「リーダーシップ」と「生い立ち」。

今週は色々なことを考えさせられる一週間だった。

そのひとつとして、ドリームビジョンを創めてから知り合ったある方から、「リーダーシップ」に関するインタビューを受けるという出来事があった。そのようなテーマでインタビューを受けることは、とても光栄なことであるが、僕の話しがその方にとって役に立つのか、少々不安だった。

インタビューを受けた翌日、その方から頂いたお礼のメールに、とても考えさせられることが書いてあった。

「その理由は、日々リーダーシップを発揮されている平石様の「生き様」が、ご両親から受け継がれたものらしいと感じられたことです。そこには親の深い愛と、誇りを持ってそれを受け取る子どもの純真な力が存在しています。最も理想的なパワーの伝授の仕方であり、今の世の中に最も必要とされているものです」。

僕にどれほどのリーダーシップがあるかは分からないが、彼のインタビューに答えながら、今の僕を形成している源は、間違いなく、亡くなった両親からの影響が大きいということを再認識した。父も母も、「人生」というものに、とても「真剣」に向き合っており、そのことが僕の生き方に大きな影響をもたらしたと思う。

ソフトブレーン創業者の宋文洲さんのコラムにも、言葉に出来ないものを感じた。彼の肩肘張らない正直で自然体の生き方が僕はとても好きで、数ヶ月前から彼のコラムを読んでいる。

彼はここ1年間に渡って書いてきた日経ビジネス・オンラインでのコラムを今月いっぱいで終了すると公言しているが、最近のコラムには、彼が幼少の頃のことが書かれている。

詳しくは、宋さんのコラムを読んでいただければと思うが、彼の文章から、彼が幼少の頃に受けた両親の愛情や隣人との生活で感じていた友情や絆、そして、「偶然に対する感謝」の心が伝わってくる。

今までのコラムでは、日本社会の矛盾や不条理、非合理、非効率等を、彼独自の新鮮な切り口で論じていたが、ここ最近のコラムでは、そういったメッセージはなく、ただ単に、自分自身の幼少の頃の出来事や思い出を書いている。

これは、僕の勝手な推測でしかないが、彼は本当はコラムを続けたいと思っており、また、異国の地である日本でビジネスでの成功者となったことに対して、言葉に出来ない感謝の念を感じているのではないかと思う。それは、彼の成功が、彼の努力だけではなく、幸運な「偶然」にも助けられているという気持ちがあるからではないだろうか。

そして、自分のコラムの読者や日経ビジネス・オンラインの方々に対する感謝の気持ちが、不幸な出来事も多々あったにも係らず、幸せだったと感じているご自身の生い立ちを、最近のコラムに書かせているような気がする。

もうひとつ、これも中国に関するトピックスであるが、「留守児童」と呼ばれている農村地区の「出稼ぎ労働者」の子供たちに関するコラムがある。そのコラムは、住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリストの北村豊さんという方のもので、こちらも日経ビジネス・オンラインにて書かれている。

彼のコラムによると、中国で故郷を離れて働く出稼ぎ者の総数は1億5000万人以上、彼らが故郷に残している「留守児童」の総数は2,000万人以上(7,000万人という説もあるらしい)に上るという。幼少期に親と離れて暮らすことによる、子供たちの影響は想像に難くない。

日経ビジネス・オンライン1周年記念セミナーで、北村さんの話を聴く機会に恵まれたが、ビジネスマンとしての視点を超えて「社会のあり方」を考えている、とても温かい人柄を感じた。

上記以外では、田坂広志さんがご自身のメルマガで書いていた「全霊を込めて創り上げ、無心の境地で流し去る」という一言、アイスタイルの吉松さんのインタビュー記事にあった「困難な時期に支えてくれたもの、それは信念」「折れない心」というタイトルが心に残った。

「坊主頭のりょうへいさん」によれば、自分の目の前に現れることや出来事は、すべて、今の自分に必要なものだという。

今週の僕の心にとまった出来事やコラムや情報は、今の僕がそれらを必要としているからだろう。そこに何らの「意味」を見出したいと思う。

僕がドリームビジョンで成し遂げたいことを常に自問自答し、自分の信念を忘れず、でも、柔軟な視野と行動を持ち続けらるように。

追伸:僕は日経ビジネス・オンラインの回し者ではありません(笑)。