「経済合理性」はすべてに優先するか?

随分前のエントリーで書いた気がするが、弊社のオフィスの窓からは立派な桜の木が見える。桜の季節には、キレイな花を満喫させてもらった。

その桜の木であるが、とても残念なことに、既に「過去の話し」になってしまった。今朝、出社したら、チェーンそうのけたたましい音と共に、工事の方々が伐採作業をされていた。

その桜の木は駐車場の片隅に立っていたが、おそらく、そこに何らかの建物が建つのだろう。

しかし、伐採されてしまった桜の木は、樹齢20~30年ぐらいは経っていたと思われ、残念で仕方がない。

僕がその土地のオーナーなり事業主だったら、間違いなく、その桜の木は残したままにしたと思う。

たしかに、経済合理性には反すると思うが、桜の木は駐車場の隅っこにあり、事業収益に与える額は、それほど大きなものではないだろう。数学が苦手な僕には出来ないが、その桜の木が与えてくれる「情緒」を経済価値として算出することも可能だと思う。

ところで、ドリームビジョンでは、業務効率を高めるため、今までの仕組みを再点検している。大袈裟に言えば、BPR(Business Process Reengineering)を行っている。

その際に大切なことは、もちろん、経営効率を高めることだが、その際に注意する必要があるのは、「時間軸(短期 V.S. 中長期」と「直接効果 V.S. 間接効果」といった視点だと思っている。

インタースコープの頃のことで言えば、共分散構造分析(SEM)的な考え方である。

桜の木が伐採される姿をみて、ふっとそんなことを考えた。

「変化は必ず痛みを伴う」。

もう随分前の話しだが、地下鉄に乗っていた時、僕が20代の時に務めていたコンサルティング会社の先輩とばったり会ったことがあった。その時、彼女に言われたことを、今でもよく覚えている。

彼女が僕に言ったことは、「社長の後ろには誰もいないんだもんね。凄いよね」ということだった。

当時の彼女は、僕が勤めていた会社の取締役になっていて、僕は最初の会社を経営していた頃だった。

僕に関しては、最初の会社と言っても僕を含めて数人のちっぽけな会社で、そんな大したことではなかった。

彼女は取締役として会社の経営にあたるようになって、経営者の苦悩を初めて理解できるようになったと言っていた。それで、僕にそういう温かい言葉をかけてくれたのだろう。

ところで、地下鉄の中で彼女とばったり会った数年後、僕はインタースコープというネットベンチャーを創業した。でも、「自分の後ろには誰もいない」という感覚はなかったような気がする。それは、やはり、山川さんという共同創業者がいたことが大きいと思う。

明確な線引きがあったわけではないが、お互いに何となく、これは○○さんの仕事、これは僕の仕事というような領域があり、また、会社全体にとって重要な意思決定をする際には必ず、ふたりで協議をして決定していたので、少なくとも僕は、それほど孤独なものを感じずに済んだのだろう。山川さんはどうだったかは分からないが・・・。

では、今はどうかというと、地下鉄の中で先輩に言われたことの意味が、遅まきながら、ようやく分かるようになった。

数日前のエントリーでも書いたが、僕は「公私共」に大きな意思決定をした。

私(プライベート)のことは書くつもりはないが、会社(公)のことで言えば、僕は今までのやり方を大きく変えることにした。

創業経営者であり経営コンサルタントでもある日系2世の叔父が言っていたが、「変化は必ず痛みを伴う」。

それでも「変化」が必要だと判断をしたなら、組織の規模の大小に係らず、その「痛み」を「覚悟」して「構造改革」を進めるのが経営者の責任である。

僕はそう思っている。

リーダーシップとマネジメント。

当然のことであるが、人間には人それぞれの価値観や考え方、判断基準がある。

言ってみれば、誰一人として同じ考え方の人はいないわけであり、考え方も能力も異なる人々の集合体である「組織」を運営するのは至難の業である。

もちろん、烏合の衆であれば易しいことかもしれないが、目的を共有し、その実現に向かって全員のベクトルを揃えるのは簡単ではない。特に、優秀な人の集まりであればあるほど、大変である。

リーダーシップとマネジメントの大切さと、自分自身の能力の足りなさを痛感させられている。

「梅雨明け」と「経営判断」。

昨日のエントリーでここ数ヶ月は慌ただしい日々を過ごしていたと書いたが、昨夜、外部の株主の方々に送付する資料が完了し、自分の中ではひとつの「区切り」がついたというか、新しいモードに入る準備が整ったような気がした。

関東地方もようやく梅雨が明けたようだし、僕の中の季節も変えていければと思う。

随分昔の話しになるが、僕がインタースコープを創業して2年目の年末、(当時)インフォプラントの大谷さんが、「僕はずっと外の仕事に邁進してきましたが、ある数ヶ月は内部の仕事に専念した時期がありました」という話しをしてくれたことがある。

ドリームビジョンを創業して2年目の現在、僕はまさしく当時の大谷さんのような状況なり心境なのかもしれない。

外の仕事も中の仕事も両方とも大切だが、その時々によって、優先される仕事は異なる。

適切な状況判断に基づく経営を心掛けたい。

企業理念。

今日から8月。今年に入ってから、7ヶ月が過ぎた。時間の経つのは本当に速い。特に、4月以降は慌ただしかった。

ドリームビジョンでは、4月から泉谷さん、5月から松本さんというメンバーが加わり、インターンと派遣社員の人達を合わせると10人になり、ようやく会社らしくなってきた。

それに併せて、僕の役割も変化させてきた。プレーイングマネジャーであることに変わりはないが、より一層、組織の在り方や役割分担、各人の持ち味を発揮するにはどうすればよいか?を考え、実行することに、僕のエネルギーと時間を費やすようにした。

また、昨日のエントリーにも書いたが、ドリームビジョンとして、どのような「未来」を目指すのか? そのことを自問自答するようになった(した)。

そのひとつのアウトプットとして、企業理念のステイトメントを刷新した。僕の想いは何も変わってはいないが、今までのステイトメントは抽象的過ぎて、僕の意図することが正確に伝わらないということが分かったからだ。

新しく制定したステイトメントは、以下のとおりである。

生き方、ビジネス、社会のあり方に対して、知恵、技術、意志、情熱、愛情と感謝の心をもってイノベーションを実現し、新しい社会的価値を創造する」。

そして、上記のステイトメントを表現するべく、ドリームビジョンのウェブサイトをリニュアルすることにした。

夏休みの宿題である。

リンクアンドモチベーションの小笹さん

ここ最近、リンクアンドモチベーションの小笹さんの話しを聴く機会が2度あった。同社が運営する「モチベーションカンパニークラブ」なる経営者を対象とした組織に入会したためだ。

小笹さんと最初に会ったのは、2002年の秋だった。

当時、リンクアンドモチベーションの社員だった小堀さんという方が、僕が「EOY 2002」のセミファイナリストに選ばれたことを新聞で知り、電話をしてきたのがきっかけだった。

その後、銀座にあるオフィスにお邪魔して、小笹さんと経営に関する話しをしたり、食事をご一緒させていただいたり、また、彼らのプログラムを体験させていただいたりしたが、ここ最近はご縁が無く、数年ぶりにお会いした。

小笹さんの話しは、いつもとても分かり易く、示唆に富んでいる。

彼の話から学んだことはたくさんあるが、今日のエントリーでは、その中から「2つ」だけ、紹介したいと思う。

ひとつは、「今ではなく、『未来』を語ること」。

もうひとつは、世の中には自分の努力で「変えられるもの」と「変えられないもの」のふたつがあること。

特に経営者は、「未来」を語ることが大切である。そして、その未来が魅力的で且つ実現リアリティがあるならば、組織の求心力が生まれると思う。

ふたつ目の「変えられるもの V.S. 変えられないもの」に関しては、数年前の体験プログラムでも聴いた話しだが、改めて伺うことによって、もう一度、自分の中にインプットし直すことができた。今の僕にとって、とても良いタイミングだった。

「変えられるもの」は、「思考」「行動」「自分」「未来」。「変えられない」ものは、「感情」「生理反応」「他人」「過去」。

一流のスポーツ選手に共通していることは、インタビュー等で「自分のベストを尽くすだけです」と答えることだと小笹さんが言っていたが、確かに、松井選手もイチロー選手も宮里藍ちゃんも、そう答えていることを思い出した。

それにしても、小笹さんは「ビジネス(商売)」が上手い。僕には出来ない芸当である。

でも、小笹さんと比較しても何も始まらないので、僕は僕に「出来ること(変えられること)」に注力しよう。

ところで、その小笹さんと久しぶりに挨拶をした際に、「そういえば、以前と変わられたんですよね?今は何をされているんですか?」と質問された。

僕がインタースコープを退任したことは知っていたが、今の僕が「何をしているのか?」はご存知ではなかった。

明確なメッセージを発信する必要性を改めて認識した。

それでも★フジテレビ★を目指すのか?

僕が社外取締役を務めているラソナでは今、ある重要なポストの採用を進めている。

それに伴い面接をしているわけだが、お会いした方々との会話の中で、こちらが学ばせていただくことが非常に多い。大変ありがたいことである。

それらの中で最も印象に残ったこと=勉強になったことを、整理してみようと思う。

★どんなことでも構わないので、自分たちが「NO.1」になれる市場(エリア)を探す。

★その市場で「NO.1」を実現し、維持するためにフォーカスすべき領域(営業/サービス/技術.etc.)を決めて、徹底的に実行する。

★自分たちにとっての「最重要顧客」を定義し、彼らにフォーカスする。

どれも極めて常識的なことだが、現在のラソナを含めて、それを実践できているところは少ないように思う。逆に言えば、それを実践できたところだけが、自分たちがビジネスをしている市場で「NO.1」になれるということだろう。

では、どんなビジネスを行うのか?何を目指すのか?これも非常に重要な論点である。

例えば、

フジテレビを目指すのか?
★フジテレビの番組を作る制作会社を目指すのか?
★ユニークな地方局(何かに特化しているという意味)を目指すのか?
★その地方局の番組を作る制作会社を目指すのか?

ということだ。

僕がインタースコープを創業した2000年前後は、ネットビジネスという市場がまだ「原っぱ」で、「先見性と行動力」があれば勝負できる時代だったが、今のネットビジネスは成熟してきており、そこでNO.1プレイヤーを目指すということは、現在のNO.1プレイヤーを凌駕するか?併存できる異なる事業を構築するしかない。

それは、多額のお金があっても難しいと思う。何故なら、ランチェスターの法則が働くからだ。

もうひとつ、重要な論点がある。

それは、今からネットビジネスにおけるフジテレビを目指す勝負をするには、1億や2億といったレベルではなく、10億円単位の「先行投資」が求められるということだ。

実現しようとしている「プラン」が魅力的で、且つ、「経営チーム」が優秀であれば、今の時代においてはお金を集めること自体は可能だと思う。

しかし、問題は、10億円というお金を持ってビジネスを行う際に求められる「判断基準」や「行動様式」を、★その組織が受け入れられるか?★という点である。

ある方が、まさしく、その点を指摘していた。とても優秀な方である。

僕が好きなゴルフに例えれば、プロゴルファーであっても、誰もが「タイガーウッズ」のスイングを習得できるわけではない=理論的には理解できても、身体が習得できない、ということだ。

持って生まれた才能や素地が異なるのである。

ラソナが目指すべきものは、キラリと光る「ユニークな地方局」だろう。それでも、難易度は決して低くはない。とても高いハードルである。

ところで、ドリームビジョンはどうするべきか?

当然のことながら、僕にとっての「最重要課題」である。

今年の「夏休みの宿題」である。