「Made in Japan」は「ロシア」でも人気!!

多くの方々が、それぞれに、今年の抱負を胸に秘めながら、今日から仕事始めのことと思う。

そういう僕は、昨年後半からのドタバタと年末に強行軍でのロシア出張、そして、帰省というハードスケジュールで身体を酷使したせいか、体調を崩し、極めてスローなスタートを切った。

神様が「気持ちは別として、身体はもうそんなに若くはないのだから、あまり無理をしないように!!」と警告を発してくれたのだろう。

ところで、今日から、お正月休みを頂いていた「ロシア事情」に関するエントリーを再開し、何本か書くことにする。

今日のエントリーのタイトルにも書いたとおり、Made in Japan はロシアでもかなり人気である。

家電製品であれば、SONY、Panasonic、SHARP、TOSHIBA、 HITACHI等。
クルマであれば、TOYOTA、LEXUS、HONDA、HISSAN、MAZDA、MITSUBISHI、SUZUKI等。

分かりやすくいうと、一般庶民は「ロシア製」のものを買い、そこそこ購買力がある層になると「韓国製」を買い、裕福な人々になると「日本製」を買う。そして、超裕福=いわゆる「富裕層」になると、クルマは「ドイツ製」という構造になっている。

さて、そのMade in Japan、最初から好調だったのか?というと、そうでもない。

クルマも家電製品も、ソビエト時代からロシアに輸出されているが、当時は「市場」という概念も機能もなく、当然のことながら、市場調査(Market Research)の機能はなく、いきなり「販売」したというのが実情のようだ。

因みに、ロシアでの「市場調査(Market Research)」という機能は、2,000年頃から始まっているが、今回の訪露では、日本製品の市場導入に際するケースとして、非常に興味深い話を聞くことができた。

SONYとPanasonicは、ロシアにおいても「プレミアム・ブランド」として認知されている。

また、同じプレミアム・ブランドでも、「SONY=オーディオ」「Panasonic=ビデオ、テレビ」というパーセプション(認識)の違い(現在)があるようである。

その「Panasonic」であるが、「プラズマTV」の発売当初、かなりの苦戦を強いられたと聞く。

自社のテレビが思うように売れず、Panasonic(当時の松下電器産業)は、その「理由」を判明すべく、以下の3つの調査を実施した。

1. マスメディア調査:
・すべてのマスメディアで、Panasonicに関して何が語られているか?日本でいうメディアオーディット。

2. インターネット上の「口コミ」調査:
・ロシアでは、かなり「ブログ」が盛り上がっており、ネットユーザーの半数以上が何らかの形でブログを書いているとも言われている。また、ソーシャルメディアという概念も、メディア・広告・ネット関連セクター従事者には浸透しており、日本でいうF1層へのリーチメディアとしては、ネットが重要視されている。
・この点(ロシアにおけるソーシャルメディア)については、今後のエントリーにて解説したい。

3. 流通調査:
・70店舗強の販売店を訪問調査し、薄型テレビの売れ行き、および、消費者のブランド評価、選択基準等をヒアリングしたとのこと。

上記調査の結果、当時のロシアには「プラズマ=1年後には照度が劣化してしまう」という認識(誤解)があり、「LCD(液晶)」の方が「先進的」という認識があったことが判明したという。

そして、それを解決するために、以下の4つを実施したそうだ。

1.「3万時間保証」という「ラベルを貼る」。

2.「北野武」をキャラクターに起用。彼は、ロシア国民に絶大な人気を誇る。

3.「プレミアム価格」に変更(要するに、値上げ)。ロシア人はエントリー商品から入るが、プレミアム商品に買い替える傾向が強い。例:クルマ、携帯電話

4.「流通政策」を変更。プラズマに関する商品説明を、専門知識がない人にも理解できる内容に変更。
→ 同様に、マスメディアに対する情報発信の内容も、上記同様に分かり易いものに変更。尚、ネット上のフォーラムにも積極的に情報提供を行った。

まさしく、マーケティングの4Pである。

結果として、2007年→2008年(最初の6ヶ月)の販売台数が、対前年比「14%増」!!

「なるほど・・・」と思ったと同時に、ロシアは、この10年間で急速に「欧米流マーケティング」を実践してきていることを実感。

一方、そのような「スキル」を持った人材は極めて限られており、採用には苦労をしている様子。殆どが「コネ採用」らしい。

次回は、ロシアにおける「メディア・広告」業界について解説します。

乞うご期待!!