悠生の祖父

当たり前のことだが、僕の父と妻の父が悠生の祖父にあたる。

しかし、残念なことに、ふたりとも他界してしまっている。彼が物心ついた時に、残念に思うのではないかと思う。

幸か不幸か、妻の父は芸術家だったのだが、生前に描いた「絵」や「文字」や「人形」がある。

因みに、不二家の「ペコちゃん人形」は彼の作であり、そのことを、僕は密かに誇らしく思っている。僕は、義父のことがとても好きだった。

その義父が描いた絵のひとつを、今の家のリビングに飾っている。

中国は桂林あたりの絵である。とても生き生きとしており、静かなエネルギーを感じる。

その絵が誰の作かを知るはずもないが、悠生はその絵が気になるようである。

悠生がこうして元気に育っていることを、義父にも、僕の父にも見てもらえないのはとても残念だが、いつか、悠生が言葉を話せるようになった時、彼にとってのふたりの祖父の話をしてあげたいと思う。

自分の「ルーツ」や「家族の歴史」を知ることは、自分の人生を考える上で、とても大切なことだと思うから。