THE BIG ISSUE JAPAN (ビッグイシュー日本版)

今日はドリームビジョンの事業戦略会議を行った。

メンバーは、ドリームビジョンの3人と、学生時代にインタースコープでインターンをしていた2人、そして、創業メンバーである安田くんの幼なじみの友人の計6人だった。

ここ3ヶ月は、ドリームビジョンの理念を曲げることなく、どのようなビジネスモデルが考えられるか?ということを、現在の我々が得られる範囲の情報をもとに、議論を重ねてきたが、今日は我々内部で策定したビジネスモデル(ドラフト)をベースにして、その成功確率を高めるにはどうすればよいか?また、我々が見えていないオポチュニティはないか?といった点に関して議論をした。

結果的には新たな事業機会というものは見出せなかったが、我々が策定した事業内容をどうすればテイクオフさせることができるか?という点で、有意義な議論ができたと思う。

やはり、それなりのレベルで尚かつ持っている知見が異なる人間が集まって議論をすると、自分たちだけでは見えなかった視点を提供してもらうことができ、新たなアプローチを考えられることを再認識した。そういう意味で、土曜日にも係らず集まってくれたメンバーには、心からお礼を申し上げたい。

ところで、会議を終えて、保育園に悠生を迎えに行き、慌ただしく帰宅すると、ポストに「THE BIG ISSUE JAPAN (ビッグイシュー日本版)」という雑誌(見本誌)が入っていた。

今日は、妻が大学院の授業で遅くなる日だったので、僕が保育園に迎えに行き、悠生を連れて帰ってきた後、妻が今朝、出掛ける前に用意しておいてくれた「説明書」をもとに、悠生に「離乳食」を食べさせた。そんなこともあり、とても慌ただしい一日だった。

ところで、「THE BIG ISSUE JAPAN (ビッグイシュー日本版)」は、ホームレスの人だけが「販売員」になれる「雑誌」である。200円の販売価格のうち、110円が「販売員(ホームレス)」に支払われる仕組みになっている。

僕のような人間は、こういう「社会的意義のある事業」に弱い。自分でも「やりたい」と思ってしまう。

でも、実際には着手しないだろう。

具体的に言うと、その事業がもたらす「社会的価値(結果)」や「意義(結果)」には強く惹かれるものの、自分がそのための「苦労(プロセス)」をするか?というと、しないだろうということだ。

何故なら、それはとても大変な仕事であり、その労力と社会的価値の割に「(僕が望むレベルの)利益を生まない」ということを、理解できるようになったからだ。

以前であれば、その「矛盾」や自分自身の「本質」を理解できておらず、ややもすると「霞を食ってでも」的なところが多々あったが、ここ10年間で、自分にとっては物凄い苦労(貧乏)と、その逆にそれなりの経済的メリットも享受し、陽と陰の両方を経験したことによって、「理想と現実」ということを、遅まきながら理解したからだろう。

そして、資本主義のメリットを享受したいという意識が、僕の心の中にあるからだと思う。

インタースコープ時代は、良くも悪くも「(最先端)イノベイティブ」なことを指向してきた。

しかし、ドリームビジョンでは、理念や思想の上ではイノベイティブであり続けたいと思っているが、社会的ニーズが確認できているもので、尚かつ、成功確率がある程度読めるもの以外は、実際にビジネスとして取り組むことはしないだろうと思う。インターネットリサーチで言えば、マクロミル的戦略を取ると思う。

マクロミルの優れているところは、リサーチという極めて「属人的スキル」に依存する事業を、そのサービス領域を「限定」することで、業務フローを徹底的に「標準化」し、システム化することで、アウトプットレベルの「均質化」を実現したことだ。

ドリームビジョンは、その理念を考えた時、I.T.を徹底活用しサービスをコモディティ化する、逆に言えば、コモディティ化できる事業「だけ」に取り組むということはしないし、できないと考えているが、社会に対して影響力を行使できる会社になるためには、何らかの形で「コモディティ化」を考える必要があると思っている。

今日の会議での議論と、THE BIG ISSUE JAPAN (ビッグイシュー日本版)を手に取っての思索と、慌ただしい子育てにより、そんなことを考えた一日だった。

ところで、僕の周囲には何故か、金融業界に転じる人が増えている。

村上ファンド等の問題はあるにしても、ファイナンシャルなメカニズムの点においても、世の中は確実に変わってきていると感じている。

僕自身も近い将来、何らかのやり方で、ファイナンシャルなビジネスに取り組みたいと考えている。その根底には、やはり、「大きな利益を上げられる可能性がある」という理由があることは否定できないと思う。

今日の会議に出席いただいた外部メンバーの皆さん、本当にありがとうございました。
これからもドリームビジョンを宜しくお願いします。