「不都合な真実」と「終わらない一歩」。

「3度目の起業」と「初めての子育て」が始まり、約1年半が過ぎた。

正確には、ドリームビジョンの設立登記を行ってから1年3ヶ月、マネックスの松本さんをお迎えしてのトークセッションから1年、人材紹介の事業を始めてから約半年になる。子育ての方は、先月で1年8ヶ月になった。

僕の経験則では、何事も3ヶ月、6ヶ月、1年、3年という時間軸で物事が進んで行くような気がしているが、「3度目の起業」にしても「初めての子育て」にしても、そんなタイミング毎に節目があったように思う。

ドリームビジョンに関しては、試行錯誤を繰り返してきたが、設立からちょうど1年を過ぎた時期に、泉谷さんと松本さんが合流したことは大きな変化になった。派遣の方たちを採用したのも、同じようなタイミングだった。

そんなこともあり、遅まきながら経営者としてより一層の自覚と責任のもと、どのように組織を運営していったらよいかを常に考えながら仕事をするようになった。

子育ての方は、子供がだいぶ物事が分かるようになり、今までとは違う意味で手がかかるようになった。

朝は早くから僕を起こしに来るし、週末は朝食が終わると散歩に行きたいのか、だんだんと落ち着きがなくなってくる。また、僕がPCに向かっていると寄って来て、自分にも触らせろとばかりに悪戯するし、僕が拒むと泣いたり騒いだりする。家に彼がいる時は、自分のことは殆ど何もできないようになった。

実は、ここ最近、体調が優れない日が続いている。先月末に「首」を痛めた時に、セラピアの鈴木さんに言われたが、ドリームビジョンの立ち上げと子育ての疲れが出たのだろう。少し立ち止まって考える時期にいるのかもしれない。

ところで、僕は20代のある夏(たしか26才だった)、交通事故に遭った。それも、1度ではなく、2度も。

2度目の事故の時、現場検証をした警察が驚いていたが、僕は「7メートル半」も飛ばされたらしい。それでも、骨一つ折らずに済んだ。僕の記憶が正しければ、地面に落ちた瞬間、体操の選手のように頭からグルッとまわって着地した(立った)のである。まさに奇跡的である。

しかし、その時の衝撃でムチウチになったようで、疲れが溜まると頭の後ろのあたりが痺れてきて、集中力が続かなくなる。インタースコープを創めて3~4年した頃、ちょうど40才になった頃からだと思うが、どうしても集中力が続かない時は、仕事を抜け出してマッサージに行くようになった。そんなことをしながら騙し騙し何とか仕事をしている。

話しは変わるが、先週の土曜日(土曜日は子供は保育園に行っている)に、遅ればせながら「不都合な真実」を観に行った。予想はしていたが、衝撃的だった。

現代社会が輩出するCO2の増大により、地球が温暖化している事実とその描写にも心を奪われたが、それと共に、僕にとって印象的だったのは、ゴアが自分の子供(長男)を交通事故で亡くしかけたことにより、自分の人生で本当に成し遂げるべきことを深く考えるようになり、そのことが彼を「環境問題の研究」へと駆り立てたことだ。

また、彼は、フロリダの疑惑の投票結果によりブッシュに敗れたことを「ハードなショック」だったと述懐していた。でも、前に進むしかないと自分を励まし、今日に至っているという。

さて、今日のエントリーのもうひとつのテーマである「終らない一歩」は、日経ビジネス・オンラインの1周年記念セミナーで、ワタミの渡邉美樹さんの講演の最初に紹介されたビデオにあったテロップのことだ。

カンボジアの貧しい子供たちを支援しているという話しはその時のエントリーで紹介したとおりだが、今日を生きるために、たった「20円(だったと思う)」の現金収入を得るために、子供たちが毎日、「ゴミの山」を漁っている事実を目の当たりにし、渡邉美樹さんは「絶望感」に襲われたと言う。

それでも、何もしなければ何も解決できないとして、自分に出来ることを行っている。そのことを、その紹介ビデオでは「終らない一歩」と言っていた。

話しをゴアに戻すと、彼は「スライド講義」とか言っていたと思うが、全米はもちろん、世界中のどこでも、自分が必要とされれば現地に赴き、地球温暖化に関する彼の研究活動をプレゼンしているという。

そのことにより、より多くの人が「環境問題」に関する正しい認識を持ち、そのことにより「政治(家)」が変わり、我々の「子供たちに素晴らしい地球を残す」ことができると信じて。

田坂広志さんが言っていたことだと思うが、「志」とは、自分が見届けられないことの実現にコミットできることを言うらしい。

自分はいったい、自分の人生で何を成し遂げようとしているのか自問自答しつつ、シェーバーを充電しっぱなしにするのは止め、PCもスリープモードを止めた。

「事業」も「私生活」も、今の自分に出来ることを愚直にひとつずつやっていくしかない。と自分に言い聞かせている。