「製造業」は「日本の真骨頂」か?

今日のブログは「日産スカイライン」をテーマに書こうと思っていたが、とある理由により、他のテーマにすることにした。

ソフトブレーン創業者の宋さんが「長男『セイゾウ』がそのお下がりを弟たちに着せる」というタイトルで、日経ビジネスオンラインにおもしろいコラムを書いている。

一言で言えば、製造業における「日本の成功」が、日本の未来の可能性を阻んでいるという内容である。

僕が最も「共感」したことは、エンジニアの方の「費用=見積もり」が「人月」単位であることである。本来であれば、その人が生み出した「付加価値」に対して「値段(対価)」をつけるべきところを、労働の単価=「部品」的な発想のもとに取引をしている。

その「単価」が高ければ、まだいいと僕は思うが、戦略系コンサルタントや弁護士等の方々の時間単価が「数万円」であるのに対して、エンジニアの方々の時間単価はあまりに安すぎると僕は思っている。

そのことのシワ寄せが、絶対的な「エンジニア不足」という「就業構造」を生み出していると言っても過言ではない。人材紹介のビジネスを始めてみて、その実情がよく分かるようになった。

因みに、付加価値という意味では「タレント」や「コピーライター」は、そういうロジックで評価されている。

同じ「美人女優」でもその人を起用することによるマーケティング効果でTVCMの出演料は大きく異なるし、同じ文字数のコピーを書いても、その人が書くコピーがもたらす効果により、コピーライターのギャラは大きく違ってくる。たった10分で書いたコピーだろうが、まるまる1ヵ月かかって考え出したコピーだろうが、そんなことは関係ない。

今まで一度も「製造業」で働いたことがない僕がこういうことを書くのは失礼な話かもしれないが、宋さんの話にはとても共感する。

もうひとつ、宋さんの、最近は読者の批判やコメントを恐れて自分が書こうと思っていたことを書けなくなりつつある・・・もうそろそろ「傍目八目」をやめる時期になっているサインです、というくだりが、とても心に残った。

どうかやめずにコラム(傍目八目)を書き続けて欲しい。

追伸:日本における「製造業」は勿論、必要である。但し、すべての産業に対して「製造業的発想(ロジック)」を当てはめることはナンセンスである。宋さんが言いたいことは、そういうことだと思う。