「知識」と「実践」の大きな隔たり。

今日は、いつものメンバーでのゴルフ且つ「今シーズン最終ラウンド」のはずだったが、子供の具合が良くならず、キャンセルとなった。

せっかくなので、他の3人で行ってもらえればと思ったのだが、温かいお気遣いを頂戴し、それこそ、せっかくなので調整し直して「4人」で行こう、ということになりキャンセルした。

さて、今年も残すところ、あと2週間。とても良い機会なので、今年一年を振り返ってみようと思う。

今年は、自分自身の腹を括り直すことから始まった。

以前にも書いたが、2006年3月にドリームビジョンを設立し、最初の数ヶ月は意気揚々とやってきたが、だんだんと現預金残高が減ってくるにつれ、僕自身の心に「本当にうまく行くのか・・・」という疑問が生まれてきて、去年の夏から秋にかけては精神的にとても辛い時期を過ごした。

「3度目の起業」とかカッコいいことを言っていても、それは、実際にはとてもハードルの高い挑戦であり、そう簡単ではないことを身を以て実感した。

では、なぜ、その「弱気な精神状態」から脱却できたのか?

それは、自分でもよく覚えていないところもあるが、色々検討し、実際に動いてきた結果、「これで行くしかない」というものを「見出した」からだと思う。

より正確に言えば、その選択肢はある時点からあったのだが、それを「採用する」ことを決めたということであり、それを採用することが活路を拓くことに繋がると、自分自身が「納得」したからだ。

「腑に落ちる」という言葉があるが、人間は「知識」として知っていても、それを「納得(腑に落ちる)」できない限り、何かに向かって進んだり、意志決定をすることは出来ないということだろう。事実として、半信半疑でやっていることでうまく行くことはない。

さて、僕自身は腹を括ったつもりでいたが、それでも、なかなか思うようには行かなかった。

ひとつは、売上が思うように上がらなかったこと。もうひとつは、将来的に目指す方向性を「具体的」に落とし込めなかったこと。三つ目は、社内の「一体感」を醸成できなかったこと。

そのいずれも、もちろん、責任は僕にある。

では、どうやって、それらを解決してきたか?

僕なりに四苦八苦、試行錯誤しながらやってきたことは・・・、

まずは、自分自身の頭でとことん考えること。

自分の考えを言葉を尽くして説明すること。

自分が正しいと信じたことは、一時的に軋轢が生まれたとしても、それを推進することを躊躇しないこと(嫌われることを善しとすること)。

社内のスタッフとより多くの「会話」をし、相手を理解すること。

相手の「良いところ」を探し出し、そのことだけに目を向けること。

自分が出来ないこと、出来たとしても下手で時間がかかることを、自分よりもスピーディに優れた仕事をするスタッフがいるのであれば、躊躇せず、任せること。

夢物語ではなく、現実的に「数値」を使って考えること。

・・・などだろうか。

売上に関しては、まだまだ満足のいくレベルには程遠いが、下期からはだいぶ数字があがるようになった。

それよりも大きな収穫だったことは、どういうフォーメーションで仕事をすれば効率的に業務を運営できるか、つまり、オペレーションシステムが格段にレベルアップしてきたことだ。来期に向けて、期待できる。

そして、ドリームビジョンの「将来像」に関しては、僕自身が改めて腹を括り直し、今の「経営資源」でできることから着手しようと考えを変えたことにより、実際に最初の一歩を踏み出すことができた。

いつも言っている「Given Means」である。

しかし、今回の「Given Means」は、今までのそれとは大きく異なっていると思っている。

それは、自分たちが「目指す将来像=Given Goals」を設定した上で、今の自分たちが持っている「経営資源=Given Means」で何を始めるべきかを考えて、実際にボール(選んだ選択肢)を蹴ったという意味である。

数年後に振り返った時、今年の決断が功を奏したと思えるよう、頑張ろう。

また、もうひとつ学んだことがある。

それは、「知識」と「実践」の間には大きな隔たりがあるということだ。

「Given Means」と「Given Goals」の関係は、ある論文を読んだ時点で知識としては理解していたし、ゲストとして呼ばれたMBAの講義等で話しをしてきたが、実際に自分の行動に取り込むまでには「約3年」の時間を要した。

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」。

リクルートの社是は素晴らしい。

追伸:マクロミルの柴田さん(リクルート出身)が「僕たちもそうですけど、(リクルートが凄いと思うのは)みんなリクルートが大好きなんですよね」と言っていた。リクルートに何かあったら、マクロミルの仕事を差し置いてでも何かをしそうな雰囲気さえ漂っていた(笑)。そういう会社を創れたら素晴らしいと思う。