Economics based Value Design.(マッキンゼーの教え)

僕が社外取締役を務めるラソナでは、社内だけでは対応しきれないテーマに対応するために、何人かの方に顧問や外部ブレーンとして支援していただいている。

その中のひとりに「池末浩規さん」という方がいる。

彼は、東大法学部を卒業後、マッキンゼーに就職し、9年間勤務した後、独立して様々な仕事をされている。

実は、池末さんとは、僕が最初の会社を経営していた頃、あるプロジェクトで知り合ったのだが、なんと、ラソナ社長の岡村も、7~8年ぐらい前に、ある会社の事業を通じて知り合っていた。世の中、本当に狭いものだ。

さて、先日、ある会議で、池末さんから、こんなことを教わった。

Economics based Value Design.

直訳すると「価値設計に基づく経済」ということになるが、このセンテンスが作られた背景を考えて、僕は「価値設計に基づく収益構造」と捉えている。

少々記憶が曖昧であるが、このセンテンスは、マッキンゼー25周年の時に、経営コンサルティングなり経営そのものにおけるエッセンスを凝縮して策定したものだと、池末さんが言っていたように思う。

ひとつひとつの単語自体は難しいものではないが、このセンテンスを紹介された時は、その意味するところが理解できなかった。しかし、議論を進めていくうちに「なるほど」と思うようになった。

僕の拙い経験であるが、事業計画を策定する際、戦略的な視点なり考え方と、実際の「数字(売上計画)」の整合性がない(両者が乖離している)ことが多々あるように思う。

PPTの資料で語られている「戦略」とエクセルでシミュレーションされている「収益計画」が、「理想」と「現実」のように、全く整合性が取れていないことがあるということだ。

ドリームビジョンを例に挙げると、自社の強みや特徴を踏まえると「経営企画・事業開発」といったポジションにフォーカスすべきにも係らず、売上を上げる(上げやすい)ことを考えて、ついつい「他の職種(例えば、営業職等)」にまで手を広げる、あるいは、そちらの割合を大きくしてしまうといったことだ。それでは、上手くいく筈がない。

思い起こしてみると、インタースコープの時にも似たような間違いを犯してしまったことがある。

今のこの状況は、最初の会社の時のあのことに近いな・・・とか、この間の問題は、インタースコープ時代のあの頃のことに近いな・・・とか、ドリームビジョンを経営する中で、今までの経験を思い出すことが多い。

過去の多くの過ちを振り返る上で、Economics based Value Design. という視点は、とても示唆に富んでいる。

優秀な方と仕事ができるということは、この上ない幸せである。