「経営判断」と「顧客満足」。

昨日は、甥の結婚式で上京してきていた母親を迎えに行き、末弟家族も合流し、白金台の「八芳園」で昼食を食べた。

この暑さは「想定の範囲外」だっただろうが、何組ものカップルが挙式をしていたようで、都心とは思えない「素晴らしい庭園」には、入れ替わり立ち替わり、新郎新婦と親族の姿が見られた。

その素晴らしい庭園を見下ろせる日本食レストランで食事をするはずだったのだが、僕たち「8人」の予約が入っていない・・・という、お店側の手違いがあった。

代替案として、洋食のレストランに席を確保していただいたが、それなら、隣のRadison都ホテルの日本食レストランに行った方がいいと思い、お店の方に確認してもらったところ、生憎、満席。

どうしたものか・・・と思案していたら、支配人の方が、ブログにその内容を書くのは憚られるほど、とても粋な計らいをして下さった。

結果的には、素晴らしい庭園も満喫でき、美味しい食事も堪能することができた。

母は、あまりに申し訳なく思ったようで、我々のお土産に持ってきていたお菓子を、支配人の方に渡していた。

僕の妻は、八芳園から程ない高輪台で生まれ育ったこともあり、そのレストランには幾度となく来ており、僕も、どうせ食事をするなら素晴らしい庭園が堪能できた方がよいということで、久しぶりに誰かと会う時や法事の後などに、しばしば利用させていただいている。

僕たちの様子や会話から、そのことを察し、リピート顧客を失ってはいけないという経営判断だったのだと思うが、人間は、自分の想定(期待値)を上回る対応(サプライズ)によって、相手に対する信頼や好感度を強固なものにしていくのだろう。

ところで、その支配人の方と末弟の会話を聞いていて知ったことだが、八芳園は、明治の末期には「渋沢喜作」が所有し、第一次大戦後、一躍、新興財閥に仲間入りした日立製作所の創業者「久原房之助」が購入し、現在に至っているらしい。

詳しくは、ウェブサイトの「八芳園の歴史」を参照されたし。

さて、大きなミスを禍根として残してしまうか(リピート顧客を失うか)、こうして、頼まれたわけでもないのにブログで紹介することになるか(さらにファンにしてしまうか)、経営判断とはそういうことなのだろう。

とても勉強になった昼食だった。