シンガポールからTokyoに引っ越した。

僕自身のことではない。GoGlobal Catalyst (GGC) のことだ。

何かの拍子に「BORO」の「ネグレスコ・ホテル」という曲を思い出し、YouTubeで1983年の懐かしい声を聴いた。

Wikipediaで調べると、BOROは幾多の闘病生活にも負けず、「自らのミュージシャンとしての使命を“民衆の苦しみの代弁者”と自覚している(Wikipediaより)」らしく、精力的に「難病治療支援活動」をしている。

彼の艷やかで伸びのある歌声には、そんな彼の人格や性格が反映されているような気がする。

ところで、今年1月19日に書いたブログで、シンガポールに新会社を設立したと報告した。結論から申し上げると、シンガポール法人は「解散」することにした。既にシンガポール政府に解散手続きを申請しており、あと1か月もすれば当局からGGCの記録は削除される。

GGCをシンガポールで登記しようと思ったのは、共同創業者のDanがシンガポール在住で、現地の事情に通じており、イギリス人なので、言葉の問題もなく、それなら僕が東京に住んでいても大丈夫だろうと思ったからだ。

でも、実際に会社を登記し、資金調達をしようとすると、当然だがシンガポールの法律に則って投資契約書を作成する必要がある。言うまでもなく、僕はシンガポールの法律は何一つ知らず、また、DanはAI に関するコンサルティング会社を経営しているとはいえ、スタートアップやVCの世界に通じているわけではない。

また、これから事業展開を進めて行くに際して、事あるごとに契約書や法的手続きが必要になるが、今の体制では無理があると判断した。

せっかく設立したシンガポール法人を解散するのは後ろ髪を引かれたが、撤退の判断は「傷が浅い」うちがいい。設立2ヶ月で、僕は解散する決断をした。

ひと言で言えば、あまりに準備不足だったし、楽観的過ぎた。まあ、授業料は少なくて済んだし、いい勉強になった。

もともとGGCシンガポール法人の100%子会社として日本法人を設立しようと思っていたものを、独立した日本法人として、GGCを設立した。

昨日(6/27)、ようやく日本法人の登記が完了したので、こうしてブログを書くことにした。GGCシンガポール法人の解散報告だけでは、あまりにカッコ悪いので・・・。

日本法人を設立するのは、一苦労だった。GGCシンガポールを設立する際は、僕が「外国人」だったが、今度はDanが「外国人」として、日本法人の設立発起人(設立株主)になったわけだが、あれこれと書類が必要で、尚且つ、本人の「居住地」の大使館 or 領事館で「本人のサイン証明」なる書類を取得し、日本の法務局に申請する必要がある。彼は、東京、バンコック、ロンドン、シドニー等、出張が多く、いつでもすぐに「サイン証明(本人が目の前でサインする必要があり)」を取得できるわけではない。

また、法務局に必要書類を申請してから登記完了まで、約1か月を要し、GGC日本法人の設立登記手続きを依頼した司法書士の方も仰っていたが、前代未聞の遅さだった・・・。何が要因かは分からないが、会社を設立する人が多いのだろう。

そんなことで、ようやく、GGC日本法人の登記が完了し、GGCとして初めての「共同創業者マッチングプログラム」を7月下旬に実施することになった。

BOROが「ミュージシャンとしての使命」を「民衆の苦しみの代弁者」と自覚されているのだとしたら、僕は「起業家兼エンジェル投資家」としての「自分の使命」を「日本のスタートアップ・エコシステムのグローバル化」の推進者と自覚している。僕以上にそのことにコミットしている人はいないと思っている。

現在、GGCとして初めての「共同創業者マッチングプログラ」の応募者を絶賛募集中である。

特に、日本人の応募者を!!

Be Global or Die Local.

今回のタイトルは、僕がSunBridge Global Ventures(サンブリッジ グローバルベンチャーズ)というアクセラレーターを経営していた時に掲げていたスローガンだ。因みに、韻を踏んでいる。

今、こうして眺めると、随分と過激なことを言っていたんだな・・・と思う。後から聞いた話だが、ある大企業の方が「東日本大震災で東北の人たちが苦しんでいるというのに、ローカルは死ね!とは何事だ!!」と痛くご立腹だったそうだ。

そのことを聞いたその大企業の僕の知り合いは、そう仰っていた方に「平石さんはそういうつもりではなく、そのぐらいの気持ちで臨んでいかないと、日本は立ち行かなくなってしまう・・・という危機感を伝えたいんだと思いますよ」と弁護して下さったそうだ。分かってくれる人はいる、ということだ。

下手に丸くなるな」とかいうTVCMのコピーがあった気がするが、いくつになっても安全パイではなく、攻める姿勢を忘れない人間でいたい。

ところで、来週の月曜日(6/23)には「日本語ページ」をオープンするんだけど、それまで待てないので、「僕の写真入りバナー」とGoGlobal Catalyst (GGC) の記念すべき最初のプログラムの「英語バージョンの応募サイト(既に投稿済み)」のリンクを再掲することにした。

僕がこの先の人生を懸けてやりたいことは、上記の英文のタグラインのとおり。アメリカ人の友人と壁打ちし、ChatGPTと議論をして作成した。さらに言うと、武蔵野EMCの教員仲間で、有名なコピーライターの方にもアドバイスを頂戴した。感謝である。

僕が「数学や物理」がダメダメなのと同じで、中高&大学の一般教養とあわせて「計8年間」勉強しても「英語が話せない人が多い」ことの理由は理解できるが、それでも、このまま「超ドメスティック」な「日本人」で日本が存続していけるとは思えない!

もちろん、シャビーな国に成り下がってもいいなら、それは可能だ。でも、主権国家としての「安全保障」を担保するには、経済力は必要不可欠だ!

キレイ事で平和は守れないのは、現在進行系の戦争や紛争を見れば、誰でも分かるはず。

因みに、写真の2冊の書籍は、「中学2年生」の我が家の「次男」が読んでいる本である・・・。中学生でも危機感を覚えているということだ!

念の為、断っておくが、僕の入れ知恵ではない。彼が妻に頼んで購入してもらったそうだ・・・。

さて、大人の我々はどうする? GOするのはいいが、GO GLOBALしないと!!マジで!!!

僕が「日本人と外国人」の「共同創業者マッチングプログラム」を始める理由(その2)。

ロンドンとニューヨークにオフィスを構える Defiance Capital という個性的なVC (Venture Capital)がある。

久しぶりに彼らのウェブサイトを訪ねてみると、どうやら「Pivot」したようで、Home Page だけになっており、Early stage investor in AI-driven enterprise innovation. というコピーと、More Coming Soon というクリックボタンがあるだけだった。

NO of Unicorns by year

彼らが2024年4月、「The Unicorn Founder DNA Report」というレポートを発行した。

2013年から2023年にかけて「Unicorn(ユニコーン)」になった全スタートアップ創業者の「バックグラウンド」を調査したものだ。とても興味深い内容である。

そのレポートによると、その10年間に「972社のユニコーン」が誕生し、その創業に参画した創業者は「2,467人」いるという。

&2%_Immigrant Founder

興味深いのは、創業者たちのバックグラウンドだ。

例えば、その間に「米国」で生まれたユニコーンの「62%」が少なくてもひとり以上、「移民および移民二世」の創業者がいる。また、半数のユニコーンには、米国TOP10の大学出身者、シリアルアントレプレナー、STEM系学位保持者がいる。

ひと言で言えば、米国以外の出身者、高学歴の理数系創業者、シリアルアントレプレナーが欠かせないということだ。

Ethnicity

さらに詳しく見ていくと、米国生まれのユニコーンの「34%」は、最低1人以上「アジア系の創業者」がいる。また、「白人以外の創業者」がいるユニコーンが「38%」。創業者全員が白人以外というユニコーンが「17%」。

ヨーロッパ生まれのユニコーンは、米国生まれのユニコーンと比較して、「移民」「アジア系」「白人以外」「創業者全員が白人以外」のスコアがすべて低い結果になっている。

地理的な要因もあるだろうが、ここから何が言えるだろうか?

明確に「因果関係」とまでは言い切れないかもしれないが、「多様性」は「イノベーション」を起こすための「キー(重要な要素)」だということだ。

そして、「単一民族国家の日本からユニコーンが生まれにくいことの合点がいく。

そういうと、スモールキャップ(小さい時価総額)で上場できる株式市場があるせいだという指摘があるかもしれないが、1,400-1,500億円以上の時価総額(日本円の感覚では、1,000億円以上でもいいだろう)を有する上場スタートアップを入れても、人口やGDP比で見ると、アメリカとの比較は論外としても、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、韓国等と比較しても、日本生まれのユニコーンは少ない事実は否定できない(下図参照)。

Overview of the World startup Landscape
ChatGPT Deep Research 等をもとに筆者作成。

インドや中国のように膨大な国内市場があるなら、いいかもしれない。

でも、2024年の出生数が「70万人」を下回ったわけで、このまま「人口が減っていく国」に閉じていていいわけがない。

必ずしも「Made in Japan」である必要はないが、どうすれば「日本人の才能」を解き放つことができるのか? そのことを真剣に考える必要がある。

僕の知り合いの外国人(主にアメリカ人やヨーロッパ人)は皆、口を揃えて、日本人は「Engineering, Machine Learning, Conputer Vision」等において優れた能力を持っている(人が多い)にも関わらず、どうして、グローバルに成功するスタートアップを生み出せないのか? という。

これだけグローバル化し、多様性が求められる世界になった今、日本人の強みを活かし、弱みを保管するためにも、多国籍チームを創るこことは理に適っている。

僕が「日本人と外国人」の「共同創業者マッチングプラットフォーム」を立ち上げる理由である。

皆さんはどう思うだろうか?

僕が「日本人と外国人」の「共同創業者マッチングプログラム」を始める理由(その1)。

昨夜は投資先の創業者がパートタイムでママを務める世田谷の住宅街にある「スナック」で、BitValley(ビットバレー)なる時代を共に生きた「池田順一さん」と久しぶりに会った。かれこれ10年ぶりだった。

そのスナックは僕の自宅から自転車で15分もあれば行ける場所にあり、夕食を済ませてから出掛けたのだが、池田さんのお住まいは下町で、なんと今日は朝5時起きでヨットに乗っていたらしく、本当は21時には店を出たかったらしいが、僕が到着したのは21:30頃だった。

2000年前後のネットバブルの狂騒から四半世紀。当時生まれた子供は25歳になっているわけで、時の流れの速さを実感する。「若い人」という言葉は、僕らの世代がいかにも年寄りになったようで好きではないが、20代、30代の起業家にとっては、ビットバレーは「歴史の教科書」でしか聞いたことがなく、「長嶋茂雄さん」をリアルタイムで見たことがないのと同じなのだろう。

ロシアのウクライナ侵攻や米国FRBによる政策金利の引き上げ等により、それまで濁流の如くスタートアップやVCに流れ込んでいたマネーは逆流、多くの「Fake Unicorn」が倒産の憂き目にあう。そこに、OpenAI が「ChatGPT」をローンチし(2022年11月30日)、シリコンバレーでは、VCマネーの「AI による寡占化」が始まった。

グローバルなスタートアップエコシステムや資金の流れから「De-Coupling」されている日本は、良くも悪くも上述の影響は限定的だったが、2022年に「約1兆円 (9,889億円), Source: Japan Startup Finance by スピーダ」と過去最高額を記録したはスタートアップへの投資額は、2024年には「約7,793億円」と、約8割に落ち込んだ。

それでも、僕らがネットビジネスを始めた2000年頃のスタートアップへの投資額(恐らく1,000億円程度)と較べたら、8倍近くに大きく成長している。

しかし、解決されていない大きな問題が2つある。ひとつは、未だに「ドメスティック」なこと。もうひとつは、それと大きく関連するが、「グローバルに成功したと言われるスタートアップ」が輩出されていないことだ。

その理由は何だろうか? もちろん様々な理由があるが、僕は大きく、6つの阻害要因があると思う。

SONY, Honda, TOYOTA, Panasonic等の日本企業が世界に出ていったのは、第二次世界大戦後の1950年代から1960年代。当時は、世界中の誰もが「物質的な豊かさ」を求めており、クルマ、テレビ、冷蔵庫、エアコンといったハードウエアは世界共通のニーズだった。

尚且つ、それらは「目に見えるし、試乗したり、手にとって」確認することができた。

でも、ソフトウエアは目に見えないし、ましてや、SNSに関しては、異なる価値観やカルチャーを理解できなければ、海外市場で受け入れられる商品やサービスは作れないだろう。

残念ながらユニコーンになるも倒産してしまったが、僕は「Infarm」というベルリン発のVeritcal Farming スタートアップ (LED/水耕栽培で屋内で野菜を生産) に投資し、日本法人を設立して、足掛け5年ほど経営していた。

Infarm は全盛期(という言い方は悲しいが)、日本を入れて11ヵ国で事業を行っており、1,000人以上の従業員がいたが(い過ぎである。今だから言えるが、正直、経営効率が悪過ぎた)、50-60ヵ国籍で構成されていた。

また、日本法人の経営者だった僕は、四半期に一度の「幹部会議」に招集されていたが、毎回、20人程度の人間が参加しており、その国籍は10ヵ国籍だった。

創業者は全員、イスラエル出身。つまり、ユダヤ人だが、ベルリン(ドイツ)で創業。尚且つ、アラブ系の人間もいた。ドイツ発祥のスタートアップにも関わらず、ドイツ人は2割程度、英語がネイティブな人も約2割。でも、公用語は英語。極めてグローバル化されており、多様性に富む組織だった。

そのような組織を身を以て経験すると、創業者は全員、日本人、従業員も全員、日本人、株主も日本人のエンジェル投資家やVC、顧客も日本人と日本企業という日本のスタートアップを見ると、子供の頃の「白黒テレビ」を思い出す。

それにも関わらず、現時点ではまだ1億2,000万人の人口を擁し、世界第4位のGDPの市場があり、日本国内で充分、成長できる。日本語でビジネスができるし、そんな楽なことはない。でも、成長した時には「日本市場に過度に最適化」されており、そこからグローバル化しようとしても極めて困難だろう。ましてや、30-50億円で上場できる株式市場があり、わざわざリスクを負って海外市場に挑戦する必要はない。

しかし、皆さん、ご存じのとおり、2024年の出生数は「70万人」を割った。日本のGDPに占める「輸出比率」は約17-18%。つまり、内需中心の経済であり、人口減少はイコール、GDP=市場の減少である。

単一民族国家の日本では、仮に「TOEIC」が800点以上だったとしても、日常の仕事で接する人は殆ど日本人という人が大半だろう。それでは、英語が話せるようにはならないし、発想の枠も限られるだろう。

いまや、スマートフォンで「40億人」がインターネットを通じて繋がっている時代である。

日本人だけでビジネスをしていても、グローバルな事業を創造することは極めて困難だと思う。

それが僕が「日本人と外国人」の「共同創業者マッチングプラットフォーム」を構築しようと思った理由である。

また、これは結果論というか、偶然なのだが、僕の「共同創業者」はシンガポール在住のイギリス人である。

まずは、自分で実践しないと説得力が無いからねw。

グローバルに挑戦したい人は是非、GoGlobal Catalyst: Co-Founder Matching Program に応募して欲しい!