「OS(基幹産業)」を設計する。

今月初旬に初めて「八戸」を訪問して感じたことは、北米と中国(大連)に定期航路があり、製造業の拠点としての可能性があるということだ。事実として、三菱製紙や川崎製鉄等の重厚長大産業の工場がある。

八戸市なのか青森県なのかは忘れたが、「クリスタルバレー」と呼ばれる「液晶」関連の企業を誘致しているエリアもあり、ハイテク産業の集積地になる可能性は充分あると思う。

大谷さんや僕が1990年代の後半から「棲息」してきたネットビジネスは「機���力とスピード」はあるが、地域全体の経済力を底上げするほどの「トルク(底力)」はない。周辺産業の厚みがないと言ってもよい。

Yahoo ! Japan の2006年3月期の売上は「単独:1,540億円/連結:1,740億円」、楽天の2005年12月期の売上は「単独:336億円/連結:1,300億円」だ。日本を代表するネット企業の2社を足しても「3,000億円」である。

自動車産業や家電産業になると単位が「兆」になる。その差は大きい。尚かつ、周辺産業の裾野が広い。

因みに、日本のGDPは「約520兆円」で、製造業の比率は「3割」に留まる。残る「7割」は「サービス業」である。しかし、3割の製造業の周辺には「組込ソフト」等の産業がある。ここを見逃してはいけない。

大谷さんのブログにもあったように、先週の金曜日(昨日)、インフォプラントにて、サンブリッジのアレン・マイナーさん、石橋さん、大谷さん、平石の4人で「八戸シリコンバレー」計画について議論した。

アレン・マイナーさんからシリコンバレーがいかにして出来上がってきたかの説明を受け、大谷さんも僕もとても勉強になった。

シリコンバレー成功の要因は、スタンフォード大学とヒューレット・パッカードにあると言える。

「八戸」を日本のシリコンバレーにするには、目玉となる「産業」なり「企業」が必要不可欠である。そして、優秀な「教授陣」を擁する大学と、そこに集まる優秀な「学生」が必要である。その2つの要素が揃わない限り、30年経っても「八戸」を日本のシリコンバレーにすることは出来ないだろうと、アレン・マイナーさんに指摘された。

但し、「雪が降らない(積もらない)」のは、非常に大きな「アドバンテージ」だとも言われた。そして、現地を視察に行くと言ってくれた。

中国の大連は、10年間で地域経済の規模が「10倍(150億円→1,500億円)」になったと聞く。

すべては「志と行動」。そして、3K(謙虚、感謝、「工夫」)である。