謹賀新年2011:「地方都市」と「社会の変化」。

皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。

さて、年末29日に帰省して以来、寒さも手伝い、どこかへ出掛けるでもなく家の中で過ごすことが多く、間違いなく運動不足だったので、元日の今日は、お昼を食べに出掛けました。

因みに、年末は忘年会等で出歩く機会が多く、タクシーには乗らず、なるべく歩くようにしていましたが、先々月に買い換えたドコモのケイタイに付いている「万歩計」によると、27(月)は「9,714歩」。それが、30(木)は「867歩」、31(金)は「1,465歩」でした。

ということで、2011年最初のエントリーは、昼食で外出した時に思ったことを書いてみます。

僕の実家のある福島県郡山市は人口が約34万人。典型的な地方都市です。

僕は大学進学に伴い上京して以来、帰省する度に「地方都市」の「構造的変化」を目の当たりにしてきましたが、今日は、そのことを改めて感じました。

地方都市というのは、首都圏や関西圏と違い、公共交通手段が充実していないこともあり、繁華街はほぼ例外無く、中心となる「駅」周辺(駅前)になっています。

郡山もその例に洩れず、新幹線の停車駅でもある「郡山駅」の西側に繁華街があります。

しかし、今から約10年前(2000年10月)、駅前にあった「西武百貨店」が閉店しました。

次いで、2008年2月29日を以て、やはり駅前にあった「丸井」が閉店しました。

それは「車社会」の発展により「駐車場」不足が常体化したことの解決策として「市街地の郊外化」が進んだことが大きな原因です。

しかし、「新車の販売台数」は全国レベルで見ると皆さんご存知のとおり、1990年の800万台弱(軽自動車を含む)をピークに下落を続け、今年は450万台を割り込むそうです。

因みに、ある中国人留学生の調査によると、「中古車」登録台数(流入+小売り+業販)は、1995年から2005年まで、ほぼ800万台で推移しています。

1995年頃は「約5年」だった新車の買い替えサイクルが長期化(2005年時点で約7年)したことにより、新車の販売台数は伸び悩んでいるわけですが、保有台数は増大(約4,300万台@1995年→5,600万台@2005年)しており、公共交通手段が充実していない地方都市においては、「お出かけ」はますますクルマになってきているわけです。

そんなこともあり、現在では、郡山「駅前」に残る「百貨店」は地元の「うすい百貨店(現在は三越傘下)」だけになりました(途中、駅前の生き残り競争で、うすいは増床しています)。

さて、そんなことで今日は「THE MALL」なるショッピングセンターに出掛けたわけですが(もちろんクルマで)、なんと駐車場の収容台数は「2,000台」以上だったと思います。

その駐車場が半分以上、埋まっていました。

因みに、渋谷西武(ロフトと共有)の駐車場の収容台数は「209台」。
渋谷マークシティが「200台」。
東急本店が「426台」。

ところで、日本の借金(政府債務)がGDPの2倍になるのは時間の問題と言われていますが、公共部門の借金問題は、政府(中央)の問題だけではなく、地方都市も同様です。

2010年度の郡山市の「税収」は、約475億円。

それに対して、市債の発行額は「約60億円」。借金残高は「967億円」。借金返済に充てる支出(公債費)が一般財源に占める割合は「13.7%(132億円)」。

参考までに、一般会計に占める国債費(借金返済)は「22.4%」。

市街地の郊外化が進むことはイコール、電気、水道、ガスといった「生活インフラ」のコストが膨らむことを意味します。

高齢化が進めば、クルマの運転ができない人の比率も増えるでしょう。

「社会」は確実に「変化」していきます。

その「変化」には、どのようなイノベーションの「機会」が潜んでいるのか?

今年は、そのような「意識」を持って毎日の生活を送っていこうと思います。

追伸:今年は僕の「職業?」らしく、日々の思いを綴るだけでなく、社会の「数字」を踏まえたコラムを書いていこうと思っています。