内なる声に耳を澄ます。

昨日のお昼前、渋谷駅南口と東急プラザを繋ぐ横断歩道と横断歩道の間で、THE BIG ISSUE JAPAN を買った。前号も同じ場所で購入したのだが、今回も同じオジさんが売っていた。

僕が「前回の号も買ったんですよ」と言うと「ああ、そうでしたね」と言って、屈託のない笑顔を返してくれた。

代金の200円を受け取った手はアカギレがひどく、ハンドクリームも塗れないんだろうなと思うと、ちょっと可哀想な気がした。でも、彼は元気そうだった。僕なんかよりも、とっても。

そして、「次の号に私が載る(掲載される)んです」と言って、嬉しそうに話していた。

表紙を開くと、前号でも読んだ「私の分岐点」というコーナーがあり、ああ、そうだったなと思いながら、今回のインタビュー対象である「勝野 洋」さんの記事を読んだ。

彼の奥さんはキャシー中島という人だが、彼女と結婚した後は急激に仕事が減ったという。でも、そのことは予想していたと答えている。

彼は一時的な人気ではなく、しっかり板についた役者になりたいと思っていたので、将来に備えた乗馬の訓練や普段できなかった土いじりなどをして、心静かに過ごしたという。

また、彼は自分から進んで役者になったのではないらしいが、一生、役者でやっていくことに迷いがなくなったのは「40代」入ってからだという。

そして、「人(人生)には何度か大きな岐路が訪れると思うのですが、そんなときは素直になって、内なる自分の声に耳を澄ます。どちらに行けば得をするかと考えるのではなく、自分の原点を振り返り、童心に返るんです。そうすれば必ず道が開け、いい方向に向かうと思いますよ」と言っている。

「内なる声に耳を澄ます」という言葉は、5年前に「逆求人フェア」というイベントで出会った学生に、僕自身が言ったことでもある。

今度は、自分がそうする時に来ているような気がしている。