もうひとつの「甲子園」。

先週は慌しい一週間だった。

ところで、昨日は子供を連れて駒沢公園に行った。

ハンドルのところに椅子が取り付けられていて子供を乗せることができる自転車と、もう一台、普通の自転車を借り、親子3人で公園内を2周した。

ちょうど甲子園大会の予選の最中で、球場にはたくさんの観客が詰め掛けており、球場の外まで熱の入った声援が聞こえていた。

本人達はもちろんだが、監督やコーチ、彼らを応援するチアリーダー、そして、家族も含めて、甲子園出場という「共通の目標」を共有し、それに向かって頑張っている姿を想像し、自転車を漕ぎながら、目頭が熱くなった。

勝ち負けがはっきりしているスポーツという存在は、逆説的だが、その勝負の結果を超えて、素晴らしい価値がある(本人達以外にとっても)ことを改めて感じさせられた。

僕も中学時代、一生懸命に部活動に取り組んでいたが、当然のことながら、当時は、そこまでの意味は分からなかった。

さて、自転車を返した後は、「じゃぶじゃぶ池」という子供を水遊びさせる施設で、子供を遊ばせた。

同じ月齢ぐらいの子供達が、とても楽しそうに小さな瀧のようなところに勢いよく入って行く姿とは対照的に、僕たちの子供は臆病なのか?持っていったジョウロで水を汲み出したりと、おとなしく遊んでいた。

親としては、何とも物足りない心境であるが、それが、彼の「ネイチャー」であり、持って生まれた「気質」なのだろう。

「本人の持ち味」を受け入れてあげることこそが「教育」であり、個性豊な人間を育てることになるのだと思っている。

育児は「育自」という名言を、またしても実感した。

追伸:妻は大のサッカー好きだが、我が子が「少年サッカー」に明け暮れる姿を見るのは難しそうである(笑)。

「隣の芝生」は青い。

予想ネット」というユニークなウェブサイトがある。

一年ぶりだろうか? その「予想ネット」を運営するリアラスというベンチャー企業の創業者である井手さんと久しぶりに会った。

インタースコープの頃、リアラスと事業提携をさせていただいていた。

予想ネットのビジネスモデル、市場環境、そして、井手さんのお父さん(手広く事業をされていた)が急逝されたこと等の様々な理由により、約2年半前、井手さんは手塩にかけて育てたリアラスをサミーネットワークスの傘下に委ねる決断をした。

僕には、その時の彼の気持ちが痛いほどよく分かった。

その井手さんと久しぶりに食事をしながら、僕のとある相談にのってもらったのだが、その席で井手さんが「平石さん、隣の芝生は青いんですよ(青く見えるんですよ)」と言っていたことが、心に留まった。

また、アイベックス創業者の辻井さんのブログに書かれていた「今、己の立つところを掘れ」というエントリーも、僕の心に訴えるものがあった。

ところで、「一生懸命」という言葉があるが、そもそもは「一所懸命」と言っていたそうだ。

考えて考えて考え抜いた結果、自分のフィールドを決めたら、迷わずそこに邁進するしかない。

SONY創業者の盛田さんの「アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。我々は、それをがむしゃらにやるだけである」という言葉のとおりである。

結果は「保証されていない」。

でも、その結果をつかむには、「挑戦」する以外に方法はない。

気負わず、あくまで自然体で頑張ろう。

僕らしさを忘れずに・・・。

あまりに多くのことを求めすぎない。

2日間のAIIを終えて昨夜遅くに東京に戻り、今日の午前中は、午後からの法政大学経営学部でのゲスト講義に向けての資料の作成をしていた。

やることがたくさんあるのは事実だが、一度に多くのことをやろうとし過ぎる傾向にあるのも事実である。

話しはAIIに戻るが、台湾を代表する起業家であるエイサー創業者のスタン・シー氏の言葉が印象的だった。

「あまりに多くのことを求めすぎない」。
「自分の得意分野を整理し、そこに集中する」。
「チャンスをつかむ前に、準備をしておく(自分の能力・スキルを磨いておく)ことが大切(そうでなければチャンスはつかめない)」。

どれも言われてみれば当たり前のことだが、その当たり前のことを実行するのは簡単なことではない。

ところで、以前の僕であれば、スタン・シー氏のようなビッグネームと直接会うチャンスに恵まれた時は、必ずと言っていいほど名刺交換をしていたが、最近はそういう行動を取らなくなった。

相手にとって何らかの価値を僕が提供できなければ、名刺交換をしても先には繋がらないし、自分がそのレベルになれば、自ずとそういう人たちとのネットワークができるということだ。

そのこと自体は以前も理解はしていたかもしれないが、そのことを今までの経験を通じて実感した。異なる見方をすれば、引っ込み思案になったとも言えるかもしれない。

しかし、今回は、スタン・シー氏の周囲に人だかりがないタイミングを見計らって、挨拶をした。

理由は、あるセッションでのシー氏の受け答えのすべてが的を射ており(当然と言えば当然だが)、それも、その場で初めて会った若い起業家(とベテランCEOとのセッション)に対して、とても的確なアドバイスをしており、尚且つ、そこに「深い愛情」が感じられたからだ。

そのシー氏に声をかけ、自己紹介をさせていただくと、なんと「計6回の創業経験のある人だよね?」という言葉が返ってきた。

AIIの資料にある参加者プロフィールで、僕のことも読んでいたらしい。

僕の常識では、シー氏ほどの大物起業家がすべての参加者プロフィールに目を通すとは考えたこともなく、嬉しいという前に、とても驚いた。

台湾訛りの英語で「Six」という単語が聞き取れず、最初は何のことを言っているのか理解できなかったが、僕のプロフィールのことだと分かった瞬間は、にわかには信じられかった。

さて、僕がシー氏との短い会話から学んだことは、より多くの果実を得るには「予習」が極めて大切であるということだ。

自分に出来ること、自分がやるべきことを見定めて、一歩一歩、地道に進んでいきたい。

こうしてブログに書くだけでなく、実行に移そうと思う。

「田舎の温泉旅館」でも「グローバル経済」の中で戦っている。

梅雨明けしたらしい「七夕」の福岡。Asia Innovation Initiative(AII)の初日。

朝から晩までビッチリのメニューで尚且つ英語でのセッションが多く、睡眠不足と相俟って、集中力の限界と戦いながら出席した。

ベンチャー関連のカンファレンスとは違ってテーマが「国際社会(AIIはアジア)」であり、話しのスケールが大きい。

エネルギー、環境問題、教育等、どのセッションも興味深いものだったが、その中でも、中国国際関係学会 筆頭副会長・元中国外交学院院長である「ウー・ジャンミン(呉建民)氏」の話しには聞き入るものがあった。

外交官としてヨーロッパに滞在した経験のある氏は、とても流暢な英語を話し、当然のことだが国際情勢に精通している。

AIIのようなカンファレンスに出席する度に「国際情勢(政治・経済)」に関する理解を深める必要性を感じるが、昨年の上海訪問をきっかけに遅まきながらアジア人としての自覚を持った僕は、今回はよりいっそう、その必要性を感じた。勉強する時間をつくらなくては・・・。

印象に残ったこととしては、経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏の「田舎の温泉旅館でもグローバル経済の中で戦っている」というひと言もそのひとつである。

ドリームビジョンの事業も然りである。

今後のドリームビジョンの経営を考えるヒントを得るべく、二日目のセッションにも臨みたい。

「非連続の飛躍」。

Asia Innovation Initiative に絡んで、改めてクオンタムリープのウェブサイトを拝見し、出井さんのメッセージを読んだ。

「その後の急成長の過程で、地道な努力や小さな経験の積み重ねが、ある時大きな飛躍をもたらす『非連続の飛躍=クオンタムリープ』を何度も経験しました」。

そうである。レベルは別として、僕の人生でも「非連続的な飛躍」が何度もあった。

今回もきっとそうなるに違いない。

自分を信じて、地道な努力と小さな経験を積み重ねよう。

久しぶりの「福岡」。

いよいよ今日(7/7)からサミットが開幕

ますます複雑さを増す世界情勢を前に、世界の首脳達はどのような議論をするのだろうか?簡単なことではないと思うが、各国の利害を超えて、意味のある議論を期待したい。

ところで、僕は昨夜遅く、今日明日と開催される「Asia Innovation Initiative(AII)」に参加するために「福岡」に来た。

福岡は、札幌と並んで好きな街だ。最後に来たのはいつだろう?

AIIは、元ソニーCEOの出井さんが経営するクオンタムリープが中心となって主催するカンファレンスで、名称のとおり、アジアのイノベーションを誘発することを目的に昨年から開催されている。

スピーカーには、福岡県知事 麻生 渡さん、福岡市長 吉田宏さん、元財務大臣 塩川正十郎さん、独立行政法人国際協力機構(JICA)理事長 緒方貞子さん、経営共創基盤 冨山和彦さん、百度 ロビン・リー(李彦宏)さん、マネックスグループ株式会社 松本大さん等が名前を連ねる。

僕が普段、参加しているベンチャー系のカンファレンスとは趣が異なり、少々緊張している。

ところで、この土日は、慌しかったというか、精神的に落ち着きが無かった。イライラしていたと言ってもいい。つまらないことで、久しぶりに妻と口論をした。

先週は、火曜日の定例会議の前夜、朝方まで会社にいたことはブログに書いたとおりだが、その後もタイトなスケジュールが続き、疲れが溜まっていた。

でも、気持ちが張っており、半ば「ハイ」になっていて、ゆっくりと寝ることができず、睡眠不足になっていた。

自分でもハイテンションになっていることには気づいていたが、自分をコントロールすることができなかった。

こうして書いていて思い出したが、嫌なこともあった。

でも、そのすべては「必然」であり、詰まるところ、自己責任と言える。

仕事(事業)に関しては、やるべきことは決めたので、後は、焦ることなく、一歩一歩着実に、物事を前に進めていくだけである。

福岡での2日間が、よいチェンジ・オブ・ペースになるようにしたい。

「ブログの自分」と「リアルの自分」。

昨日、とあることでライフネット生命保険の出口さん(社長)と岩瀬さん(副社長)にお会いした。

その席上で、岩瀬さんからこんなことを言われた。

「平石さんって、実際に会うと力強いものがあるじゃないですか。でもブログから伝わってくる平石さんて、ちょっと違いますよね・・・」。

たしかにそうだと思う。

「でも、ブログの中の僕は『力強く』て、実際に会った僕は『弱々しい』よりもいいですよね?」と言ったら、「そうですね。それが逆だったらいやですよね(笑)」という返事が返ってきた。

傍から見れば何気ない会話かもしれないが、僕は何故、そういう「ギャップ」が存在しているのか?を考えた。

それは、事実として、僕の中に「臆病」で「繊細」で「弱虫」な自分がいるからだと思う。

随分昔の話しになるが、僕にとっての最初の起業のパートナーであり、その会社からスピンアウトして現在は自分で会社を経営している堀水から、「平石は『弱虫』なんだよ」と言われたことがある。

なかなか出来る事ではないが、僕は「自分のすべてを受け入れたい」と思っている。

多少は「才能」のある自分も、その才能を開花させる���めの「努力」が足りない自分も、「他人の評価」を気にして「カッコいい自分」でいたい自分も、同じく「他人の評価」を気にするあまり、一般的定義での「失敗」を恐れる自分も、たくさんの「お金」が欲しい自分も、でも、お金よりも「社会的意義」や「自分の価値観」を大切にしたい自分も・・・。

ブログの中(読んで下さっている大半の方々とはお会いする機会がない)だからといってカッコつけた話しを書くよりも、むしろ、僕の「弱い」「臆病」な、よく言えば「繊細」な部分を書いた方が、素直でいいような気がしている。

何故なら、リアルの僕は「弱い自分」を受け入れながら、どうやってそれを「克服」し、前に進めるか? それこそ、カッコ良く言えば、毎日毎日、戦っているのだから。

何事にも「外面」と「内面」があるとすれば、リアルの僕は「外面」で、ブログの僕は「内面」なのだろう。