学に行った。

渋谷区では、自分たちの「学区」で決められた小学校でなくても、区内の小学校であれば、どこでも入学することができる。

但し、学区外の小学校の場合、定員オーバーとなった場合は「抽選」となる。

そのような制度ということもあり、御多分に漏れず、我々も含めて、自分たちの学区以外の小学校にも見学に行く人が多いようだ。

さて、その授業参観であるが、僕たち夫婦は「ゆとり教育」の現実がどういうことかを初めて理解した。

「国語」と「算数」の授業を見学したのだが、「4歳児」でも既にできることを、懇切丁寧に教えているのである。

例えば、ひらがなの書き方であるが、どこがどこよりも長いとダメだとか、そんなことは「知能の発達」に関係ないだろうということを、時間をかけて教えているのである。

因みに、僕が小学校に入学した時は、かなりの子供たちが「ひらがな」を書けていたと思う。

算数に関しても、5-2=3 というようなことを、金魚の絵を使ったり、積み木のようなものを使ったりと、何度も何度も教えている。

「できる子」にしてみれば、退屈極まりない授業だろう。

ついていけない子を出さないという考え方は分かるが、「才能を伸ばす」という思想がなく、「これでは、日本の学力は落ちるはずだよな・・・」と思った。

僕は、日本の教育がどのような仕組みで運営されているのかをきちんと理解していないが、「文部科学省」「教育委員会」「日教組」と、いくつもの組織が、それぞれの役割と権限で活動をしており、それらが「統合」されていないと聞く。

どういう思想や理念のもとに「教育カリキュラム」が改訂されていくのかは知らないが、大人の議論によって出された結論で、被害を被るのは「子供達」である。

保育園仲間のご両親たちと一緒に見学に行ったのだが、その帰りの「昼食会?」では、当然のことながら、小学校をどうするか?の話題で持ち切りだった。

あの授業を見せられたら、経済力がある家庭は、小学校から「私立」に行かせたいと思うはずである。

尚、誤解のないように書いておくが、これは現場の先生方の責任ではない。

「教育カリキュラム(学習主導要領)」をつくっている人間(組織)の責任である。

僕たちの子供が小学校に入学するまでに、今のカリキュラムが改訂されることを切に望みたい。