「ブランド」。

先程のIVSに関するエントリーで書き損ねたが、現在は慶応大学の教授をされている元NTTドコモの夏野さんの話は、いつもどおり、歯に衣着せぬ内容と話しっぷりで、面白かった。

彼の話しを聞いていて僕が受け取ったメッセージは、その内容よりも、彼の「存在感」そのものにある。

「夏野さん=iモード(or NTTドコモ or ケイタイビジネス)」という認識が、世の人たちの中に「強烈」に印象付けられているだろう。

いわゆる「ブランド」としての「価値」がある。

先程のエントリーで、椿さんの話を引き合いに出して「自分の強みは何か?」ということを書いたが、とにかく、まずは、「自分=○○」という「記号性&意味性」の一致を構築することが「成功の必須要件」だということを、夏野さんの話を聞いていて再認識されられた。

因みに、空港で「白い恋人」をお土産に買った。

不祥事は起こしたものの、やはり、「ブランド」を築いた会社は商品は強い。

追伸:iモードと言えば「松永真理さん」という構図の方もいるのではないだろうか?実は僕も、最初はそうだった。「iモード事件」は、それほどセンセーショナルな著作だった。その後、「iモード=夏野さん」と言う構図になったのは、彼のプレゼンテーション能力のせいなのか?それとも、松永さんがNTTドコモを離れ、バンダイの社外取締役に就任したせいなのか?会社で言えば、創業者、中興の祖、再建役など、色々な局面で様々な人が必要となる。自分が、どの局面(ステージ)で、その能力を発揮できる人なのか?ということも大切ということでしょう。

「大塚製薬」。

僕が20代の頃、「大塚製薬」の「ポカリスエット」と「カロリーメイト」には、とてもお世話になった。

今日は「大塚製薬」が数年前に発売した「SOYJOY」について書いてみたい。

「大塚製薬」は、その名のとおり、製薬メーカーであるが、その技術力、商品開発力を活かして、「消費者向け商品」も作っている。

また、彼らの「消費者向け商品」は、とても画期的でユニークであり、「市場」自体を創造してしまうことが多い。

因みに、彼らの売上(2008年3月期:単体)は、4,133億円。約2/3が「医薬関連事業」、約1/3が「消費者関連事業」で構成されている。

ところで、僕は昨日、免許更新に向かう途中のコンビニで「SOYJOY」を買った。

その際に、職業的関心も手伝い、「SOYJOY」の隣に並んでいた「デスクの朝食(明治製菓)」と「ライトミール 大豆バー(イオン)」も買ってみた。

「デスクの朝食」の食感は、どちらかというと「カロリーメイト」に似たものがあり、「大豆バー」の方が、食感も見た目もパッケージも「SOYJOY」に近かった。

しかし、「ブランドバイアス」の影響があるとしても、やはり、大塚製薬の「SOYJOY」に一日の長があるように感じた。

また、「カロリーメイト」は、チーズ味・フルーツ味・コーヒー味等のフレーバーがついているものの、「5大栄養素」を手軽に摂れる食品にしました、というコンセプトのとおり、どうしても、人工的というか、普通の食品とは違った形状と味がした(する)が、「SOYJOY」は「大豆」を使い、「低GI食品(等質の吸収が穏やかで太りにくい)」という機能もさることながら、それを抜きにしても、食べ物として純粋に「美味しい」のが素晴らしい。

大塚製薬の「消費者向け」食品事業は更なるレベルアップをしたということだろう。

僕は「SOYJOY」「デスクの朝食」「ライトミール 大豆バー」を食べ較べてみて、「どうして、大塚製薬という企業は、こうして、次々と『新しい市場』を開拓でき、ヒット商品を育成できるのだろう?」と考えた。

その答えは、大塚製薬の「企業文化」にあるように思う。

「創業者」がいなくなっても、「経営者」が代わっても、確固とした「企業文化」が根付いていれば、大塚製薬のように、自ら新しい市場を開拓し、ヒット商品を連発し続けられる確率が高まるのだろう。

では、大塚製薬は、どのようにして、そのような「企業文化」を醸成し、維持しているのだろうか?

とても興味深い。

プレミアムモルツ V.S. エビスビール

「政治と経済」は混迷し、一方、それを吹き飛ばすかのような「WBC」2連覇に沸く昨今の日本社会において、また、僕のブログの傾向からも、ちょっと唐突感のあるエントリーだが、暫く前から気になっていたことなので書いてみることにした。

「モルツ」は、僕が大学生の頃、「麦芽100%」が売り物で、クリアなイメージのブランドとして登場した。「プレミアムモルツ」は、文字どおり、モルツの「プレミアム版」である。

一方の「エビス」は「100年以上(1887年誕生)」の歴史を誇る「老舗ブランド」で、やはり、「麦芽100%」のビールである。

但し、最近は「新興勢力」の「プレミアムモルツ」に勢いに押されて、「エビス」の影が薄くなっているように思う。

両社共に「著名タレント」を起用し「華やかさ」を演出しているが、狙っているポジショニングは、大きく異なる。

「永ちゃん」こと矢沢永吉の「ホンモノ感」とモンドセレクション「金賞受賞」という「ファクト(事実)」により、圧倒的な存在感を発揮する「プレミアムモルツ」に対し、「エビス」は、20年近く前に一世を風靡した「小泉今日子」(ターゲットが彼女を支持する世代なのだろう)と玄人受けする映画俳優「浅野忠信」や元YMOの「高橋幸宏」を起用し「クオリティ感」を出そうとしているのだろうが、ブランドとしての「エネルギー(存在感)」という意味では、「プレミアムモルツ」の方が高いように思う。

ひと言で表せば、「プレミアムモルツ=モダン」に対して、「エビス=ゆったりした時間」といったブランドバリューの違いが感じられる。

商品の歴史的背景やコンセプト、また、企業文化等を考えると、「エビス」が「プレミアムモルツ」のような戦略を採るのは現実的ではないが、もうちょっと違った戦略で、「エビス」の良さを生かし、歴史や伝統を損なわずに「華やかさ」や「洗練された」感じを出すことは、出来るように思う。

ただ、キリンの「ラガー」と「一番絞り」の関係に見られるのと同じ問題が、この両ブランドにも垣間見れる気がする。

「ビール」と聞いて相応しいシーンは?その時の「擬態語」は?といった調査をすると、「ワイワイ」「ガヤガヤ」といった「動的」なイメージがマジョリティを占める(随分前の話なので、今はひょっとしたら違うかもしれない)。

「しっとり」とか「ゆったり」といった「静的」なイメージも出てはくるが、どうしてもマジョリティは「みんなで楽しく」といった「動的」なイメージなのである。

何を言いたいかというと、約20年前、キリンが「一番絞り」を出した時、名優「緒形 拳」をキャラクターに起用し、炉端で串に刺した魚を焼き、一番絞りと一緒に「美味しそう」に飲む、シズル感たっぷりのテレビCMを放映し、素晴らしい成功(売上)を収めたが、欲張って更なる売上とシェアを狙い、「品質感」ではなく、ラガーのような「メジャー感」を狙って「路線(訴求内容)」を変えたところ、「ラガー」と「一番絞り」の差は何?という感じになってしまった時期があったということである。

数字は覚えていないが、売上も伸び悩んだと記憶している。

つまり、その商品のコンセプトなり「ブランド資産」に合わないことをやっても上手く行かない、ということだ。

因みに、人間も同じである。

自分自身のことでも、痛い経験がある。自分には適性のないことをして、たくさんの人達に迷惑をかけた。自分に出来ることとして、その「失敗」から「学びたい」と思う。

さて、話を「プレミアムモルツ」V.S.「エビスビール」に戻すと、エビスはプレミアムモルツと同じような戦略を採ることは難しいが、商品自体が持っているポテンシャルは、まだまだあるように思う。

ところで、ビール系大手4社の業績や関連数値でおもしろいものを発見した。

「売上」「利益」「資産」といった項目では、「キリン」「アサヒ」が拮抗し、「サントリー」「サッポロ」という順番になるのだが、従業員の「勤続年数」となると、なぜか、「サッポロビール」が「首位」になる。

つまり、人が「辞めない」ということだ。

そのこと自体は良いことなのだが、おそらく、欠員が出ない=新しい人(転職者)も少なく、「人的資産(知識やノウハウ)」の「新陳代謝」が進みにくい(活性化しにくい)ということが危惧される。

因みに、「年収」の順位でみると、「サントリー」はアサヒを抜いて「2位」に浮上。「サッポロ(HD)」は「4位」。首位の「キリン(980万円)」と比較して、「162万円」ほど少ない。

このあたりにも、「動」と「静」の違いや「ブランド資産」の「レバレッジ係数(僕が勝手につくった言葉)」の違いがあるように思うのは、僕だけだろうか。

サッポロHDの営業利益に占める恵比寿ガーデンプレイス等の「不動産事業」の比率が「74%(2006年度)」というのも、何をかいわんやである。

でも、僕は「エビスビール」のファンである。そして、「プレミアムモルツ」のファンでも。

日産ギャラリー

たまたま銀座でアポがあり、そう言えば、新しい「フェアレディZ」が発売になったことを思い出し、日産ギャラリーで待ち合わせをした。

true-Fairlady_Z

ギャラリーの中は、昨今の金融危機のせいか、いまひとつ、活気が無かったように感じた。

でも、こういう時こそ、「フェアレディZ」のように疾走する人が増えて欲しい。

そういう僕自身も含めて。

★ラフォーレ原宿

先日、タクシーの中でたまたま耳にした曲(CD)を買おうと思い、ラフォーレ原宿に寄った。

地下に「HMV」があったはずだと思い行ってみると、フロアの一角に、いかにも原宿らしいヘビメタちっくなCDを売っている店があるだけで、HMVは跡形も無く消えていた。

いつ、HMVが無くなったのかは知らないが、原宿のデモグラフィクス(属性)が変わったことと、iTunes等の出現で、CD需要が減ったことが撤退の理由だろう。

昨夜の六本木もそうだが、常に世の中は変化している。人もお店も街全体も・・・。

「エビちゃん」限界説。

トップモデルの代名詞として語られて来た「エビちゃん」こと蛯原友里さんだが、その座が危ういのではないか?という噂?があるらしい。

長年に渡って表紙を飾ってきた「CanCam」の表紙から姿を消したことが、話題を読んでいるようだ。

ウェブ上のある記事によると、CanCamの読者層(20代前半)と彼女の年齢(27才)にギャップが発生してきており、「若返り」を図ったことによるものではないかということだ。

「花の命は短くて」ということだろうか?

ところで、世の中には、何事にも「旬」というものがある。これは、ビジネスモデルや起業家にも当てはまる事実である。

本当に実力があり、長い間、活躍できる人(も商品も企業も)というのは、その時々において、自分の商品価値を「リポジショニング」できる。これは間違いない。

僕は実際のところは知らないが、エビちゃんと同い年の「押切もえ」さんは、NHKの語学番組「英語でしゃべらナイト」にレギュラー出演するなど、「転身」に成功されつつあるとか。僕はふたりともあまり好きではないけど・・・。

「若さ」と「美貌」だけでいつまでも活躍するのは困難だということだろう。

ビジネスマンも同じである。若さと勢いだけでは当然、限界がある。

真の実力を身につけることが必要である。

南米エクアドルの「田辺農園」。

以前のエントリーで紹介した「エクアドル 田辺農園」のバナナが、また、我が家に登場した。

「どこで買ったの?」と妻に聞いたところ、恵比寿の駅ビル(アトレ)に入っている「成城石井(スーパー)」で買ったとのこと。

一房、300円ぐらいするらしく、普通のバナナよりもかなり高い。でも、確かにおいしい。甘さが濃密である。

時代の変化の中でコモディティとなったバナナの製造販売における、小さな、でも、心に響く「マーケティング・イノベーション」である。