僕が社外取締役を務めているラソナの記念すべき第1回目の社員総会が本日午後に行われた。
創業11年目に入り、第2創業のこの時期に、ラソナという会社は、何をするために、どこへ向かうのか?を、役員・社員全員で共有するためだ。
ラソナの創業者であり社長の岡村氏(通称ポン)とは、かれこれ13年の付き合いになるが、こうして、社員総会を行い、その席に僕が出席させてもらい、社員のみんなの前で話しをさせて頂くことになるとは、彼と知り合った頃は、当たり前だが、想像もしていなかった。人の「縁」というものを感じた数時間だった。
岡村氏が大阪芸術大学を中退し、単身スペインに渡り、5年間に渡り、画家としての活動をした上で、日本に帰ってきた頃に、プランドゥシーのオフィスで同社社長の野田という男に紹介されたのが出会いだった。
余談だが、今でこそ、年商100億円の会社になったプランドゥシーも、当時は恵比寿の雑居ビルに入っていた怪しげな、いつ潰れてもおかしくない会社だった。
ところで、今日の社員総会には、顧問の中(なか)さんという松下電器で松下幸之助さんがご存命の頃に働き、薫陶を受けた方も出席された。
その中さんの話しは、とても意味深く、考えさせられるものだった。
中さんは、松下電器を退職された後、政治の世界に関ったり、出版社の社長をされたり、ベンチャー企業の監査役等を務めたりと、多くの政治家や経営者と仕事をされてきた方である。
その中さんが接点があった「成功した経営者」に共通しているのは、「楽観的で直観力と志がある」ということだという。
自惚れかもしれないが、僕は「直観力と志」に関しては自信がある。しかし、「楽観的」かと言えば、むしろ、神経質な質であり、その点が今の僕を物語っているように思った。
その点、ポンは、その3つを兼ね備えている。
それが、僕が嫉妬するぐらい、中さんがポンを支援し、ポンのために時間を割き、彼の豊富な人脈を活用し、ラソナの成長を支援する理由なのだということが、今日の社員総会で分かった気がした。
中さんが言うには、「高楽観&低悲観」の人は成功するという。
それで言うと、僕は「中楽観&低悲観」のような気がする。
低悲観の方はいいとして、何故、僕が「中」楽観であり、「高」楽観になれないか?
それは、ポンと違い、中途半端に知識があり、中途半端にプライドがあり、そういう社会的立場を失うのが怖いからだと思う。
それらがないポンは、失敗しても死にはしないぐらいの感覚でいられるから「高」楽観なのだろう。
なにせ、スペイン語はひと言も話せないくせに、誰ひとりとして知り合いもいないのに、単身スペインに渡り、尚かつ、日本人として初めての「賞」を取ったぐらいなので、その生命力というか、カッコつけないというか、僕とは人間が違うと感じる。
彼のような生き方はできないまでも、彼の生き方から学べることは多々あると思う。