「批評は易く、行うは難し」。

経営者に求められる仕事で、最も重要なものは「意思決定」だろう。

誰でも分かるようなものは別として、経営的判断を求められるものに、唯一絶対の解はない。

というか、そもそも、誰にでも「意思決定」できるようなものであれば、それは経営者の仕事ではないとも言える。

そもそも、ビジネスには「絶対」という「保証はない」。

どんなに事前に調査分析をしても、論理的に考えても、リスクは付きものだ。

「合理は語れない。不合理はストーリーになる」と東大の元教授である片平先生(現在は、名誉教授だったと記憶している)がおっしゃる所以である。

失敗すれば叩かれ、成功すれば賞賛される。でも、次の勝負で失敗すれば、手のひらを返したように叩かれる。

「批評は易く、行うは難し」である。

経営者には「信念」が必要と言われる所以でもある。

難易度は高いし、プレッシャーもかかるし、ストレスも溜まるが、それが経営者としての仕事の醍醐味でもある。

遅まきながら、そんなことを考える今日この頃である。

指示系統

ロシアから帰ってきて、2回目の週末。

帰国後、最初の週末は、土曜日はゴルフで、日曜日は子供を連れて駒沢公園に行ったりしたので、今週末は、久しぶりに「スローな週末」だ。

アクティブにしていないと落ち着かない性分ではあるが、やはり、たまには、ゆっくりと過ごす時間を持つことが大切である。考えることは結局、仕事のことだが、特に予定に追われているわけではないので、じっくりと、深く考えることができる。

今日は、15:30から投資先のイミオでの経営会議があるが、それまでは、身体と頭と心を休めよう。

ところで、今朝、妻を職場に送って行った帰り道、特に当てもなく、都内をドライブしながら、仕事のことを考えた。

色々なことを考えたが、その中のひとつは、組織の在り方のことだった。

組織では、しばしば、「指示系統」のことが話題に上る。

「自分を通してくれないと困ります」的なことを言う人がいるが、それは、ナンセンスだと思う。

自分の部下への仕事のリクエストが他の人から来ることを善しとしない理由は、僕は、大きく「2つ」あると思う。

1つ目は、いわゆる「自分の領域」を守ることにより、自分の「権益(権力)」を担保したいという動機である。「官僚的」と称してもいい。

2つ目は、自分の部下が、どの仕事を優先していいか判断できなくなり混乱してしまうのを防ぐ、つまり、「部下」を思ってのことである。

僕は、そもそも、組織論を語れるほど、その手のことを勉強しているわけではないし、むしろ、疎い方だが、インタースコープの頃も今も、自分を通してくれないと・・・と主張することはナンセンスだと思っている。

仕事の「指示系統」を一本化する必要性は、指示を受ける側の人間の「判断能力と業務処理能力」によると思う。

つまり、指示を受ける人間が、様々な仕事の「優先順位」を自分で判断でき、処理能力が高いのであれば、何も問題はないのである(そこまでの能力がない場合は、指示系統の一本化が必要である)。

それを、前者の理由により、自分を通してくれと主張する人間には、僕は、部下をつけようとは思わない。

組織が「膠着する」からだ。

ところで、新宿西口のある交差点で、60才前後と思われる男性が運転する「マセラッティ・クワトロポルテ」と並んだ。

「権威」を主張する「メルセデス・ベンツS550」よりも、僕は「ピニン・ファリーナ」デザインによるイタリアのセンスを感じる「マセラッティ」の方が好きだ。

生きているうちに一度は乗れるよう、頑張ろう。

★ミツバチに学ぶ「調和」の大切さ

今日のタイトルは、数日前の日経新聞に載っていたハートフォード生命保険会長のグレゴリー・ボイコ氏のコラムのタイトルである。

彼は長年、趣味で「養蜂」を楽しんでいるらしいが、ハチの巣ではすべてのハチが役割を担い、巣全体の利益のために貢献するという。

具体的には、女王バチや働きバチはもちろん、年老いて飛べなくなったハチも、巣の清掃や幼虫の世話など、重要な責任を負っている。全員が力を合わせ大量のミツを集め、広範囲に渡り受粉を行う。

このコラムを読んで、僕は子供の頃を思い出した。

僕の家族は、俗に言う「大家族」で、三世代が同居していた。

父の両親(祖父母)、両親、父の妹(叔母)がふたり、そして、僕たち3人兄弟。

最も多い時は、9人が一つ屋根の下で暮らしていた。

話しは何年も飛ぶが、両親(産みの両親)が亡くなり、祖父母も亡くなったある時、今の母がこんなことを言���た。

「お祖父さんがいなくなって、庭の草は生え放題。今更ながら、お祖父さんは大した仕事をしていたことが分かったよ」。

僕たちの母親(産みの母親)は、教師をしており、ずっと働いていた。

それが可能だったのは、祖父母がいたからだ。

夕食はいつも、祖母が作っていたし、家に帰れば、祖母が作ってくれたおやつがあった。

親父の妹ふたり(僕たちにとっては叔母)には、色々な遊びや勉強を教わったりした。ベンチャーズも、叔母から教わった。

古い話しなので、30代以下の方には??だろうが、一時期、日本中で流行ったテレビドラマの「寺内貫太郎一家」のような家族だった。

あのドラマ同様に、とても温かい家庭だった。

そして、僕が生まれ育った土地(&時代)には、そのような家族がたくさんあった。その後、僕たち世代は「新人類」と呼ばれたりしたが・・・。

因みに、僕の大好きな映画「ゴッドファーザー」では、初代ドンが「家族を大切にしない奴(男)は大成しない」と言いきっていた。

家族はもちろん、会社も同じだろう。

会社は「利益」をあげることを「目的」とした集団であることに疑いの余地はないが、それ以外の「何かを共有しているか?(できるか?)」否かが、その組織の「強さ」と「幸せ度」を決めるように思う。

尚、グレゴリー・ボイコ氏(おそらくアメリカ人)は、「ミツバチの羽音を耳にし、『日本で学んだ調和の大切さ』を改めて思い起こす日々を迎えている」と締め括っている。

「会社を替えても、あなたは変わらない」。

先日、あるネット系ベンチャー企業の勉強会で講演をさせて頂く機会を頂戴した。

どのようなことを話せばよいのか?僕は事前にその会社を訪問させていただき、僕に期待されていることを確認した。

結果は、「とても参考になった:49%」「参考になった:37%」「どちらとも言えない:14%」だった。

約半数の方が「とても参考になった」と答えてくれていると見ることもできるが、見方を変えると、約半数の方にとっては「まあまあ」もしくは「あまり参考にならなかった」ということでもある。

僕の立場としては、起業家としての理念の話しをするべきか?戦略あるいはテクニカルな話しをするべきか?はたまた、キャリアデザイン的な話しをするべきか?そのどこに「フォーカス」を当てるべきか?で苦心した。

フリーアンサー(自由記述)を拝見すると、肯定的なコメントは、起業家なり創業者としての「生き方」や「ビジョン」といったことに関するものが多く、物足りないとするコメントは、より具体的なことを話して欲しかったというものだった。

それはまさしく、僕という人間そのものに対する評価でもあったと思う。

今回の講演で僕が学んだことは、「すべての人のニーズに応えることは出来ない」ということ。

ビジョナリーカンパニー(お恥ずかしい話し、僕はまだ読んだことがないが)で言うところの「誰をバスに乗せるか?」ということだろう。

すべての人の支持を得ようとすると、結局、誰の支持も得られなくなる。

山川さんが先日、「CEO(リーダー)は、『信念』を持つことが必要」だと言っていたが、まさしくそういうことだろう。

はたして、僕には「信念」と呼べるものがあるのだろうか?

ところで、オプトの海老根さんが、「会社を替えても、あなたは変わらない」という本を書いたらしい。

まだ、読んではいないが、本質を捉えていると思う。

人間として成長しているという自信はあるが、インタースコープ時代もドリームビジョンを創業してからも、本質的には、僕は僕のままである。

良いところも、悪いところも。長けているところも、不得意なところも。

他人の人生を生きることはできない。

そのことを踏まえて、今後の意志決定をしようと思う。

すべて「二律背反」である。

夢があって堅実。大胆で慎重。自信があり謙虚。すべて二律背反である。

そんな人間っているのか?そんなことを完璧にできる人間はいない。

しかし、その「二律背反」こそが経営者に求められる資質である。

元ソニーCEOの出井さんが主催されている勉強会のゲストでいらしていた、コンサルティングファームからampm社長に転じた相澤さんが仰っていたことだ。

ということは、経営者それぞれが、自分に合った「配分」を大切にすること。

それが、その方の「流儀」であり「美学」ということだ。

自分のやり方を貫くことが大切である。

本質的に何をしたいのか?

「本質的に何をしたいのか?株主へはわかりやすい説明が必要だ」。

日本のネットビジネスの草分けである「ネットエイジ(現ngiグループ)」創業社長の西川さんの後を受け昨年6月、同社の社長になった小池さんに関する日経新聞の記事の中で、元祖ライブドア創業者、元アップルコンピュータ日本代表、現ngiグループ社外取締役の前刀さんのコメントが引用されていた。

まるで、自分のことを言われているような気持ちで幾度となく、その記事を読んだ。

考えてみると、数年前、西川さん、前刀さん、小池さん(年齢順)と僕という、何とも濃いメンバーでゴルフに行ったことがある。

西川さんとは、僕の「40才」の誕生日にゴルフに行ったことを覚えているが、ひょっとしたら、上記のメンバーでのゴルフの時だったのかもしれない。

「本質的に何をしたいのか?」

確かに、前刀さんは、常に物事をシンプルに表現する。

見習いたい。

ラソナ ReDesign

4月1日。僕が社外取締役を務めるラソナと印刷業界の中堅企業である千修との資本・業務提携を発表した。

ラソナは1996年設立以来、一貫してウェブサイトの企画製作、データベース構築等のサービスを提供。2005年からは独自開発のSNSをベースにメディア事業も展開。

しかし、大手企業の顧客開拓では苦戦しており、錚々たる大手企業を顧客に持つもののウェブ関連のソリューション提供力の拡充が急務だった千修との思惑が一致し、資本・業務提携に至った。

先日、社長の岡村に電話で反響を確認したところ、多方面からの問い合わせがあったとのこと。

創業以来の課題だった「営業基盤」を固め、更なるステージへの飛躍を期待したい。