21才の経営コンサルタント

それは、ドリームビジョンでインターンとして働いている山田くんという大学生のことだ。米国ネブラスカ州立大学に通う学生で、大学を休学してドリームビジョンで働いてくれている。

彼は、特に経営コンサルタント志望というわけではないが、経営分析的スキルが高く、僕が「ああしたい、こうしたい」ということをシャープな視点で分析をし、常に的確なアドバイスをくれる。まさしく、経営コンサルタント的な仕事をしてくれている。

仕事という意味では、彼は金融に興味があり、ドリームビジョンでインターンとして働きながら、土日は金融関係のスクールに通っている。いつだったかは、僕が持っていたある銘柄(株式)の財務状況を分析し、「そろそろ手放した方がいいと思いますよ」とアドバイスをくれた。そのアドバイスを受け入れ、その数日後にその銘柄を売却したところ、見事にその2~3週間後から、その銘柄は下降トレンドを辿っていった。

そんな彼が昨日、僕が社外取締役を務めるラソナとの合同懇親会で、僕に言った言葉が印象に残っている。おそらく、一生忘れないと思う。

彼が言った言葉とは、「今日から(ようやく)ビジネスになりましたね。今までは『理念先行』でしたから(ビジネスになっていなかった)」というひと言だ。

大学生ながら、なんと凄いことを言うやつだと思った。

話しは変わるが、通称「Joi」で知られている伊藤穣一氏が、彼の書籍だったかインタビュー記事だったかで、最近のネットビジネスは30才前後の起業家が勢いがよく、世代交代が進んでいるというようなことを言っていて、その中で、「アマゾンのジェフ・ベゾスの偉いところは、自分から若い人間の話しを聞きに行き、熱心にメモを取っているところだ」と言っていた。そういう姿勢がなければ、やっていけないという意味だ。

そのとおりだと思う。

ベゾスと自分を同列に扱うのは甚だおこがましい話しで恐縮だがが、僕はインタースコープの頃から、大学生の人達と一緒に仕事をし、彼らから多くを学んできた。

こちらは起業家なり経営者で、相手は学生だというような考えは一度も抱いたことがない。

僕ぐらいの能力の持ち主は履いて捨てるほどいるわけで、その中で、僕がこうして何とかやってこれたのは、そういう姿勢があったからだと思う。

それにしても、山田くんの優秀さには脱帽である。将棋の羽生善治さんがいう「高速道路」の話しを、実感として感じている。ラソナの2人のインターンも、めちゃくちゃ優秀である。

ところで、明日は、外部の人々を招いてドリームビジョンの事業戦略会議を開催するのだが、僕以外の人は全員、20代である。

僕の役割はグランドデザインを描いて、その実現フィールドを造ること、そのために必要な資金を調達すること、そして、それなりの人脈を活用して事業の枠組みをデザインしていくことであり、そこで実際にプレーするのは、20代の人達だと考えている。

今日も、慶応大学に通う3年生とドリームビジョンのスタッフとで食事会をしてきたが、そこで繰り広げられる会話は、年齢や属性の差を感じさせないレベルである。

ドリームビジョンも近い将来、そういう優秀な学生の人達が就職したいと思う会社にしたい。