「1兆円」規模の「ロシア広告市場」。

今回のロシア出張では、欧米系の著名広告代理店(ロシアでいうPRエージェンシー)の方々とお会いする機会があった。

お会いしたのは、新規クライアント開拓責任者、戦略プランニング局長およびディレクター並びにそのメンバー等。

初めての訪問にも関わらず、このようなタイトルの方々と人数で出迎えてくれたのは、偏に、現地の友人のお陰である。この場を借りて、お礼を申し上げたい。

さて、タイトルにあるとおり、いよいよ大台の「1兆円」規模となったロシアの広告ビジネスであるが、お会いしたPRエージェンシーの方が言うには、ロシアの広告市場は「新聞/雑誌」「テレビ/ラジオ」「ビルボード(屋外広告→確かに、日本と較べて非常に多いし、機能している。)」が「メジャー媒体」とのこと。

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★英国高級車「ジャガー」の「屋外バナー広告」。

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★こちらは、昨年5月に訪露(モスクワ)した際に見掛けた屋外広告(SAMSUNG)。

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★こちらは、昨年5月に訪露(サンクトペテルブルグ)した際に見掛けた屋外広告(Range Rover)。

「新聞/雑誌」は7~8社の持株会社、テレビの広告枠は、ビデオインターナショナルの寡占、ラジオはハウスエージェンシーが多く、ビルボードは3大メジャープレーヤーによって経営されている。

いずれのメディアの広告スペースも「大手」が保有しており、小規模の広告関連プレーヤーは、大手と組まざるを得ない構造になっていて、この点は、日本と同じと思われる。

尚、伸張著しいインターネット広告市場は、統計データが整備されておらず、その規模は誰も分からないとのこと。

話を聞いた彼の推測では、「1~2億ドル(約100~200億円)」。つまり、広告市場のまだ「1~2%」に過ぎない。

因みに、この「1~2%」という数字は、市場調査市場に占める「インターネットリサーチのシェア」と同じ(市場調査会社とのMTGより)。

インターネットリサーチが普及していない理由は、1. 初期投資が大きい。2. 需要がまだあまりない。→ 需要があまりない理由は信頼性が低い。

では、あと何年ぐらいすれば、定量調査において「インターネットリサーチ」が主流になると思うか?という質問に対しては、複数の調査会社が「4~5年後」と回答している。

僕がインターネットリサーチを始めた頃(1990代後半)の日本の状況と酷似している。

であれば、マジメな話、ロシアで、インターネットリサーチ事業を興そうか!?

ところで、MTGの際に、自己紹介をしたところ、なんと「インタースコープを知っている」とのこと!!

僕が「えっ?」と思い、聞き返したところ、「Yes, I know, because it’s a famous company.」という返事が返ってきた。

これには、さすがに僕も驚いた。とても名誉なことである。

さて、話を広告関連に戻すと、ロシアの広告スポンサーとして出稿予算(規模)が大きい業界は、

1. 家電(ケイタイを含む)
2. 化粧品(トイレタリーを含む)
3. 食品(お菓子、エナジャイザー=ポカリスエットのような飲み物、低アルコール飲料を含む)
4. クルマ(殆どが日本車を含む外国車)
5. 子供用品
6. 金融サービス(特に、ここ最近)

とのこと。

上記の業界には、日本企業も多数含まれており、その「予算獲得」を目指して、電通、博報堂も進出している。

電通は、ビデオインターナショナルの子会社(スマート・コミュニケーションズ)を買収。
博報堂は、100%出資子会社を設立。

広告業界ではないが、野村総研も進出済み。

「100年に一度の経済危機」と言われている今日だからこそ、そこでリスクを取って果敢に攻めた者が勝機を得る。

僕も頑張る。