今日は、あるアポで会う方に渡そうと思い、自分の著書(自分でできるネットリサーチ)を買いに行った。
以前にも何度か自分の著書を買ったことがあるが、何となく照れくさいものがある。とは言え、書店の人が僕が著者だと知る由もなく、単なる自意識過剰でしかない(笑)。
ところで、著書を買いに行った本屋で、東洋経済の「Think!」を立ち読みした。
僕が読んだ記事は、マッキンゼー出身の経営コンサルタントの波頭亮さんと、同じくマッキンゼー出身のDeNAの南場さんとの対談。
「ニッポンを構想する」という特集タイトルも手伝い、「読みたいな・・・」と思ったものの、色々とやることがあり、一度はその場を立ち去ろうとしたが、「でも、本当に後で読むだろうか?」と思い直し、所要時間が20~30分であれば、今、読んだ方がいいと判断した。
実際、所要時間、約20分。
定量的に検証したことはないが、「後で・・・」と思ったことで実際に実行に移したことは、そう多くはないと思う。
すべては「今」しかない。
そのことを実感したと共に「実行」した。
たまには、自分で自分を褒めてやろうと思う。
さて、その特集であるが、20分という投資時間を回収して余りある内容だった。
論点は「経営者」に求められるものと「経営コンサルタント」に求められるものは大きく違う、ということ。
具体的には、以下の5つ。
1. 経営コンサルタントに求められるのは「正しい判断」能力だが、経営者に求められるのは「決断力」であり「胆力」である。自分の「決断」が「正しい決断」になるように血みどろの努力をするのが経営者に求められること。
2. 自分の意思決定で会社を潰すかもしれないというプレッシャーを受けながら経営できるコンサルタントはいない。そういうプレッシャーがないから、客観的な提案ができる。
3. 判断基準のすべてにおいてそこそこの評価をつけられる選択肢ではなく、他はすべて「×」でも、ひとつだけ「◎(二重丸)」なものの方がうまく行くことが多い。
4. 「合理的」な判断ではなく、「土下座」してでも提携先の了承を取り付けることが必要な場合がある。しかし、コンサルタントには「土下座をする」という提案をすることはできない。
5. A案とB案は僅差でありA案を選択すると、その直後から予期せぬ問題が発生し、それはA案にとって都合の悪い問題であることが多い。そのことで最も揺らいでいるのは自分であるが、そんな素振りは微塵も見せてはいけない。
上記は、波頭さんの発言と南場さんの発言が混ざっているが、南場さんの発言には、ドリームゲートが運営する「大挑戦者祭」の基調講演で話されていたことが多く含まれていた。
「経営者」に必要な能力は「胆力」ということと、5.で書いたことである。
ところで、僕にとっても最も大きな収穫は、波頭さんがマッキンゼー時代や独立して暫くは、自分では現場目線でのコンサルティングをしていると思っていたが、実はそうではなかったということに気づくまでに、「10年」という時間を要したということだ。
僕は幸運にして(ある方の紹介で)波頭さんと一度だけお目にかかったことがあるが、あの波頭さんでさえ、物事の本質に気づくまで「10年」も要したということを知り、大きく勇気づけられた。
ましてやこの僕が、1年や2年で物事の本質に気づける訳はなく、挫けずに努力を続けていくことが必要であり、また、そうして努力を続けて行けば、きっと、ブレイクスルーがあるに違いない。
僅か20分の時間をケチらなかったお陰で、人生には「今」しかない、ということを実感することができた。
そして、人生は「合理」だけではない、ということも。