「若者の4割」は日本の未来に「悲観的」。

子供の具合がだいぶ良くなったと思ったら、昨晩から、今度は妻が発熱した。先程、熱を測ったら、39度を超えていたようだ。

おまけに僕まで喉が痛くなった。先日の「ノロウイルス?」騒動を思い出し、何とも嫌な感じである。

さて、そんなことで、この3連休はおとなしくしているしかないのだが、妻は大学院の関係でどうしても休めない用事があり、冷たい雨が降っていたので、子供を保育園に預けた後、大学院までクルマで送っていった。

大学の近くで彼女を待つ間、コインパーキングにクルマを駐め、久しぶりに、昔ながらの「喫茶店」に入った。まだ、朝10:30過ぎだったので、僕以外にお客さんは誰もいない。

店内には、お店のオーナー(夫人)と思われる女性の他に、アルバイトらしき日本人の女性と、日本語のアクセントから外国人(アジア人)と分かる若い女性がいた。妻が通っている大学の留学生だろうか?

さて、メニューを開き、そのお店のオリジナルブレンドの中で最も美味しいと勧められたコーヒーを注文した。

実際に飲んでみると、たしかに美味しい。スタバやドトールのコーヒーとは格段に違う。「700円」もしたが、その価値はあったと思う。

妻の用事が終わるまでの1時間ちょっとの間、僕は読めなかった新聞を数日分まとめて読んでいた。こうしてゆっくりと新聞を読むのは久しぶりだった。

その中で、特に気になった記事は3つ。

「YEN漂流 私はこう見る」での「マネックス松本さん」へのインタビュー、
「三菱商事と三井物産」の収益構造の比較分析、
そして、コマツ社長の野路国夫氏の「もう円には頼まない」だ。

その他では、任天堂の岩田聡社長、楽天の三木谷さんの各インタビュー記事、トヨタ自動車の「国・地域別」営業利益構造、寡占化する百貨店業界に関する記事、そして、ソフトバンクの孫さんへのインタビュー記事等が目に留まった。

そこから共通することは、今のままで行ったら、間違いなく、10年後20年後の日本は、どこにでもある「普通の国」になるだろうということだ。

それが現実になれば、おそらく、「G7(先進国首脳サミット)」にはお呼びが掛からなくなるだろう。

もっとも、「世論」も株価同様に「センチメント(心理状況)」の影響を強く受けるものであり、昨年末、特に、年明けからその傾向を強めている新聞やテレビの「悲観論」のバイアスはあると思うが、2050年(僕の子供が、ちょうど今の僕の年齢になる!!)には「中国のGDPが45兆ドル」となり、日本の「7倍以上」になるという予測数値から考えれば、今のままでは地盤沈下は避けられないのは議論の余地はないだろう。

そのことを「直感的」に察知してか、今年成人する人たちに対するアンケート調査では、約4割の人が「日本の将来は暗い」として、自分の親の世代よりも、自分たちの世代は貧しくなるだろうと答えているらしい。

また、「残業」はせず「家庭や友人との付き合い」を大切にすると回答した人の割合が「7割?」とか・・・。

子供を持った僕としては、その考えは理解できなくはないが、20才の人間が・・・と思うと何とも憂いたくなる。それこそ直感的に、一生懸命に働いても報われないと諦めているのだろう。

では、彼・彼女たちを責めれば済む問題なのか?そうではないだろう。

GDPの額を遥かに超える「財政赤字」があるにも係らず、更に「赤字国債」を出す人たちの考えが、僕には全く理解できない。

現実をつぶさに語ることにより「票(職)を失う」ことを恐れて、リスクを先送りしているとしか、僕には思えない。

彼岸の国アメリカでは、大統領選が熱さを増しているが、クリントン氏が大統領だった頃、彼は「国民の人気取り」に終始するのではなく、徹底して「財政赤字の削減」に取り組み、あくまでも長期的な繁栄に「コミット」したという。

議会(上院)との凄まじい戦いの結果、「予算案」を「僅か1票差」で通したそうだが、その「1票」は、当時、副大統領だった「アル・ゴア氏」が、議長として「最後に投じた1票」だったというから何ともドラマチックな話しである。

日本で言えば、小泉前首相が「衆議院を解散」してまで「郵政民営化」を成し遂げたわけだが、そのぐらいの「信念と気概」を持たないと、大事は成し遂げられないし、この国は変わらないということだろう。

アジア外交に関する言動等、小泉さんに関する批判は多々あるし、僕も「ここはどうか?」と思うところはあるが、それでも、あれ程の信念で政治にあたった政治家は、近年では小泉さん以外にはいないだろう。

そんな日本の現状を思うと、電車の中刷りで見かける「ファッション雑誌」の「見出し」に、僕は何とも情けないものを感じる。

子供ができたことが大きく影響していると思うが、彼らが大人になった時、日本が住みやすい国であるためにはどうすればいいか?を真剣に考えるようになった。

こうして、ブログで問題提起をしているだけでは何も変わりはしないわけで、とても小さなことかもしれないが、僕に出来ることを「事業」としてやっていこうと思う。

追伸:今週金曜日(昨晩)、今では「親友」となった伊藤忠商事の庄司さん(ロシアに駐在中)と久しぶりに会ったが、彼の「昼飯を380円で食えるのは『TOKYO』だけだよ。モスクワ(現時点で世界一物価が高いと言ってもいいらしい)だけでなく、ロンドンでも、パリでもあり得ないよ。(日本は)発展途上国(と同レベル)に成り下がったということだよ」の発言に、リアリティを感じた。さて、それを踏まえてどうするか?である。