人は何故、「つぶやく」のか?

Twitterウイルスに冒されたせいか?昨夜半から喉が痛くなり、微熱がある。

ところで、「マズローの5段階欲求説」はご存知の方が多いと思うが、実は「6段階目」があったという話を山川さんから聞いた。

僕は20代の頃、米国の社会心理学者であるヤンケロビッチ博士が世界で初めて開発した、「人間の価値観を定量化(数値化)」する手法を日本で展開していたODSというコンサルティング会社にいたこともあり、このようなテーマにはとても興味がある。

ところで、この「6段階目」の話、フォートラベルの野田さんも知っていた。

マズローはユダヤ系ロシア人の移民の子供だったため、「6段階目の欲求=コミュニティ(共同体)発展欲求(Need for Community Development)。自己実現した個人は、所属する共同体全体の発展を欲求する」という主張をすることは、冷戦下の米国で共産主義者のレッテルを貼られるリスクがあったため、自説を封印したらしい(という説があるそうだ)。

知らなかったのは、僕だけか?

実は、ここへきて炸裂中のTwitter。この「コミュニケーション発展欲求」を満たすための、極めて優れたツールである。

常に、誰かと繋がっていたい。自分と価値観や興味・関心領域が合う人間のネットワークを築きたい。

人間には、そういう欲求がある。

「つぶやき」のTimelineを読めば、その人がどんな人かよく分かるし、自分が気に入った相手を「フォロー」でき、価値あるつぶやきを発することができれば多数の人から「フォローされる」という機能が、「自分と価値観や興味・関心領域が合う人間のネットワーク」を構築する上で、とてもよく機能していると思う。

人間社会がプリミティブだった頃は、農村や職人の世界や地域社会が「コミュニティ」の役割を担い、工業化社会以降は「職場(企業)」が「コミュニティ」の機能を代替してきたが、ドラッガーの言う「知識労働者」が増えるに伴い「職場(企業)」への帰属意識が希薄になりコミュニティとして機能しなくなってきた今日、「組織(企業・公的機関等)」に依存しない「コミュニティ」が求められていることが、Twitterの爆発的普及を促進したと考えている。

また、人間関係は、常に「ダイナミック(動的)」に変化することから、誰をフォローしてもフォローを解除しても構わないTwitterは、我々現代人にとって極めて親和性が高い。

その点、SNSは、フレキシビリティに欠けるとも言え、Twitterの普及が脅威に映る理由でもある。

尚、別の視点で見れば、アバター等を使ったゲームも、ゲームという「共通のテーマ」を媒介として「コミュニケーション欲求」を満たしているからこそ、支持されていると言える。