「村上さんの実刑判決の是非」と「目指すべき社会」。

村上さんに実刑判決が下された。

このことに関する意見を書いている方々は多くいるだろう。

僕は、テクニカルなことはよく知らないし、あまり興味もない。なので、僕のような人間が、わざわざブログに書く必要があるか?とも思ったが、ひとつだけ、僕の中で「引っ掛かっている」ことがあり、そのことを絡めて書いておこうと思う。

それは、「日興コーディアル証券」に関することだ。

たしかに、堀江さんも村上さんも、社会的な「悪影響」をもたらしたと思う。彼らが行ったことに何の非もないとは言えないし、僕は、彼らの擁護派ではない。

執行猶予が妥当なのか?実刑が妥当なのか? それは僕には判断できない。

しかし、日興コーディアル証券が「株式市場」にもたらした「影響」を考えた時、何故、ライブドアは上場廃止になり、日興コーディアル証券は、上場廃止にならなかったのか?

その判断には、疑問がある。

問題は、「判断基準」にあると思う。

ところで、話しは変わるが、大前研一氏が運営する「AGORIA (アゴリア)」というコミュニティのメルマガに、こんな話しが載っていた。

「カリスマ経営者」は必要か?

僕は、カリスマ経営者が好きだし、その方が経営する会社が好きだ。

しかし、ジョンソン&ジョンソンの調査によると、先進8カ国の「カリスマ経営者」を50人ピックアップし、その経営者が去った後の会社の業績を確認すると、73%の会社で、業績がダウンしていたという。

そのような事実に基づき、同社では「カリスマ経営者」を望まないらしい。

大切なことは、「目指すべき姿」だという。

経済大国となって久しい日本において、「貯蓄から投資へ」との掛け声をあげている日本において、「どのような社会を目指すのか?」 それによって、司法の判断も変わるのではないかと思う。

もっとも、日興コーディアル証券の場合、司法判断ではなく、東京証券取引所の判断だったわけであり、そこに「解釈の余地」があったということだろう。

お盆休みに帰省した際に、ここ一連の事件に関して、弁護士をしている弟の意見を聞いてみようと思う。

お子さんの分はどうしますか?

話しがグアムのことに戻って恐縮だが、成田から自宅に帰るときのことで気になったことがある。

「リムジンバス」のことだ。

今年の3月に上海から帰ってきた際、既に「成田エクスプレス」の終電が出た後だったので、仕方なく、とても久しぶりにリムジンバスに乗ったが、僕は殆どリムジンバスに乗ったことはない。

今回は、ちょうど良い時刻の成田エクスプレスがなかったので、これも仕方なく、リムジンバスに乗ることにした。

チケットを買う際に、「お子さんの分はどうしますか?(大人の半額)」と聞かれたので、「通路を挟んで3席を確保したい」と言ったところ、「自由席」だという答えが返ってきた。

仕方なく、大人ふたりと子供一人分のチケットを買い、リムジンバス乗り場で待っていると、既に大勢の人が乗っている状態のバスがやってきた。

僕は一瞬、理解に苦しんだが、要するに、最初に「南ウイング」でお客さんを乗せてから、僕らが待っていた「北ウイング」に来たのである。

上海から帰ってきた際に乗ったリムジンバスは、北ウイングの乗り場から出発したので、僕はてっきりそういうものだと思っていた。

妻が言うには、最初は「大人ふたり」分のチケットを買おうとしたところ、「お子さんの分はどうしますか?」と聞かれたので、大人の半額を出して子供用のチケットも買ったという経緯があった。

要するに、大人ふたりの場合、子供は「膝の上」という意味なのだろう。

しかし、既にほぼ「満席」に近い状態だったバスは、僕ら夫婦も同じ列には座ることができず、当然のことながら、子供をひとりで別の席に座らせることもできず、交互に「子供の膝の上」に抱えて、2時間をかけて東京に帰ってきた。子供用のチケットは無用の長物と化した。

そうと知っていれば、渋谷や恵比寿に止まらない成田エクスプレスであっても、それに乗って帰ってきた。東京駅からタクシーで帰ってきてもたかが知れている。

僕らの「読み」が甘かったということではあるが、「1才10ヶ月」の子供を連れているのであれば、同じ列の座席に座りたいと思うということは、相手の立場を考えれば、分かるのではないかと思う。

マニュアルには書いていなくとも、お客さんのことを考える「心」があれば。

むしろ、マニュアル化できることでは顧客満足は得られないし、マニュアル化できない領域にこそ、付加価値が潜んでいると思う。

ドリームビジョンは、全員が「心あるサービス」を提供できる会社にしたい。

まずは、自分から。

「七夕」と「アサガオ」。

今日は六本木の某所でキャンディデイトとの面談があり、その後、一緒に面談をした泉谷とふたりで軽くお酒を飲み、日比谷線に乗って帰宅した。

電車の中で僕の前に座っていた男性が、「アサガオ」の鉢植を持っていた。懐かしさと共に、季節感を感じた。

毎日のようにファンドの記事が新聞紙面を賑わせており、経済合理性が幅を利かす現代社会であるが、グローバル化が進む社会であるからこそ、日本人としての「アイデンティティ」が大切だと思う。

自分を見失ってはいけない。日本的情緒や文化を大切にしたい。

「義援金」と「政治献金」。

ETIC主催の社会起業家コンテスト「STYLE 4th」で優秀賞を受賞した岩本さんという女性がいる。授賞式では光栄にも、僕が賞品を渡す役を務めさせて頂いた。

実は、岩本さんが「どんかふぇ」というお好み焼き屋を出店していた横浜の「浜マーケット」という商店街で大きな火災があり、岩本さんの「どんかふぇ」も全焼してしまった。それにもメゲズ、復興に向けて元気で頑張っている。

火事のことは岩本さんが発行しているメールニュースで知ったが、そこに「義援金」の窓口が書いてあったので、気持ちばかりのお金を送ることにした。

岩本さんが取り組んでいる事業は、親との関係が上手く行かなくなってしまった子供達や引きこもりの子供達等の「自立(自律)」を支援することで、自分が借りている家(寮のようなもの)に一緒に寝泊まりして、就業機会を提供するという意味で「どんかふぇ」で働いてもらっているというものだ。因みに、岩本さんが経営するお好み焼き屋(どんかふぇ)は、年商1億円である!!! 行政の助成金に頼ることなく、ビジネスとして売上と利益をあげながら、自分に出来ることをコツコツと実践している。その「強さ」には感銘すら覚える。

ところで、岩本さんに「義援金」を送ったのと同じ日に、古くからの知り合いである民主党の議員の「後援会」の入会金を支払った。名目は異なるが、いわゆる「政治献金」である。僕にとっては初めての経験だ。

彼の後援会に入会して彼の活動を支援しようということは暫く前に決めていて申込書も送っていたが、いざお金を振り込もうとした時に、一瞬、僕の脳裏を過るものがあった。

それは、岩本さんへの「義援金」と民主党の議員への「後援会の年会費(支援金)」は、いったい、どちらの方が「価値」があるのだろうか?というものだ。

知り合いの議員は能力および人格共に素晴らしい人で、そのことは何も心配していないが、はたして、今の日本の政治システムの中で、たいした金額ではないと言うものの、僕のお金は本当に「有効に機能するのだろうか?」 そう思ったのである。

岩本さんへの義援金は、それがどう使われて、どう人々の役に立つかが極めてクリアにイメージできる。なので、僕のお金は「生きたお金」になることは100%間違いない。しかし、後援会費という名目で今日の日本の政治を支援するお金は、本当に「有効に機能するのだろうか?」 そんな疑問にかられた。

「直接効果」と「間接効果」の違いかもしれないが、であれば尚のこと、「間接的にしか民意を汲み上げられない今の政治システム」には、多くのことを期待せざるを得ない。

そのことを阿部首相は理解されているだろうか?

行きつけの「ラーメン屋のカウンター」。

僕は結婚するまでは、ラーメンを食べることは殆ど無かった。それが、結婚して暫くしてからラーメンを食べるようになった。理由は単純で、妻がラーメンが好きだからだ。

彼女は独身時代、銀行系のクレジットカード会社で働いていたが、その頃は、週に2回は会社の近所のラーメン屋に通っていたらしい。仕事が忙しく、遅い夕食を会社の近所のラーメン屋で食べていたそうだ。

彼女と結婚してからは、僕もラーメンを食べるようになったが、それでも、頻度は高くはなかった。

それが、ここ最近、正確には最近2ヶ月ぐらいだろうか、毎週1回は帰りにラーメンを食べて帰るようになった。

その理由は何か?

ひとつは仕事が忙しく、帰りに会社のみんなと「じゃんがらラーメン」に寄ることが増えたこと。もうひとつは、20時頃には会社を出れたとしても、そのまま帰宅すると子供が起きており、僕が帰ると興奮して寝るのが遅くなるため、敢えて時間を潰して(食事をして)帰るようにしているから。

今日は会社を出たのは22:30過ぎ。子供は既に寝ていたと思うが、恵比寿の行きつけのラーメン屋で「お決まり」のメニューを食べてから帰宅した。僕の昔の友人が、僕に「行きつけのラーメン屋」があるということを知ったら、かなり驚くだろうと思う。

そのラーメン屋のカウンターで見る光景で印象的なことがある。

20代や30代前半と思われるキレイな女性が「ひとり」で、僕の行きつけのラーメン屋のカウンターに座ってラーメンを食べていることを多々見かけるのである。

今では死語になった「おやじギャル」という言葉が1990年代に流行したが、世の中の「既成概念」にガマンし本当の姿を見せないことに、女性たちが疲れたということか?

世の中には、「裏も表もある」というのが真実なのだろう。

追伸:「食わず嫌い」はいけない。何事も経験である。

「時価総額の意味」を考える。

先週の日経新聞に、セブン&アイ・ホールディングスが「ロフト(生活雑貨専門店)」を連結子会社化するという記事が掲載されていた。

正確には、セブン&アイ・ホールディングスの全額出資会社で「ロフト」の筆頭株主である「ミレニアムリテイリング」が「約100億円」を投じ、森トラストとイオンが保有する株式(計35%)を取得する。その結果、ミレニアムリテイリングはロフトの「70%超」の株主になる。

ロフトの2006年2月期は「売上:556億円」「経常利益:11億円(経常利益率:1.98%)」。今年2月期も「増収・増益」が見込まれているらしい。

新聞記事から計算したロフトの「時価総額」は「286億円」。

今年度(2007年2月期)の予想数値は掲載されていないので予想PER(株価収益率)は分からないが、2006年2月期の経常利益(11億円)から(実効税率50%で)計算すると、PERは「52倍」である。

因みに、主要な「流通系企業」の先週金曜日(2007.02.23)時点での「時価総額/PER/PBR(純資産倍率)」を見ると、以下のとおりである。

セブン&アイ・ホールディングス: 3兆7,646億円/38.58倍/2.08倍
イオン: 2兆325億円/64.13倍/2.7倍
ダイエー: 1,662億円/0.71倍/2.64倍

ローソン: 4,843億円/21.48倍/2.47倍
ファミリーマート: 3,263億円/22.93倍/1.92倍

伊勢丹: 5,129億円/27.39倍/2.66倍
高島屋: 5,477億円/24.27倍/2.06倍
三越: 2,910億円/30.98倍/1.8倍

ここから、ロフトはとても高く評価されていることが分かる。

次に、ネット系新興企業のそれらの指標をチェックしてみた(2007.02.23現在)。

楽天: 8,512億円/308.45倍/4.51倍
ディー・エヌ・エー: 2,072億円/132.1倍/17.24倍
サイバーエージェント: 792億円/18.36倍/2.47倍
オプト: 361億円/115.76倍/4.08倍
マクロミル: 435億円/42.72倍/10.27倍

因みに、経常利益(連結)が最もロフトに近いのは「マクロミル」と「オプト」で、マクロミル:16.5億円(売上:52億円/経常利益率:31.7%)、オプト:6.58億円(売上:294億円/経常利益率:2.24%)である。

ロフトの経常利益はオプトの「1.67倍」であるが、時価総額は「79%」である。同じPERで計算すると600億円となる。

業界の成長性の違いにより、ネット系の新興企業の方が「時価総額やPER」が高いのは理解できるが、その企業が持つ「社会的価値」は、はたして「時価総額」に連動するだろうか?

ロフトは「PBR(純資産倍率)」が出ていないので、その額は分からないが、ネット系企業と違い、店舗や在庫といった「現金化しやすい資産」を持っていることや「従業員数」および「取引先数」等を考えた場合、時価総額では計れない「社会的価値」があるように思う。

「時価総額」は、あくまで、株式市場に参加して「株の売買により利益を得たい人」にとっての「価値」であり、それイコールのその企業の「社会的価値」ではないと思う。

追伸:それにしても、DeNAの「PBR」には脱帽である。マクロミルも、時価総額がピークの時は、PBRが「20倍」を超えていた。