元SONY 出井さんの話し

昨日は、ソニーOBの方々が設立された株式会社CEAFOMという人材紹介会社が主催するセミナーに参加させていただき、元SONY CEO 出井さんの講演を拝聴する機会に恵まれた。

出井さんの話しは、I.T.系ベンチャーのカンファレンスであるNILSでも聴いたことがあるが、昨夜のお話は、SONYというグローバル企業のトップを務めていらした方らしく、その視野の広さが際立っていた。

特に、印象に残っているのは、タイガーウッズとイチローを引き合いに出し、「一流な人(存在)ほど変われない」と仰っていたことだ。

最近の風潮として、とにかく「変化」を求めるところがあるが、タイガーウッズにしても、イチローにしても、あそこまで登り詰めるには、相当の時間と努力を費やして来ており、それを今更、他のスタイルに変えろと言われても勘弁してくれということだろう。それは、企業にも当てはまるように思う。

出井さんは、トヨタやSONYのことを引き合いに出して説明されていたが、何もそこまでの企業ではなくとも、同様なことが言えるように思う。僕と山川さんで創業したインタースコープは、マクロミル的な会社にはなれなかったのも同じである。

たしかに、「環境変化」に合わせて、自分自身も「変化」していくことは大切であり、それは避けられないことでもあるが、問題は「何を変化させるのか?」そして「何は変えない(変われない)のか?」ということのような気がする。

それ以外で印象に残っているのは、資本市場としての「Tokyo」の評価だ。

この評価はロンドン市場によるもので、取扱高ではなく「使い勝手」だそうだが、1位が「London」、2位が「New York」は想定の範囲内として、3位が「Hong Kong」、4位が「シンガポール」と続く。間を飛ばして、「Tokyo」は「9位」。

因みに、日本の「国際競争力」は世界第7位(おそらくOECD調べ)だそうなので、それと較べても「資本市場の使い勝手の悪さ」が気になるということだろう。

上記にも絡んだ話しとして、出井さんは「日本的資本主義」を創ることが必要だと仰っていた。

上記以外にも勉強になる話しがたくさん聴けたが、出井さんの講演後の会場からの質問に答えて、「個人のマインドセットを変えることが最も重要だと思います。会社のせいにしたり、国のせいにしたり、『ツケ』を回しているようなところがありますよね」と言っていたことには、共感を覚えた。

それ以外としては、出井さんレベルの方になると問題意識が「日本」という点が、当たり前といえば当たり前だが、そのスケールの大きさと視点の高さを改めて感じた。

自分にどこまでのことができるかは分からないが、より大きな事を成し遂げていくためには、インフォプラント創業者の大谷さんが言ってたように、出来る限り海外に出て、「自分の目と足」で世の中の変化を確かめることの重要性を再認識させられた。

そのためにも、まずは、ドリームビジョンの収益基盤を確立したい。